Boxing
2010年9月24日(金)後楽園ホール
To the Future ~未来へ~ Vol.07
OPBF東洋太平洋ミニフライ級王座決定戦10回戦
藤岡奈穂子(竹原&畑山)赤
VS
カニター・ゴーキャットジム(タイ)青
藤岡奈穂子選手はデビュー以来3戦3勝3連続TKOとは言うものの、相手の2人はタイ人、もう一人は肩を故障中の猪﨑かずみ選手で、激しい試合を勝ち抜いた経験はなく、いまだに実力的には未知数。しかもラウンド経験が2回までしかないため、藤岡選手にいきなり10ラウンドを戦う展開力やスタミナがあるのかどうか。そのあたりがこの試合のポイントでしょう。
1回 カニター選手はタイからの来日選手にしては珍しくかまえもしっかりして内側からまっすぐに打つことの出来る選手。フットワークで動き回る藤岡選手に対して左のダブルから始まるコンビネーションでアゴに一発命中させ先制します。
一方、この回の藤岡選手は様子見という感じで、その後も2、3発のヒットを許しながら反撃はわずか。
2回 初回で手応えを掴んだのか、この回は最初から飛び出してパンチをふるうカニター選手。藤岡選手も応じて何度も強振しますが当たりません。カニター選手はいけると思ったのか笑顔を見せ、1分過ぎからボディーを打ち始めます。
3回 藤岡選手は相手のフトコロに飛び込みながらフック系を連打してヒットをかさねますが、打たれているカニター選手が前に出て打っている藤岡選手が下がるという不思議な展開。ラウンドが終わってコーナーにもどるカニター選手は余裕の微笑み。
4回 開始とともに勢いよく出て行くカニター選手。ワンツーボディーを受けてまっすぐ下がる藤岡選手。
カニター選手の攻撃をガードでしのいでアッパー、フックを返し、上体を振りながら多彩なパンチで反撃する藤岡選手。しかし、命中率が極端に低く10発にひとつぐらいしか当たりません。
カニター選手は接近してボディーやフックの連打をするだけの単純ボクシングですが、打てば高確率でヒット。
ここで最初のオープンスコア。3-0で藤岡選手が優勢。この内容でジャッジ全員が藤岡選手支持ということで、早くも勝敗の行方は読めてきます。
5回 出てくるカニター選手、下がる藤岡選手という構図は変わらず。パンチの命中率もカニター選手の方が上。
ラウンド後半になると藤岡選手は突然ボクシングスタイルを変えます。フットワークを止めてカニター選手の正面に立ち、左右のフックを連続で打つシンプルファイト。するとこれが次々にヒット。カニター選手は一方的に打ち込まれます。
6回 左フックのヒットでチャンスをつかんだ藤岡選手が大振りフックを繰り返し、カニター選手は距離をつめて小さなフックで対抗するというラウンド。カニター選手がとにかくガマンで乗り切ります。
7回 カニター選手は距離をつめてひたすらボディー打ち。藤岡選手はこれを嫌って後退します。
ここで2回目のオープンスコア。3-0で藤岡選手。
8回 ポイントリードで勝利が目の前となった藤岡選手は足を使ってアウトボクシング。カニター選手は追いかけてボディーを攻めます。しかし、次第にカニター選手のパンチの精度が落ちて、冷静に狙って打つ藤岡選手が優勢に。けれど、ラウンドが終わってコーナーに戻る藤岡選手の表情は苦しげ。最後まで体力がもつか。
9回 近い距離から左右を打ち合う二人。カニター選手は精度が下がって雑なパンチ。藤岡選手はあまり崩れないで打っていますが、右と左を交互に出す単純なリズムのためか攻めに展開が生まれず、相手を追いつめるまでには至りません。
10回 両者ともに積極的に出てリング中央で足を止めてのドツキ合い。藤岡選手が強打を5、6発きめるとカニター選手に明らかにダメージ。このまま藤岡選手が押し切るかに見えましたがカニター選手も最後まで耐えて終盤にはアッパーとフックで反撃、意地を見せました。
判定は3-0で藤岡選手。内容的に見るべきものに欠けた平板な試合でした。
OPBF東洋太平洋ミニフライ級王座決定戦10回戦
○藤岡奈穂子(竹原&畑山)
3-0
×カニター・ゴーキャットジム(タイ)
藤岡奈穂子選手がユナニマスデシジョンで勝利。OPBF東洋太平洋ミニフライ級王者に。
以上により両選手の戦績は次のようになります。
藤岡奈穂子 ふじおかなおこ(竹原&畑山)4戦4勝3KO
カニター・ゴーキャットジム(タイ)11戦8勝3敗
(上記戦績はJBC公認以前からの通算)
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