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9月30日の高野人母美 VS ジプリン・デリーマ戦は、マスコミで大きく取り上げられ、多くのファンの注目を集め、たくさんの取材も来ていたにもかかわらず、開始後わずか43秒でレフリーが唐突に試合を止めるというアッと驚く結末でした。
ほとんど見せ場らしきものも無く、秒速で終了を告げられたお客さんの立場からすれば「カネ返せ」のひとことも言いたいようなガッカリ試合だったので、普通ならば当然、試合を止めたレフリーの判断の正否が問われるところですが、マスコミは、モデルボクサーが勝った、と大騒ぎをするだけ。
そんな中で、野球、サッカーなどの記事を専門とするらしい某スポーツライター氏は試合直後に、フィリピン人選手はプロライセンスにも届かないような低レベルで完全な戦意喪失、と決めつけた記事を書きました。
フィリピン選手を悪者にして、試合を止めた葛城明彦レフリーを力一杯擁護する文章なわけですが、わたしたちは他人事ながら「そんなに一方的に決めつけて大丈夫だろうか」と思っていました。
なぜなら、彼が書いたようにジプリン・デリーマ選手が本当にヒドい選手で、プロ意識も無かったというなら、それはJBCさんが正式に問題にして、それなりの処置を取ることになるからです。
このリストを見てください。日本に呼んで試合を組んだけれども技術が低すぎたり、プロ意識が欠如したりで試合にならなかったため当面のあいだ日本での試合を禁止されている選手のリストです。
本当にヒドい外国人選手を呼んだ場合は、その選手の来日が禁止されるとともに、そのような選手の試合を組んだ関係者さんにも注意と指導がおこなわれることになっています。
ペットグラビー・シットサイトーン 9月2日 第3ラウンド KO負け
イッティポン・シットナムポン 9月2日 第1ラウンド TKO負け
ナラク・シットチャーンシン 8月30日 第1ラウンド 0分48秒 KO負け
リストにのっているのはこのような試合をした選手たちです。
ジプリン・デリーマ選手は第1ラウンド0分43秒TKO負けですから、公式結果ではこれらの選手たちよりヒドいのです。
ですから、レフリーの判断が正しいとしたなら、当然このリストにのることになります。しかし、あの試合から半月ほど経っていますが、デリーマ選手の名前はありません。
つまり、JBCさんは現時点でジプリン・デリーマ選手を「技術不足」とか「無気力」とは見ていません。ですから、低レベルで完全な戦意喪失、と決めつけたあのライターさんの記事には客観性がないのです。
日本のスポーツマスコミのライターさんは扇情的な文章を得意とし、あまり冷静な文章は書かないような傾向があります。おとなりの韓国のスポーツマスコミとそっくりだと思います。
わたしたちは前回の葛城レフリーの『おんなこどもストップ』事件のときは、彼の写真も名前ものせませんでした。
しかし、彼は自分のミスを反省せず、さらに大きな場所でこのような失態を繰り返しました。
ネットでも雑誌記事でもレフリーの誤審を扱うものはあまりありません。そのことがこのような再発を生む土壌になっているのでしたら、わたしたちも反省しなければなりません。
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