キックやムエタイの王者はたくさんいますが、ナランホ選手は正真正銘のトップ選手でした。ムエタイの世界大会で金メダル、そして、エンフュージョンルールではイギリスが誇るあのイマン・バーロー選手に勝っているのですから、その実力は疑いありません。
ナランホ選手がボクシングに専念し始めた時は驚きました。だって彼女はパンチャータイプではなく、キッカータイプに近い選手だったのに、蹴り技を捨ててボクサーになってしまったのですから。
キックやムエタイのパンチの技術は見た目はボクシングと似ていても、あくまでも蹴り技と連動することを第一とする別系統の技術なので、そのままではボクシングでは通用しません。フットワークや構えなどの基本の部分から作り直さないとボクシングにはなりません。ナランホ選手は4年かけてそれをやりました。
結果は、ボクシング一筋に65戦のフアレス選手には及ばず、判定負けとなってしまったナランホ選手。しかし、キャリアや体格の差を考えれば世界王者相手にここまでやったのは立派です。彼女が取ったラウンドもありましたから。
また、試合会場が標高2200メートルのメキシコシティだったにもかかわらず、あの運動量はすごいと思いました。
WBC女子バンタム級タイトルマッチ
○王者 マリアナ・”ラ・バルビー”・フアレス(WBC女子バンタム級世界王者/メキシコ)
判定 3-0
×挑戦者 エヴァ・マリア・ナランホ Eva María Naranjo(スペイン)
マリアナ・”ラ・バルビー”・フアレス選手の判定勝利
(97-93、97-93、98-92)
マリアナ・”ラ・バルビー”・フアレス(WBC女子バンタム級世界王者/メキシコ)65戦52勝9敗4分18KO
エヴァ・マリア・ナランホ Eva María Naranjo(WBC女子バンタム級インターナショナル王者/スペイン)13戦12勝1敗3KO
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