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3団体統一王者セシリア・プレクフスに挑んだかつての『プレイメイトボクサー』ミア・セント・ジョン 世界ウェルター級タイトルマッチ ボクシング女子

 Boxing

2013年4月13日(土)デンマーク フレゼリクスハウン

WBA/WBC/WBOウェルター級タイトルマッチ
王者 セシリア・ブレークフス(ノルウェー)
VS
挑戦者 ミア・セント・ジョン(アメリカ)

 白のトランクスは言わずと知れた女子三団体統一チャンピオンでデビュー以来全戦全勝のヨーロッパのスター王者セシリア・プレークフス選手。

 ピンクのワンピースは90年代にモデル兼ボクサーとして大人気だったミア・セント・ジョン選手です。セント・ジョン選手は現在45才。女子のプロボクシング市場を開拓して来た功労者のひとりと言えるでしょう。

 女子ボクシングのパイオニアにはいくつかのタイプがあって、まずはルシア・ライカー選手やアン・ウルフ選手のように文句無く強いタイプ、クリスティー・マーティン選手のように戦闘意欲を全面にあらわして毎試合激闘で会場を沸かせるタイプ、そして、若い頃のミア・セント・ジョン選手はルックスや露出度を売り物にしたお色気うっふんタイプとして知られていました。

 良いトレーナーが真面目に教えてくれる環境があるのなら、本人の努力次第で強くなれることは男女の別なく言えることですが、90年代あたりまでは女子をちゃんと指導してくれる環境は欧米と言えども希少だったらしく、このころはひどい戦い方をしている女子は少なくありませんでした。

 そんな中で、29才でデビューしたミア・セント・ジョン選手もボクシングの基礎はあやしいものでしたが、テコンドーの経験を応用した独特のスタイルで連勝を重ねてスターの仲間入りをしていきました。

 その後、女子にも本格派の選手が増えて来るようになると、彼女の世代に多かったキックや空手からの転向組の我流ボクサーたちは次第に居場所を失っていきました。しかし、セント・ジョン選手の偉いのは、ボクシングの技術を磨くことを忘れず、また、年齢を重ねても若い頃と変わらぬシェイプを保ってプロの現役であり続けたことです。

 今回の対戦は31才のエリート王者と、45才の元スター王者という図式で語られることが多いと思いますが、それ以上に、きちんとしたトレーナーからボクシングを習った世代と、人生の途中から自分なりのボクシングを身に付けていった世代との対決だったように思います。ブレークフス選手ももともとはキックの選手ですが、その後は完全にボクシングスタイルに移行出来ているのが前の世代との違いだと思います。

 この対決は、最初から一方的な展開でセント・ジョン選手にとってはつらい結末に成ってしまいましたが、この世界のトップ中のトップであるブレークフス選手に真っ向から挑戦し、そして敗れたセント・ジョン選手の姿勢はプロボクサーとして実に立派です。弱い相手を選んでもらって何度も防衛している過保護な世界王者さんより、ずっと本物だと思います。

WBA/WBC/WBOウェルター級タイトルマッチ
○王者 セシリア・ブレークフス(ノルウェー)
TKO 第3ラウンド レフリーストップ
×挑戦者 ミア・セント・ジョン(アメリカ)
セシリア・ブレークフス選手がTKOで王座防衛に成功。

この結果、両選手の戦績は以下のようになります。
セシリア・ブレークフス(ノルウェー)22戦22勝6KO
ミア・セント・ジョン(アメリカ)62戦47勝13敗2分け18KO

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コメント

  1. 行くぜ!格闘少女! より:

    自分は女子ボクシングは詳しくないのですが、これまでの女子ボクシングの流れ、その中での選手の位置付け、この試合の注目点など、ジョー小泉さんみたいで、興味深く読ませていただきました。

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