Kick Boxing
2013年5月19日(日)東京 新宿FACE
『J-GIRLS 2013 ~Victorious Goddess 2nd~』
この日予定されていたJ-GIRLSフライ級トーナメント準決勝は、小田巻洋子選手(WSRフェアテックス)が規定体重をオーバーして失格となったために松田玲奈選手(y-park)が不戦勝。
J-GIRLSフライ級王座挑戦者決定トーナメント 凖決勝 2分3R(延長1R)
○松田玲奈 まつだれな(y-park)
不戦勝
×小田巻洋子 おだまきようこ(WSRフェアテックス)
小田巻選手が規定体重超過のためトーナメント失格
その彼女の対戦相手として名乗りをあげたのは、かつてのJ-GIRLS王者グレイシャ亜紀選手。これはある意味、夢の対決ですね。
エキシビションマッチ 2分2R
松田玲奈 まつだれな(y-park)
VS
グレイシャア亜紀 ぐれいしゃああき(フォルティス渋谷)
リングアナのヤマモさんが「エキシではありますが、両者の希望によりガチでおこないます!」と宣言すると、大きな拍手が起こる場内。
第1ラウンド 大先輩との対戦に張り切っている松田選手は、初回からハイキック、前蹴りなどでどんどん攻めていきます。
松田選手の蹴りを難なくガードするグレイシャア選手ですが、パワフルな右ローには少し体をもっていかれます。
続いてパンチで攻める松田選手。しかし、グレイシャア選手のフトコロは深く、思うようには攻撃が届きません。
ラウンド後半になるとそれまで守備一辺倒だったグレイシャア選手が徐々に攻勢モード。右回し蹴りをヒットさせて攻撃の精度の高さを見せると…
次は松田選手が両腕ガードでやっと耐えられるほどの強烈な一撃でお客さんをうならせます。
グレイシャア選手は絶妙な距離感でパンチもキックもやりすごし、
蹴り足を即座に逆回し。そしてカカト落としに変化させるワザ有りの一撃。
グレイシャア選手はこれを距離を取ってやり過ごし、突然空中で前転するようにして浴びせ蹴り。不意を突かれた松田選手はまともにもらってしまいます。
楽しそうに笑いながら近付いて来るグレイシャア選手に今度は松田選手がカカト落とし。しかし、これをギリでかわすグレイシャア選手。
一撃返したい松田選手ですが、グレイシャア選手の前蹴りがジャマ。
そこにグレイシャア選手が高速キック。松田選手のガードが間に合わない。
さらにはパンチからバックキックにつないで、もう一度浴びせ蹴りを見せるなどやりたい放題のグレイシャア選手。ヒットはしなくてもここまで自由に動かれると松田選手は面白くないでしょう。
終了のゴングまで打ち合いを続ける二人をレフリーが分けてエキシ終了。
ベテランのグレイシャア選手がニューフェイスの松田選手に最初は自由にやらせておき、最後は自分が派手な見せ場を作って全部持って行ってしまうという展開が、この世界の厳しさを反映しているようでとても痛快なエキシとなりました。
エキシの後の松田玲奈選手は笑顔の中にも「やられちゃったなあ」というくやしさが伝わって来るような微妙な表情。その気持ちが松田選手をさらに成長させるでしょう。グレイシャア選手、グッドジョブでした。
エキシビションマッチ 2分2R
松田玲奈 まつだれな(y-park)
勝敗無し
グレイシャア亜紀 ぐれいしゃああき(フォルティス渋谷)
エキシの間は非常に楽しそうだったグレイシャア選手が、マイクを持つと真顔になって「わたしがキックを始めた頃は計量をオーバーする人なんかほとんどいなかった。最近は男子も女子もそういうことが多くて、なにかおかしいのではないかと思います。」と選手、関係者に対してひとこと。
計量超過や試合の棄権などがここしばらく目につくことは事実。そのことについては選手の自覚もあるかもしれませんが、以前もこのブログで書いたとおり、3.11以降の放射線環境の影響も無視出来ないと思います。困った時代になったものです。
