Boxing
2012年4月10日(火)東京 後楽園ホール
Mega Fight vol.44
OPBF東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ 8回戦
○ 王者 柴田直子 しばたなおこ(ワールドスポーツ)
VS
× 挑戦者 ソン・チョロン(韓国)
赤のチャンピオンコーナーに登場する柴田直子選手。表情にもプロとしての風格が出てきました。
青は挑戦者のソン・チョロン選手。彼女はこれで三度めの来日となりますが、過去2回はボディーラインからしていかにも調整不足で、それを見ただけで試合への興味が薄れるような状態でしたが、今回はお肉少なめのけっこうまともな体つき。表情も精悍でなんとなく自信ありげ。リングアナのコールを受けながら軽くダンスステップを踏んでみせるなどショーマンシップも発揮してノリノリな感じです。
第1ラウンド パンチを放ちながら低い姿勢でずんずん前進してくるソン・チョロン選手。これぞ韓国ブルファイターといったイメージどおりの突進。けれども、それは単純な前進ではなく上体を動かしてカウンターを警戒しながらの攻勢。きょうのソン・チョロン選手には注意が必要です。
左が相打ちになるとすかさずボディーにつなげるなど、攻撃意欲旺盛の挑戦者。
第2ラウンド フック、アッパー、ボディーで攻める韓国のソン・チョロン選手。チャンピオンも鋭いパンチを見せますが、手数で挑戦者が上回ります。
第3ラウンド いい動きを続けるソン・チョロン選手。突進一色ではなく2つ3ついいのを放った後はサッと離れて再び機会をうかがうような冷静な試合運び。
しかし、王者も右ストレートで反撃。ジャストミートではありませんが、そろそろタイミングが読めて来たのでしょうか?
どちらが優勢ともつかない一進一退の攻防戦に客席がヒートアップ。
ラウンドが終わってコーナーに帰る挑戦者の表情には余裕があります。
第4ラウンド リングを回りながらにらみ合う両者ですが、最初に当てたのは挑戦者。その後も前に出ながらショートアッパーを多用し、王者の距離を殺しつつヒットを奪い、主導権を与えない戦い方をしています。
ラウンド終了間際に王者柴田選手がアッパーなどで反撃を入れましたが予想外に苦しい展開。
ここでスコアの途中発表。ジャッジ2名が39-37で柴田選手支持、1名が38-38のドロー。辛くも王者がリード。
第5ラウンド 試合は中盤の5回。ここに至ってもなかなか挑戦者の前進を止められない王者に「ジャブが少ないよ!」「ジャブ!ジャブ!」と観客席からいらだちの声。その声に応えるかのように左を出し始めた王者。
第6ラウンド 単純な突っ込みは極力避けて、前後左右にステップを取りながら打ってくる挑戦者ですが、王者の左は慎重な挑戦者の動きにも距離とタイミングが合ってきました。
焦りからか慎重さを捨ててまっすぐに前に出始める挑戦者。こうなると完全に柴田選手の得意のパターン。多彩なパンチが次々に直撃します。
第7ラウンド 最初のパンチは両者相打ちになりますが、そこからいいフォローをつなげたソン・チョロン選手が右、左と連続ヒット。息を吹き返すチャンスでしたが …
王者柴田選手は左右のストレートの速射にアッパーカットを織り込むコンビネーションで挑戦者の反撃を断ちます。
第8ラウンド 最終ラウンドの始まる直前、四方に向かって大きく手を振ってお客さんを煽るチャンピオン。わっと沸き上がる歓声。
それでもなお、体で押し込むようにしながら前進を試みるソン・チョロン選手ですが消耗のためかパンチの精度が落ち、打ち負ける場面が続きます。
試合前半は健闘を見せた挑戦者も最後はクリンチに逃げるのがやっと。
判定は三者ともにチャンピオンを支持。柴田直子選手がユナニマスデシジョンでタイトル防衛に成功しました。
前半はソン・チョロン選手のいい場面が目立ち、後半に柴田選手が押し返した試合展開となりましたが、挑戦者の奮戦のおかげで客席も盛り上がりましたし、王者にとっても有意義な防衛経験になったと思われます。いい試合でした。
OPBF東洋太平洋ライトフライ級タイトルマッチ 8回戦
○ 王者 柴田直子 しばたなおこ(ワールドスポーツ)
判定3-0
× 挑戦者 ソン・チョロン(韓国)
柴田直子選手の判定勝利。2度目の防衛に成功。
この結果、両選手の戦績は以下のようになります。
OPBF東洋太平洋ライトフライ級王者
柴田直子 しばたなおこ(ワールドスポーツ)10戦9勝1敗3KO
元WBAミニマム級王者
ソン・チョロン(韓国)14戦11勝3敗3KO
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コメント
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今晩わ 不快な思いをされて 大変でしょうが めげずに頑張ってください 女ボク関連のブログの中では 最高だと思ってますし いろいろ助けてもらってすごく感謝しております
こちらこそ感謝しています。いつもありがとうございます。写真には本当はサイトの名前とか入れたくないんですが、無制限に転載されていくと結局は選手やカメラマンの人が望んでいないようなところで望んでいないような使われ方をされてしまう心配があるので。
ちょっと残念だけど名前を入れることにしました。