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4月におこなわれた暫定王者との王座統一戦を勝ち残って実力を示したWBCライトフライ級王者富樫直美選手の次の試合は、同級1位のイルマ・サンチェス選手(メキシコ)との指名試合として9月ごろにメキシコでおこなわれることになりました。
2010年秋 メキシコ
WBCライトフライ級タイトルマッチ
王者 富樫直美(ワタナベ)
VS
挑戦者 イルマ・サンチェス(メキシコ)
敵地での暫定王者との試合を終えた富樫選手には、ホームで凱旋試合をしてもらいたいのが日本のファンの心情だと思いますが、メキシコのWBC本部から届いた次戦の指示は1位との指名試合でした。
指名試合の場合は、どちらのホームでやるか、ファイトマネーはいくらかなどという条件面を話し合いで決めるのですが、その交渉がまとまらないときには入札で興行権(試合の条件の決定・運営権)を決めることになります。
1位のイルマ・サンチェス選手サイドと富樫選手サイドの話し合いはまとまらず、入札がおこなわれました。入札というのはその試合のファイトマネーをいくら払えるかを提示して金額の大きいほうが勝ちとなるオークションのようなものです。
結果は42,000ドルを提示した挑戦者のサンチェス選手サイドが興行権を落札。よって、この試合は挑戦者のホームのメキシコでおこなわれる見込みとなりました。
ファイトマネー42,000ドルのうち王者の取り分は75パーセントなので、31,500ドル(約287万円)。これは日本人女子ボクサーとしてはもちろん、格闘技系女子選手としてもかなり大きな金額と言えるでしょう(ドイツ女子ボクシングのスター選手達に比べればまだまだ及びませんが、総合格闘技王者のクリス・サイボーグ選手の35,000ドルにはかなり近づいています)。
富樫選手のベルトにこれだけの値がついたことは本当に素晴らしいことです。しかし、それと引き換えに待っているのはアウェイの不安材料。試合が野外か屋内か、昼か夜か、高地か平地かなど、すべてのキーを握っているのは敵側の人間。
挑戦者のイルマ・サンチェス選手はタイトル戦の準備として7月に前哨戦をおこなうことがすでに決定しています。彼女はまだ22才ながらすでに21戦を消化して17勝3敗1分5KOという立派な戦績を持ち、2月にはカニータ・ゴーギアットジム選手(タイ)を判定3-0でくだしていて決してあなどれない相手。
しかし、対菊地奈々子戦での序盤のダウンを跳ね返しての勝利、絶対不利と思われたタイでの防衛戦での勝利など、逆境に強い富樫選手のことですから、メキシコでも数々の不利を乗り越えて勝利をあげてくれることを期待します。
がんばれ!富樫直美選手!
WBCライトフライ級王者
富樫直美 とがしなおみ(ワタナベ) 8戦7勝0敗1分4KO
WBCライトフライ級1位 WBCフライ級ユース王者
イルマ・サンチェス(メキシコ) 21戦17勝3敗1分
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