コメント
アップありがとうございます。エキシビジョンでこんなに画像をアップしてくれるとは感謝感激。
読ませていただいた限り、グレイシャア選手の貫禄勝ちみたいな内容だったように思われました。松田選手にとって実のあるエキシになったようで良かったです。
松田選手は攻撃的なスタイルなのは好感が持てますが、攻防のバランスが悪いように思われ、決勝戦までそこを修正してほしいと個人的に思っています。
大人げないグレイシャ。いいじゃん。
減量に失敗して病院へ行くような事態に陥ってしまう選手の多くは、放射能の影響ではなく、「外傷性横紋筋融解症」が原因です。
「外傷性横紋筋融解症 格闘技」で検索してみてください。
選手は正しい減量知識を身につけて競技生活を続けて頂きたいと願っています。
>バリンさん
>選手は正しい減量知識を身につけて競技生活を続けて頂きたいと願っています。
本当にそのとおりですね。
いまだに「練習中は水は飲むな」とか、「やろうと思えばいくらでも減量は出来る」とか、わけのわからないことを言う指導者がいる日本の格闘技界の現状は悲惨なものだと思います。
それとは別に、放射線は減量失敗の要素として除外するべきではないというのがわたしたちの考えです。
外傷性横紋筋融解症だけでは減量失敗が最近増えていることの説明にはならないからです。以前は減量に成功していた人が最近になって失敗するのは不思議な話だと思います。
マスコミで言われる放射線の影響とはガンとか白血病とか極端なものばかりですが、実際はストレスの増加や、免疫の低下、代謝の異常など、見過ごされがちな日常的なレベルの影響のほうが、広く多くの国民の健康に影響を及ぼしていると思います。減量中にこれらの影響を受ければ体調を崩したり、体重が落ちないなどの事態に陥ることは驚くべきことではないでしょう。
そのような事象をきちんと研究しようとする科学者や医学者がこの国にいるのかいないのかは分りませんが、格闘技ファンなら「自分の身は自分で守る」という意識は常に持っておくべきだと思います。
疲れやすい、目が充血する、打撲していないのに手や足に黒い内出血が出来る、口内炎が続いている、鼻血が出る、などは放射線障害の一例と言われます。
日本の汚染の現状は決して軽いものではありません。
繰り返しますが、自分の身は自分で守りましょう。自分を守る人は自分しかいないのです。
詳しいコメントありがとうございます。
僕が放射能の影響ではないと思う理由は、計量オーバーの常習者と言われる選手に九州在住の選手や外国人選手が、思い当たるだけでも数名いるからです。
放射能の影響が0ではないかもしれませんが、主たる原因は違うと思います。
外傷性横紋筋融解症のことを知らない競技者や指導者はたくさんいます。
なんでもかんでも放射能のせいにするのは違うのでは?と思ったのでコメントさせてもらいました。
返信ありがとうございます。
計量超過常習の人は減量知識の欠如なのでしょう。気になるのはいままで問題なかったのに最近は減量出来なくなっている選手です。
現在の日本は「なんでもかんでも放射能のせい」と言うよりは「放射能の影響は何も無い」という風潮に見えます。実際、スポーツブログでこのようなことを指摘しているのはたぶんわたしたちだけです。
福島での事故は最も汚染が深刻な「レベル7」という最悪のケース。そして、そろそろ影響が具体化して来る時期です。わたしたちの日常生活はもちろん、アスリートの競技生活にはいくら注意をしてもしすぎることはないでしょう。
例によって、大手メディアや行政は本当のことは伝えません。だれもあなたを守りません。しかし、そのことを怒ったり悲しんだりするのは無駄なことです。
各自が必要な情報を集め、自分で自分を守りましょう。