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その華麗なボクシングスキルで世界のトップを走るWBAスーパーバンタム級王者ジャッキー “プリンセス・アステカ” ナヴァ選手が、現在妊娠中であることを発表し、しばらくの間リングから遠ざかることになりました。
ここでちょっとナヴァ選手の略歴をご紹介。
ナヴァ選手は1980年4月生まれ。バスケットボールが好きな少女でしたが、エンジニアで空手家でもある父親の影響で12才からコンタクトスポーツをスタート。
空手のほかにリマラマという打撃系の格闘技も身に付けた彼女は16才のころからプロのキックボクサーとしてリングに登場。その一方で、18才からは工科系の学校で建築学を学び、のちに建築系の仕事に就きます。
キックボクシングのジムで知り合ったマリオ・メンドーサさん(ビデオに一緒に写っている男性)と数年後に結婚。メンドーサさんは現在のジャッキー・ナヴァ選手のセコンドでもあります。
21才の時にハワイの大会でプロボクシングにデビュー。しばらくの間はボクシングとキックボクシングの両方を掛け持ちで戦っていましたが、ナヴァ選手はふたつの競技の本質的な違いを痛感し、どちらかひとつにすべてをかけることを決心。悩んだ末にボクシングを選びます。
ボクシングデビュー11戦目の2005年2月、WBAの初代女子バンタム級王者となりましたが、直後、ライバル団体のWBCも女子王座の認定を開始。
2005年5月、母国メキシコに本拠を置くWBCの初代女子スーパーバンタム級王座を獲得したナヴァ選手は、WBAのベルトは一度も防衛戦をおこなわないまま返上。
WBC史上初の女子王者ナヴァ選手は、WBC女子の顔としてこのベルトの防衛に専念し、立て続けに2回の防衛に成功しますが、2006年にアルゼンチンの豪腕アレハンドラ・オリベラス選手を挑戦者に迎えた防衛戦で衝撃の失神KOを喫して王座陥落。
4年後の2009年にようやく同級王座への再挑戦の機会を得ますが、今度は南米の女王マルセラ・アクーニャ選手の牙城を崩せずに判定負け。
その後、暫定王座は獲得したナヴァ選手ですが、正規王者との対戦機会がないままに長らく待機状態。
しかし、彼女の潜在的な人気と実力への評価は非常に高く、2011年にはメキシコのスーパースターアナ・マリア・トレス選手とWBAスーパーバンタム級スーパー王者決定戦で初対決。
これは史上類を見ない激闘となり結果は引き分けとなったもののナヴァ選手の人気は大爆発。トレス選手と肩を並べる大スターとなりました。
そして今年1月にとうとうWBAスーパーバンタム級の正規王者になったジャッキー・ナヴァ選手は、矢継ぎ早に防衛戦をおこない、すでに2回の防衛に成功。
ここでナヴァ選手本人がツイッターで妊娠を報告。
「わたしはボクシングというスポーツをものすごく愛しています。わたしたちはここで歩みを止め、喜びに満ちた時を迎えますが、必ず戻ってきます。2013年後半には必ずリングに戻ります。」と、語るナヴァ選手。
アナ・マリア・トレス選手に続き、ジャッキー・ナヴァ選手までが産休に突入したメキシコ女子ボクシング界。スーパースターふたりが相次いで戦線離脱という非常事態ですが、このまま人気の灯が小さくなってしまうのか、あるいはこれをチャンスとして新しい人気選手が飛び出すのかは選手の頑張り次第。メキシコ女子ボクシング界はいま勝負の時を迎えています。
WBAバンタム級王座防衛0回
WBCスーパーバンタム級王座防衛2回
WBAスーパーバンタム級王座防衛2回
ジャッキー・ナヴァ(メキシコ)35戦28勝4敗3分12KO
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