Boxing
きのうの風神ライカ選手とアン・マリー・サクラート選手の試合結果を、アメリカのボクシング関係の人にメールで知らせると「知らせてくれてありがとう。日本はいつでもとてもフェアなジャッジをしてくれる国ですね」という返事が来ました。ライカ選手のタイトル獲得失敗は残念でしたけど、フェアな国だというのは日本人としてうれしい言葉でした。
さて、もうひとつの世界タイトル戦のウィンユー・パラドーンジムVS小関桃ですが、フジテレビ系の地上波ボクシング放送では、数十秒のダイジェストを流し、正式裁定はただいま審議中という説明をして「結果はWBCから発表されます」という字幕を出しただけの扱いでした。新王者小関桃という文字も言葉もどこにもありませんでした。さすがはダイヤモンドグローブだな、と思います。
安っぽいワイドショーやスポーツ新聞なら、勝った勝ったと無責任に騒ぐかもしれませんが、ボクシング専門の老舗番組ダイヤモンドグローブには誇りと責任感がありました。
フジTV739の生中継版ダイヤモンドグローブでも、薬師寺さんと戸高さんが、きちんと言うべきことを言ってくれていました。
風神ライカ選手のタイトルマッチは過去にも大きな話題になったことが有ります。代々木体育館で行なわれたシャロン・アニオス選手とのWIBAタイトルマッチです。
結果は日本人3人(!)のジャッジのうち2人がライカ選手を支持し、ライカ選手のタイトル初獲得は成功しました。しかし、試合後も無傷でスタミナ十分のアニオス選手に比べ、顔面を負傷し、目が腫れ上がり、立っているのもやっとのライカ選手は、内容的にも終始アニオス選手に圧倒され、世界王者としての説得力はどこにもありませんでした。
ライカ選手は王者として試合後にいろいろなメディアに取り上げられ、徹子の部屋にまで出演するほどの売れっ子ぶりでしたが、実際に試合を見た人たちの冷ややかな反応が伝わったのか、そうした現象は長くは続かず、女子ボクシングの観客は減少。試合会場の規模も縮小、弱体化していったのです。
きのうの試合でライカ選手はボロボロになりトランクスを血に染めてリングを降りていきましたが、その姿は素晴らしい戦いを終えた立派なプロボクサーでした。
輝くチャンピオンベルトを巻いて引き上げていく小関選手には、ひとカケラの光も見られませんでした。
ウィンユー・パラドーンジムVS小関桃は、普通のボクシングの常識で言えば、あの状況でバッティングがあり(バッティングがあったことはレフリー、ジャッジ、審判団も認めている模様です)、試合続行不可能になった場合は、試合はその時点で中止され、王者(ウィンユー選手)のドロー防衛です。
試合を中止せず、小関桃選手のKO勝利を宣したレフリーが間違っています。
このまま小関選手の王座が認定されたとしても、むかしライカ選手が負わされたのと同じほどの重い十字架を背負うことになるでしょう。
正しい裁定こそが選手を救います。未来につながる結論を希望します。
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