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Krush女子王者 朱里 突然のMMA参戦について キックボクシング女子

 KickBoxing

 Krush女子王者の朱里選手がMMAに参戦という件について、最初は「ああ、パンクラスさんにも出るのね」程度に思っていましたが、一部の記事で、というか多くの記事で「元Krush女子王者」とか「Krush女子王座は年末に返上」という記述を見て「え~っ?」と思いました。

 というのも、現在、朱里選手の持つKrush女子王座についてはすでに昨年中からKANA選手(シルバーウルフ)が挑戦の意向を表明しており、朱里選手の「自分は全然いつでもいいですよ。いつでもやれるならやりたいです」との談話も発表されています。http://www.krush-gp.com/2015/09/26982/

 2月5日のKANA選手の試合も、勝ったら朱里選手への挑戦が本決まりという流れで組まれていますし、多くのファンや関係者もそのつもりでいました。

朱里選手
 ところが、そこに、朱里選手はすでに王座を返上している、という話ですから「どうなってんの?」です。

 絵に描いたような、突然のハシゴはずし。

 その後、朱里選手があわててツイッターで「《間違いです》 ヤフーニュースにKrush王者返上しましたと書いてあるのですが、年末に返上という形をKrushさんと話しをしていて、許可を得ているの間違いです。まだ返上はしていないのですが、近いうちにベルトを返上となると思います。」と書いたので、正式にはまだ返上はしていないようです。

 返上の許可に関してはKrushさんからはなにも発表が無いので、なんとも言えませんが。

 しかし、今後のパンクラス参戦はすでに発表されているし、プロレスは継続するけれども、Krushにはもう出ないことも記事になっていますので、王座は返上か剥奪か、どちらにせよ、もう朱里選手の手元からは無くなることは確実。つまり、朱里 VS KANAのタイトルマッチは実現しないわけです。

 このカードは正式には一度もアナウンスされているわけではないのですが、事実上の既定路線だったわけで、その消滅に関してはファンやKANA選手にひとことあっても良いんじゃないでしょうか?

 選手にはリングを選ぶ自由がありますし、団体には選手を獲得する自由があります。でも、その選手の人気を支えているのはいままで応援していたファン。その選手の過去の実績があるのはいままでの活動していた団体があればこそ。

 「MMA転向」と言うと単に競技が変わっただけのように聞こえますが、本当はキック時代からの人との関係がガラッと変わるわけです。

 で、今までの人とは円満に話がついていれば良いのですが、Krushさんからは何もないままにパンクラスさんからだけ発表があったのは、あんまり正常な形ではないと思います。

 実際、Krushさんのサイトに朱里選手の写真が大きく載っている一方で、パンクラスさんのサイトにもデカデカと載っているのはおかしいでしょう。両団体の間で話がついていないことがあるのは明らかです。

 昨年、ホリー・ホルム選手が衝撃のKOでUFC王座に就いたときに、打撃系選手のMMA進出が加速されることは予想出来ました。

 パンクラスさんはUFCさんと良好な関係なようで、将来のUFC参戦を見据えてのパンクラス参戦という朱里選手の意向や夢は分かります。

 しかし、もう少しまわりの人たちもスマートな形でそれを発表出来なかったのかな、と残念に思います。

 それと、パンクラスの酒井さんのコメントで「(朱里選手は)キックボクシングで頂点を極め、今回究極の格闘技であるMMAに挑む事になり(略)」という部分が、キックよりMMAのほうが上みたいな表現に取れるので不適当だと思います。

 「究極の格闘技」という宣伝文句を単独で使うのならいくらでも使ってもらってかまいませんが、こうして他種目と並べて優位性があるかのように言うのなら、それは事実として間違っています。

 なにかの格闘技が、ほかの格闘技よりも上、なんてことは絶対に無いのです。

 むかし、プロレス系のライターさんたちが総合格闘技を売り出したときに「打てばボクサーより強く、蹴ればキックボクサーより強く、組めばレスラーより強い、それが総合格闘技だ」とかバカみたいなことを言ってたことがあって、それがプロレス系MMAの関係者の人たちにはいまでも刷り込みがあるのかもしれません。

 しかし、同じ人間がいろんなことをやれば、それだけひとつのことに振り分ける時間は減るので「打てばボクサーより強く、蹴ればキックボクサーより強く、組めばレスラーより強い」などなるわけがありません。

 現実にはそれとは逆で、最高のパンチじゃなくても、最高のキックじゃなくても、最高の組みじゃなくても、戦略性やマルチスキルの連携によって戦えるのがMMAなのです。

 五輪柔道では金メダルではなかったロンダ・ラウジー選手がUFCではチャンピオンになれたのはそういうことです。

 もう一度言います。なにかの格闘技が、ほかの格闘技よりも上とか下なんてことはありません。

 スポーツとして健全に発展させるためにはむかしみたいなヨタ話はもうやめましょう。

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コメント

  1. 次元 より:

    やめたい言うやつを引き止めても意味無いけど、辞めるタイミングが最低だよ。次の大会の直前では喧嘩売ってるようにしか見えないぞ。
    3回ぐらいは防衛したから一度も防衛しないでやめたリカ・センチャイよりはましだが。

  2. queens of the ring より:

    >次元さん
    まあ、タイミングとか発表の仕方ですよね。

  3. LL.Kick より:

    なんかガッカリ。自分の都合しか言ってないよね。

  4. 北国の男 より:

    Krush側との話し合いはついたようですが、やはり残念に思います。
    日本の女子格闘家はボクシング以外であれば競技を掛け持ちしても問題ないのだから、Krush側からのOKはもらうべきでした。

  5. queens of the ring より:

    >北国の男さん コメントありがとうございます。
    朱里選手の試合ならMMAでもプロレスでも応援するというひとと、Krushの朱里選手、K1を目指している朱里選手が好きだった人では受け取り方は違うかもしれませんけど・・・QR的にはやはりさみしいなあと。K1も見たかったし、中国のリングでリベンジしてほしかったですし。
    朱里選手、MMAでも頑張ってください。

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