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大成功 オリンピック新競技「ボクシング女子」 各国で高い評価

 Boxing

logo 今回のオリンピックからスタートした公式競技であるボクシング女子は、試合内容、お客さんの盛り上がり、各国の反応などのさまざまな面を、すべて非常に高い水準でクリアして大成功を収めました。


子供の頃からの夢を実現させたニコラ・アダムス選手の笑顔

 5月に中国でおこなわれた世界女子ボクシング選手権でフライ級(51kg級)準優勝だったニコラ・アダムス選手(イングランド)は、同大会優勝者のレン・ツァンツァン選手(中国)を、ロンドンでは大差の判定で撃破。リベンジを果たすとともに、ボクシング女子での世界最初のオリンピック金メダリストとなりました。

 この決勝の試合は、その歴史的な意味だけではなく、その内容も最高にスリリングな好試合。特に、アダムス選手がダウンを奪った第2ラウンドはアダムス選手のホームであるイギリスのファンには一生忘れられない特別なラウンドになったことでしょう。

ニコラ・アダムス vs レン・ツァンツァン第2ラウンド

 下の階級から上げてきたメアリー・コム選手(インド)にとっては、分っていたことではありますが、やはり体の大きさが壁でしたね。パワーで押し込まれないように意識した結果なのか、動きが前進的になり過ぎて広がりを失ってしまったようですが、それでもメダル圏内に勝ち残ったのはさすがです。


パブリックビューイングに詰めかけたアイルランドサポーターの歓喜

 ライト級(60kg級)では「大会の大本命」「優勝間違い無し」と言われていたケイティー・テイラー選手が期待どうリに金メダルを獲得。ゴールデンガールのニックネームを証明しました。

 決勝戦での相手は世界選手権のときと同じロシアの強豪ソフィア・オチガワ選手。ここで、ケイティー・テイラー選手は金メダルの重圧のためか動きが単調になり、相手の正面に立つドツキ合いを演じてしまいます… 。オチガワ選手のカウンターの標的となって最終ラウンドまで苦しみに苦しんでなんとか掴んだ金メダル。判定を聞くまでの間、アイルランドの人たちはドキドキしたことでしょう。

 母国アイルランドに待望のオリンピックゴールドを持ち帰ることが出来たテイラー選手。今後もボクシングを続けると明言していますが、そのリングがプロになるのか、アマを続けるのかは「何週間か考えたい」とのことです。

 彼女の今大会でのベストバウトは、初戦の対ナターシャ・ジョナス戦ではないでしょうか。韓国対日本などとは比べ物にならないくらいの殺伐とした対立関係にあるアイルランドとイングランドのトップ選手同士の激突は、ハンパじゃない熱気にあふれ、両国サポの応援はサッカーワールドカップ決勝並みの大音量。試合内容もお互いがベストを尽くしたスリリングなもので、素晴らしい輝きを歴史に残す一戦でした。試合後のテイラー選手のガッツポーズも実にカッコ良かったですね。

ケイティー・テイラー vs ナターシャ・ジョナス第2ラウンド

 ミドル級(75kg級)は大波乱。プロではレイラ・アリ選手の引退以降はイマイチの試合が多い中量以上のボクシング女子ですが、アマチュアでは強豪がひしめく激戦地です。5月の世界選手権優勝のサヴァンナ・マーシャル選手(イングランド) 、カナダの期待メアリー・スペンサー選手などが早々と姿を消す一方で、世界選手権ではふるわなかったアメリカの17才クラレッサ・シールズ選手が圧倒的な強さを見せて快進撃。

 ロープにもたれかかって攻撃をしのぎ、打ち返してダウンを奪うシールズ選手の戦い方は「アリのロープ・ア・ドープだ!」と話題になりました。モハメド・アリ、レイラ・アリ親子を尊敬しているというシールズ選手はいま彼らと同じスターへの階段を上り始める瞬間にいます。

クラレッサ・シールズ vs マリーナ・ヴォルノワ(カザフスタン)第4ラウンド

 日本ではこのミドル級が南海キャンディーズしずちゃんの階級として一時話題になりましたが、銀メダルに輝いたのはしずちゃんと同い年の33才、ナジェジダ・トロポワ(ロシア)選手でした。彼女がボクシングを始めたのは27才の時だということで(しずちゃんは29才)そういう意味でも近かったですね。

 イギリス、アイルランド、アメリカで金メダルを分け合ったこの大会、地元イギリスや、ビッグスターのテイラー選手を生んだアイルランドはもちろん、アメリカでもレイラ・アリさんがコメンテイターをつとめるオリンピックボクシングが連日テレビ中継され、かなりの反響を呼んだようです。

 ロンドンオリンピックボクシング女子は大成功。次の大会からはもっと階級が増えるかもしれませんね。

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コメント

  1. H・F より:

    日本の場合は選手はやる気満々でも上層部等関係者が口先ばかりで全然やる気が感じられないね。サッカーなでしこジャパンの様に選手がやる気を出してアピールしないと。

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