Boxing
2017年3月15日(水)東京 後楽園ホール
Dangan Ladies Vol.4
第5試合 スーパーフライ級 6回戦
小関有希 こせきゆうき(K&W)赤コーナー
VS
吉田実代 よしだみよ(EBISU K’s BOX)青コーナー
シュートボクサーがMMAに出たり、プロボクサーがMMAに転向したりということはメディアで話題になりますが、公平性を期すなら、その逆パターンのボクサーが好勝負を演じたことも伝えて欲しいと思います。
吉田実代選手はかつてMMAで何戦か経験を積んでシュートボクシングに登場、Girls S-Cupで準決勝に進出し注目を集めたあとプロボクシングに転向した希少な経歴の持ち主です。そして、ボクシングデビュー後は4戦全勝を記録し、転向成功と思われた矢先の第5戦、『ダンガン・レディース2』で吉田選手の前にあらわれたのが小関有希選手でした。
吉田選手がよく言えばバランスが取れたオーソドックスなファイトスタイル、悪く言えばいまいちボクサーとしての個性に欠けるのに対して、小関選手のストロングポイントはその剛腕。しかも打撃は正確です。
ふたりの初顔合わせは手に汗握る激しいものとなり、小関選手のインパクトのあるパンチが勝負を決しました。吉田選手はプロ5戦目で痛恨の初黒星。・・・あれから半年、『ダンガン・レディース4』のリングで激戦必至のリマッチが実現しました。
この対戦、まずは大きく振ってくる小関有希選手の右拳をガードし、密着してガーッと押しまくった吉田実代選手。なんとパワーファイトで勝負を仕掛けます。
相手の攻撃を委細かまわず前進して押しつぶし、コーナーにはりつけながらゼロ距離アッパー、ゼロ距離フックの力技。
しつこいクリンチでなんどか注意を受けますが、平然とまた圧殺ファイト。
相手のやりたいことをやらせない、プロらしいダーティーボクシング(褒めています)。
メキシコの女子王者あたりがやりそうな老獪な試合運びにも近いしたたかなファイト。
吉田選手は相手の距離をつぶしながら、自身はインサイドからヒットを散りばめます。
ホールドまがい、プッシングまがいのプロテクを織り交ぜながら、真面目一方の小関選手を翻弄するワルい吉田選手(褒めています)。
中盤以降は吉田選手が圧力を解き、ミドルレンジでのノーマルな打撃戦になりますが、そこでも彼女のパンチは冴えます。
一方、小関選手もいいパンチを当て、すわ逆襲開始かと感じさせますが、残念ながら単打で続きません。
小関選手は力を振り絞って前進、これをまたもや圧殺する吉田選手。
結果はマジョリティーで吉田選手の勝利。見事、前回のリベンジに成功しました。小関有希選手はいかにも日本人ファイターらしい実直な攻めに徹しましたが、それが通るかどうかはまた別の話。なんとしてでも勝つという意思と策略(ストラテジー)が決め手となるのがプロボクシングだと思いました。
吉田実代選手は平均的な日本人女子ボクサーよりも確実にひとつ上のステージを見せてくれました。体力、スタミナに優れ、安定したスキルに狡猾な駆け引きを加えた深さのあるファイト。面白かったです。ありがとう。
第5試合 スーパーフライ級 6回戦
×小関有希 こせきゆうき(K&W)
判定 0-2
○吉田実代 よしだみよ(EBISU K’s BOX)
吉田実代選手の判定勝利
(57-57、56-58、55-59)
小関有希 こせきゆうき(K&W)8戦4勝(うちタイ人0)4敗1KO(うちタイ人0)
吉田実代 よしだみよ(EBISU K’s BOX)7戦6勝(うちタイ人0)1敗
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コメント
管理人様 こんばんは。
渾身のレポートありがとうございました。
写真の構図もよく、迫力あるファイトが
伝わってきました。
地方住みなので、こういう記事は
ありがたいです。
>ななしさん
ありがとうございます!励みになります。