Boxing
昨日(2013年2月9日)大阪でひらかれたボクシング大会『TO THE FUTURE Vol.14』で『G-Legendチャンピオンシップ』というものが新設され、新王者が二人生まれたそうです。
★G-Legendチャンピオンシップ王者★
スーパーフライ級 小澤瑶生選手(フュチュール)写真左
アトム級 山田真子選手(博多協栄)写真右
この結果を受け、さっそくWikipediaさんなどがこの王座が「日本王座」であるかのように記事を書いてアップしています。が、正確には、この王座は「日本王座」ではありません。
なぜなら、日本王座とはJBCさんが認定する「日本ランキング」に基づく選手権試合によって決定されるものですが、女子には「日本ランキング」がありません。ですから、日本王座も作れないのです。
今回の王座は「東日本ボクシング協会女子委員会」さんがJBCさんとは無関係に独自作成する「G-Legendランキング」に基づいて決定されたものなので、名称は「G-Legendチャンピオン」「G-Legend王者」となるべきであり、「日本王者」や「日本王座」とはなりません。
原則的に(それが良いことか悪いことかの議論は別にして)、日本のボクシング界ではJBCさんが「公式である」と認めたもののみが公式的存在で、それ以外のものは非公式の扱い。ですから、JBCさんが公式に決定していない「G-Legend王者」は公式のものではありません。
しかし、公式じゃないものが公式のリングでおこなわれたことは事実なので、JBCさん的には「プロトライアルマッチ」と同じように「準公式」という扱いにでもするつもりなのでしょう。おとなの世界特有のグレーゾーンってやつですね。
事前の情報が無くて唐突に出来た感がある新王座にとまどう人もいるかと思います。つい先日までの噂では3月3日の世界戦のアンダーカードで第一回のG-Legendタイトル戦をやるということだったのですが、なにかで急に気が変わって2月9日からの開始になったようです。
この王座制定の根拠となっている「G-Legendランキング」も、実はそんなにきっちり運営されているものではなく、去年の11月を最期にしてランキングページの更新が停止中で、今回、何位の選手と何位の選手が王座を争ったのかということさえわからない状態。
基本情報も、G-Legendタイトルマッチが6回戦でおこなわれるという以外は、防衛期限や参戦条件などのレギュレーションも不明ですし、今後継続的におこなわれていくのかも不明。
そして、一番不明なのは、全部で数十人の選手しか活動していない日本の女子選手に、すでに世界と東洋をあわせて12人のチャンピオンがいるのに、さらにチャンピオンを作ってどうするのかということです。
まあ、ぶっちゃけ、タイトルマッチなんて規定や運営がどうであろうと、いい選手どうしがいい試合をやってくれればそれで結果はオーライなんですが、3月にはさらに2階級でG-Legend王座を新設する予定だそうで、現状の薄い選手層とこのような王座新設ラッシュはどうにもそぐわない印象。王座にふさわしいクオリティの保持は可能か?ベルトの価値観は維持出来るのか?疑問の数は尽きません。
というわけで当ブログとしてはこの「王座」を無批判に正式の王座のように扱うことはありませんし、無思慮に持ち上げることもしません。ましてや男子の日本王座と同等に扱うことなど有り得ません。しばらくはファンの支持などの成り行きを静観いたします。
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コメント
こちらのページ、注目しております。真っ向勝負の、小気味良い、「正論」。
思わず、うなずくこと、多し。
今日の、藤岡奈穂子の結果など知りたくて、クリックしたら、2月9日に、こんなヘンテコなイベント? が、あったんですか?
東日本は、どこまで選手を把握しているのやら?
いまだにホームページに、「井上直弥」って、載せてますもんねえ(笑い)
それにしても、3月3日のイベント。テレビの録画中継どころか、スポーツニュースにも流れず。観客数、わずか1000人。
本日の藤岡や、ライカの試合の観客、6割、入っているかどうか?
小関は強いが、当人もジムも、まったく女子プロボクシングを盛り上げようという気無し。
このまま、尻すぼみになっていくんでしょうねえ。
何か、宮尾がいい例ですが、「付加価値」とか、「キャッチ」が無いと、クローズアップしない、のも、なんだかおかしいのですが・・・・
>100円ライターさん
ご愛読ありがとうございます。G-Legend王者決定戦は3月3日にもふたつありました。6回戦がどちらもタイトル戦だったのです。
この時のひとつが江畑佳代子選手とタイ選手の試合で、東日本協会が作成する「G-Legendランキング」にのっていないタイ選手が出場していることで、もうこの王座の定義はメチャクチャになってしまいました。
ちゃんと考えてやっていることではないようですね。