Boxing
2013年6月24日(月)東京 後楽園ホール
第44回 フェニックスバトル
WBAライトミニマム級タイトルマッチ 10回戦
王者 宮尾綾香 みやおあやか(大橋)
VS
挑戦者 安藤麻里 あんどうまり(フュチュール)
二回めの防衛戦を迎えた王者宮尾選手。今回の挑戦者はこの階級の前王者、安藤選手。決して油断出来ない相手ですが、宮尾選手はこの表情。
こちらは挑戦者となってこのタイトルマッチに戻って来た安藤選手。鋭い目つきに闘志があふれます。
第1ラウンド まず攻勢をかけたのは宮尾選手。右ストレートでオープニングヒットを奪います。
しかし、安藤選手は意外にも反撃しないで静観のかまえ。この状態が続くのなら、宮尾選手が得意とするカウンターも出番はありません。
距離を取りながらバックステップをする安藤選手を宮尾選手が追います。
しかし、王者宮尾選手も深追いはせず、どちらも必要最小限度しか手を出しません。
第2ラウンド この回も慎重な両者。20~30秒間隔で打ち合いが発生しますが、
第4ラウンド しかし、乱打戦になるわけではなく、基本的には両選手とも無理に突っ込まないで相手を良く見ます。細かいフェイントなど客席からは見えにくいインサイドワークの戦いがあるのでしょう。
第5ラウンド いよいよ試合は中盤。開始40秒に宮尾選手がコンビネーションからの左アッパー。しかしこれは安藤選手の左フックと相打ち。
ここから宮尾選手有利の展開かと思われましたが、終盤、勢いに乗ろうとする王者に安藤選手のカウンター。まだまだこの試合は分りません。
第6ラウンド 攻勢をかけようとする挑戦者にカウンターを放つ王者宮尾選手。潜り込むようにしてボディーアッパーを打ち込みます。
安藤選手はパンチを上下に散らしながらバックステップ。距離を詰めたい宮尾選手。
すっと接近した宮尾選手の右ストレートが安藤選手をとらえます。
しかし、密着距離になると俄然有利となるのはチャンピオン。宮尾選手の得意のショートが次々と挑戦者に着弾。
第9ラウンド いよいよ試合も大詰めですが、安藤選手の動きは衰えず。王者を良く追いかけて手数多めに勝負に出ます。しかし、残念ながらクリーンヒットがない。
残り30秒、前進する安藤選手は宮尾選手のアッパーを受けて大きくのけぞってしまいます。
完全に機を掴んだ宮尾選手がミドル、ショートを的確に決めて試合を決定。
安藤麻里選手は間違いなく確実に強くなっていますが、その進歩を王者の充実が上回った試合でした。
宮尾選手といえば軽やかなステップワークと細かいテクニックが評価されていますが、じつは彼女の一番の武器は内に秘めた強烈な闘志。なんとしても勝つ、絶対に勝つ、勝つためならどんなことでもしようという大きな決意が伝わってくるようなファイト。それが彼女の最大の魅力でしょう。
ファイターの精神を武士道に例える人は多いですが、散り際の潔さを良しとする武士道は、実はプロの格闘技には向いていないのではないかとQRは思っています。
石にかじりついても、泥に沈められても、どうしても勝ってやるというカッコ悪いまでの執着心、それこそが王者の条件であると思います。
この間の東郷理代選手とマリアナ・フアレス選手の試合で、打たれてパンチが効いているのをクリンチで誤摩化しながら、血と汗でドロドロになりながら戦うフアレス選手にはグラビアを飾るプレイメイトの面影はありませんでしたが、本当に強い選手だと思いました。
日本にも、宮尾選手をはじめ、そんな闘いが出来る選手が何人もいるのです。そんな人こそ本当の女王であり、本当のプロファイターだとQRは思うのです。
WBAライトミニマム級タイトルマッチ 10回戦
○王者 宮尾綾香 みやおあやか(大橋)
判定 3-0
×挑戦者 安藤麻里 あんどうまり(フュチュール)
宮尾綾香選手がユナニマスデシジョンで勝利し、同王座の2回めの防衛に成功しました。
(97-93、97-93、97-93)
この結果、両選手の戦績は以下のようになります。
宮尾綾香 みやおあやか(大橋)22戦15勝5敗2分1KO
安藤麻里 あんどうまり(フュチュール)15戦10勝5敗5KO
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