観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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Kー1 破産と再興 商業スポーツの落ちる罠

 Kick Boxing

k-1_madrid Kー1の破産、そして新体制での再出発が話題になっています。Kー1という名の競技自体は今月スペインでも開催されますし、たぶん消滅することはないでしょう。

 しかし、かつてあれほどの勢いを誇っていたKー1の日本国内での「不人気」は深刻です。破産の原因となった「不人気」の理由にはいろいろな分析がされています。

 タレントや話題の選手に頼り過ぎたとか、テレビ的な演出が多すぎたとか、カードがつまらないとか。確かにそうでしょう。

 でも、一番の原因は判定やレフリングに対する不信感ではないでしょうか。明らかなダウンがスリップ扱いになる、採点が不自然、フラフラの選手がレフリーストップにならない、試合のあとで結果に合わせてルールが変更になる、など変なことが多すぎました。

 これではお客さんが「始めから勝者が決まってるんじゃ?」「八百長っぽいよなー」と思って当然ですし、選手の側もバカバカしくて真面目にやれないでしょう。

 Kー1は人気の絶頂期に調子に乗り過ぎてしまったのでしょうか?

 その件に関して思い出されるのは、20年前の『カラテジャパンオープン第1回トーワ杯』です。これはアマのグローブ空手の大会ながら優勝賞金500万円。これで優勝したのが正道会館のエース佐竹雅昭選手で、ここから佐竹選手、正道会館の人気に本格的に火がついて、のちのKー1発足にまでつながっていきました。

 しかし、この決勝戦がひどいものでした。佐竹選手は稲葉紀之選手(藤原道場)との決勝本戦で決着着かず、延長に突入し、その結果2-0の判定で稲葉選手が勝利したのですが、審議委員長の正道会館石井館長が突然マイクで「ちょっと待ってください」と大会の進行を止め、ジャッジを集めて何やら相談。そして「決勝なのでとことん戦わせることになりました」とワケの分からないことを言って稲葉選手の優勝を取り消し。再延長を言い渡しました。

 たぶん、精神的なショックがあったのでしょう、稲葉選手は再延長では佐竹選手に攻め込まれて敗れ「優勝」を逃がしました。

 そのあとの表彰式は大ブーイング。「稲葉が本当の優勝者だ!」という声、それに対する拍手、「なんだと、このヤロー」という怒号で場内大混乱。1階のフロアーでは殴り合いも。お客のほとんどが腹を立てながら会場をあとにしましたが、関係者にはそれはどうでもいいことだったようです。

 ブログもツイッターもない当時はこの大会は批判らしい批判も受けず、専門誌とスポーツ新聞の書く「佐竹優勝」の文字だけが残り、この優勝をジャンプボードとして正道会館とKー1は時代に羽ばたいて成功者となったのです。

 Kー1でたびたび繰り返される変な裁定、変なレフリングはこのときの強烈な「成功体験」が古くからのスタッフに焼き付けられているために起こるものなのだと思います。

 特に一部のレフリーからは「お客やルールはどうでもいい、公式結果に評価と成功はついて来るのだ」という思い込みが感じられました。そうでなければあれほどひどいレフリングは出来るものではありません。

 選手たちが命をかけて戦うリングに、多少なりとも操作要素や八百長印象が入ることを、人は徹底的に嫌います。そのことに気が付かない団体は何度再生しようとまた駄目になることでしょう。新生Kー1の成功条件としては、試合の現場に公正な感覚がある人だけを入れることでしょう。

 これはK-1に限らず、どこの団体でも、格闘技でもボクシングでも同じことです。うさん臭いレフリー、しっかり仕切れない運営はお客さんが最も嫌うものなのです。

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