Boxing
2011年12月21日(水) オーストラリア ニューサウスウェールズ
WBF/WBUスーパーバンタム級王座決定戦
アリシア・グラフ(オーストラリア)
VS
ジュブジャーン・ルークマガーンワン(タイ)
ドイツボクシング三人娘としてスージー・ケンティキアン選手、イナ・メンツァー選手とともに大いにボクシング界を盛り上げたアリシア・グラフ選手が、活動の拠点をオーストラリアに移し、最初の公式戦でWBF/WBUスーパーバンタム級王座決定戦に出場しました。
相手はタイのジュブジャーン選手で、力の差が大きすぎるひどいミスマッチでしたが、そんな試合でもグラフ選手は彼女らしい几帳面なボクシングをつらぬいて勝利。世界タイトルとしてはまだ存在感の薄いWBF、そしてまったく聞いたことも無いWBUというマイナーなタイトルではありましたが、全力を尽くすファイトは見ていて気持ちがいいものです。
グラフ選手は旧ソ連圏のベラルーシで生まれ、孤児として施設で育ちました。その後、ドイツに渡りプロボクサーの道を歩んで世界チャンピオンとなります。苦戦を続けながらもタイトル防衛を重ね順調な選手生活に見えましたが、2010年、所属するプロモーターが経営難となり、その直後、グラフ選手自身もアナ・マリア・トレス選手(メキシコ)に判定で敗れ、持っていたすべてのベルトを剥奪されて選手生活の危機に。
それからは彼女の活動に関する情報がまったく入らなくなり、これで引退かと思われましたが、グラフ選手は住み慣れたドイツを引き払って活動の拠点をオーストラリアに移し、今月こうして復帰戦にまでこぎ着けました。
生まれ故郷を遠くはなれて生き、一度、二度と国をかえ、話す言葉もかえ、それでもボクシングを続けるグラフ選手。かつては数千の観衆のまえでスポットライトを浴びるスターだった彼女が、数百人規模の会場から再出発している姿、そこで全力で戦って勝利の喜びを伝えるプロフェッショナルな姿を見る時、グラフ選手は人として本当の強さを持っているんだなあと圧倒されてしまいます。
アリシア・グラフ選手の次戦は、来年2月にOPBFバンタム級3位のスージー・ラマダン選手(オーストラリア)との10回戦になる予定。これがタイトルマッチとなるかどうかはいまのところ未定ですが、いずれにせよハイレベルな戦いになるのは間違いないでしょう。
WBF/WBUスーパーバンタム級王座決定戦
アリシア・グラフ(オーストラリア)
TKO 5回
ジュブジャーン・ルークマガーンワン(タイ)
アリシア・グラフ選手がTKOで勝利しました。
現WBF/WBUスーパーバンタム級王者 前WIBFスーパーフライ級王者
アリシア・グラフ(ベラルーシ/オーストラリア) 27戦25勝2敗10KO
ジュブジャーン・ルークマガーンワン(タイ) 7戦3勝4敗
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コメント
ことしも面白い記事をたくさんありがとう。これからもがんばってね。
こちらこそ読んでくれてありがとうです。これからもよろしく。
今晩は オーストラリアWBF=世界ボクシング基金 王者は現在ラマダン グラフら4人 南アWBF=世界ボクシング連盟 王者多数 ただどちらもタイトルマッチもサイトの更新も少ないけど 女子は連盟が格上か ウィキより 同名称はやめてほしいですよね笑
すみません。ふたつのWBFは区別して書くべきだし、経緯も書かないととダメですね。あとで独立した記事にします。でも、今後はどう表記するのがいいか…。普通は団体が分裂した時は別の名称を使うのに、WBFの場合はどっちも自分が本家と言って同じWBFを名乗っちゃったんですよね(苦笑)。
今晩は 豪WBF 南アWBFでいいと思いますよ 団体の位置付けとして 女子は詳しくないですが 男はマイナー団体に区分されますが西澤が世界王者なので 一般のマスコミも区別して表示すべきですよね 男女とも団体の権威が上がれば 名称問題も論議されるでしょうね
豪WBF、南アWBFにしようと思いましたが本拠地が移動することも考えてWBF(FO)、WBF(FE)かなあと思っています。