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WBO世界ミニフライ級タイトルマッチ 池原シーサー久美子 VS 江畑佳代子 本当にチャンピオンの防衛成功なのか?  Dangan Ladies Vol.2 ボクシング女子

 Boxing

2016年9月21日(水)東京 後楽園ホール
Dangan Ladies Vol.2

第10試合WBO世界ミニフライ級タイトルマッチ
王者 池原シーサー久美子 いけはらしーさーくみこ(フュチュール)
VS
挑戦者 江畑佳代子 えばたかよこ(ワタナベ)

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 少々時間が経ってしまいましたが、先月の『ダンガン・レディース2 池原シーサー久美子 VS 江畑佳代子 リマッチ』をもう一度振り返ってみましょう。

 QRでは試合直後に「新王者誕生かと思われましたが、判定は池原選手のスプリット勝利。 ナゾ判定。」と書きました。明らかに変な判定納得出来ない判定に見えました。

 試合終了後、後楽園ホールの階段を下りて帰る人波のなかでも「あの判定あり?」「江畑の勝ちじゃないの?」という声が聞こえました。

 それに答える声として「いや、でも、ボクシングにはいろんな見方があるからね」というのも聞こえてきました。


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 でも、このいろんな見方というのはインチキ判定をごまかすために業界が作った都市伝説。本当はボクシングにいろんな見方はありません

 ボクシングの判定基準の最大のものは『有効打』であると決められています。これより大事なものはないんです。

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 一方の選手が「パンチが適確だった」「打たれながらもカウンターを返した」「しっかり前に出ていた」「技術的に優れていた」などということがあっても、相手のほうが有効打が多かった場合は相手の勝ちです。

 パンチが適確であろうが、カウンターを返そうが、前に出ようが、技術が優れようが、たくさん有効打をもらえば負けです。

 それ以外の『見方』なんてありません。

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 有効打がどちらも同じぐらいだった場合だけ「より攻勢なのはどちらか」「試合を動かしたのはどちらか」などで判断するのですが、そんなに接戦になることはあんまり多くないです。

 ボクシングの判定基準はあくまでも有効打メインです。

WBO世界ミニフライ級タイトルマッチ 池原シーサー久美子 VS 江畑佳代子
 今回のカードが決定した時、正直言ってQRはガッカリしました。日本の女子ボクシングは、世界タイトルマッチであっても対戦者の多くはタイ人、フィリピン人、日本人ばかりで、全然世界じゃないんですが、今回も日本人対決だったのがその理由のひとつ。

 もうひとつは、挑戦者の江畑選手はいままで数えきれないほどのタイトルマッチのチャンスをもらいながら全部敗戦。ほとんど毎回「突っ込んで打ち返されるスタイル」だったので、「今回も同じでしょう」としか思えなかったからです。

 しかし、今回の江畑選手は違いました。池原選手のまわりをサークリングしながら、ベストのタイミングとベストの角度で突然襲いかかってはサッと離れる戦法で、「打っても打ち返されないボクシング」を徹底していたからです。これなら有効打で優位に立てます

 つまり、勝てるボクシング、ベルトを取れるボクシングです。見る価値のあるボクシング。実際、とても面白かったです。飛び込むときも動きに工夫がありましたし、離脱の判断も早かったですね。

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 この2枚が、この日の江畑選手の動きをよく表していると思います。サッと飛び込んで打ち、相手が反撃したときはもう位置を変えている。そういう動き。

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 もちろん、相手のあるスポーツですから、どんなに戦術を徹底しても完全にうまく行くハズも無く、時にはこのようにクリーンヒットをもらうこともありましたが、大勢は江畑選手のものでした。

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 今回、この記事を書くにあたり、記憶だけではなく『ボクシングレイズ BOXING RAISE』さんの有料動画配信でも試合内容を確認しましたが、何度見ても有効打でまさっていたのは江畑佳代子選手のほうでした。池原選手が有効打で優勢と言えるのは、好意的に見ても合計3ラウンド程度でしょう。

 この内容では池原選手に海外実力派との試合を期待しても無理ですね。次の相手はタイかフィリピンでしょうかね?

 動画の最後のほうで、判定を聞いたお客さんが『嘘つきー!』と叫ぶのがハッキリ聞こえますが、この日のお客さんのほとんどが同じ気持ちだったでしょう。

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 江畑選手の鼻からの流血を池原選手勝利の根拠として指摘する人もいるようですが、ボクシングは鼻血を出させたら勝ちのスポーツではありません。鼻血は単に「鼻への有効打が少なくともひとつはあった」という意味に過ぎません。

 なんというか、「ボクシングにはいろんな見方がある」という都市伝説はいつまでも蔓延してるし、無責任な誤審も全然減りませんね。

 で、スポーツ各紙は、この日の試合の内容よりも「シーサー結婚」「相手は格闘家」みたいなことに紙面をさいてましたし、相変わらず、くっだらねーなー、と思いました。芸能人じゃないんだから。

 このままじゃ、いつまでたっても女子ボクシング後進国ですよ。いいの?

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第10試合WBO世界ミニフライ級タイトルマッチ
◯王者 池原シーサー久美子 いけはらしーさーくみこ(フュチュール)
判定 2-1
×挑戦者 江畑佳代子 えばたかよこ(ワタナベ)
池原シーサー久美子選手の判定勝利

池原シーサー久美子 いけはらしーさーくみこ(フュチュール)12戦9勝1敗2分3KO
江畑佳代子 えばたかよこ(ワタナベ)16戦9勝7敗5KO

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