Boxing
5月3日にドイツ、シュツットガルトで開かれたボクシング大会(満員5200人)の第6試合はアリシア・グラフ選手のタイトル防衛戦でした。GBUおよびWIBFスーパーフライ級をかけたこの試合で、王者アリシア・グラフ選手は、対戦相手のロシレーテ・サントス選手(ブラジル)を、5回1分32秒TKOで下し、2本のベルトを防衛しました。
ゴング直後から果敢に前に出るサントス選手の圧力に押され、王者グラフが後退するという、予想外の展開で始まったこの試合ですが、しだいに調子が出て来たグラフ選手が反攻を開始、4ラウンドからはあきらかに主導権を取りました。そして、もともとの彼女の持ち味であるリーチを生かしたストレートに加え、それにかぶせるようなフック、さらにはボディー打ちからテンプルへのダブル、ロングレンジのアッパーを狙ってみたりと、自由自在なコンビネーションを展開。
それまで、決して悪くない動きを見せていたサントス選手も、こうなるともうお手上げで、5回の中盤に何回目かの一方的な状況になったときにレフリーが割って入り、TKOを宣言。
グラフ選手は以前はバンタム、現在はスーパーフライと階級を下げたことが吉と出ていて、しだいに速さが増しています。また、技の多彩さ、攻撃の積極性も印象的で、偉大なチャンピオンへと成長し続けていると言えるでしょう。
この大会はドイツ国営ZDFで全国放映されました。リングサイドには、レギーナ・ハルミッヒが駆けつけ、後輩たちの試合を見守っていました。
なお、第1試合には女子のジュニアフライ級四回戦のカードが組まれ、ドイツのアジーエ・オズレム・サーヒン選手が、ウクライナのナタリア・ベルマス選手に3-0で判定勝ちしています。
写真1会場のハンス・マーチン・シュライアー・ホール(ポルシェ・アリーナ)
写真2会場風景
写真3お互いの健闘をたたえ合うグラフ、サントス、両選手
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