Boxing
7月3日にラスベガスでおこなわれるレイラ・マッカーター選手と風神ライカ選手の世界タイトルマッチが、男子と同じ3分12ラウンド制であることがスポーツ紙で伝えられて、話題になっているようです。
現在、多くの団体で女子ボクシングは1ラウンドが2分となっていますが、全部がそうというわけではありません。むかしから(数は少ないですが)女子でも1ラウンドが3分の試合はおこなわれていて、ブリジット・ライリーさんなども3分制の経験があるようです。
2分よりも3分のほうがいいという考えをはっきり表明している現役選手は何人かいますが、その中の代表がレイラ・マッカーター選手です。彼女は「3分のラウンドの中で組み立てて行くのがボクシング」という考え方の人で、それを(彼女のホームである)ネバダ州のコミッションに認めさせています。
団体としてはWBAとGBUが女子の3分制を認めていますので、ネバダ州ラスベガスでおこなわれるレイラ・マッカーター選手のWBAまたはGBUのタイトルマッチは、当然のように3分でおこなわれています。ノンタイトルも例外なく3分です。
もちろん、マッカーター選手は2分制を拒否しているわけではないので、相手のホームで戦う時は2分でやります。地元のタイトルマッチでは3分制はゆずりませんが、12ラウンドではなくて10ラウンドや8ラウンドでやることもあります。
2分よりも3分のほうがいいと考える選手は、マッカーター選手と基本的に同じ意見で「3分あれば相手を倒すボクシングが出来る」という点で一致しています。「2分は短いわ。あと20秒あったら相手を倒せるのに」と言ってるのはアメリカのエレナ・リード選手。アルゼンチンのジェシカ・ボップ選手も「相手をグロッギーにして、さあフィニッシュというところでゴングが鳴るのよ」と2分制に不満顔。ミア・セント・ジョン選手(アメリカ)は「3分12ラウンドでも15ラウンドでもいいわよ」と積極的。
一般に、女子が2分制なのは安全面を考慮してと思われがちですが、2分のほうが医学的に安全だというなら、より激しいパンチを打ち合う男子がまずそうすべきで、女子だけと言うのはおかしい話です。
女子の2分制の本当の理由を「(男子の前座の)女子を早く終わらせるため」と指摘する人もいますし、ラウンドが少ないのも「ラウンドが少ないと支払うファイトマネーが安くなるため」という理由だとも言われています(海外の話です)。
ここでは、2分制がいいのか3分がいいのかという議論をする気はありません。ただ、女子は2分制という固定した価値観ではなくて、世界には考え方もルールもいろいろあるということだけご紹介したかったのです。
ちなみに、現在、おこなわれている女子の世界タイトル戦はほとんどが2分10ラウンドですが、WBAでは2分9ラウンド、2分10ラウンド、3分12ラウンドの3種類、GBUが2分10ラウンド、3分8ラウンド、3分10ラウンド、3分12ラウンドの4種類があります。
という記事をアップした直後に、レイラ・マッカーター選手と風神ライカ選手の試合が、2分10ラウンド制に変更になったと発表がありました。
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