KickBoxing
2013年6月8日 韓国 クリ市体育館
第29回全国キックボクシングムエタイ新人王トーナメント
ライト級決勝 2分3R
チェ・ナリ(韓国)青のグローブ
VS
ソ・ソンイ(韓国)赤のグローブ
ちょっと前の試合ですが、動画がアップされていましたのでご紹介します。これは6月に韓国のソウル近郊のクリ市でおこなわれた新人トーナメントのライト級女子決勝戦です。ハッキリ言って、見てもあまり面白くありませんので時間のある方だけどうぞ。
「キックボクシングムエタイ」と言われても、ルールがどういうものなのか、判定基準はどうなのか、など、全然わからなくて申し訳ないです。キックとムエタイではいろいろと大違いな競技なんですが、このへんの大ざっぱさが以前の日本みたいでなつかしい感じです。
また、試合のレベルもなつかしいですね。決してここに写っている選手たちを笑いものにするつもりはありませんが、この試合のレベルは低いです。でも、それは彼女たちだけの責任ではありません。
いまの10代の人なんかはこれを見て「ダメじゃん」と思うだけかも知れませんが、むかしを知っている人なら「ああ、ちょっと前まで日本もこういうのよくあったなあ」と思うでしょう。
もちろん、10年前、20年前でもトップ選手は今のトップ選手と変わらない、あるいはそれ以上の試合をしていました。
でも、その後の低迷期の多くの選手たちのレベルはこんなものでした。いや、もっとひどい試合も多かったです。ただ必死に手足を出し続けるだけ。根性と体力だけの勝負。そんな試合がザラにありました。レフリングやジャッジもひどかったし、見るのがつらくて帰ろうかと思ったことも。
キックのJ-GIRLSさんとか、ボクシングのG-LEGENDさんとか、かつては目を覆いたいような試合もありました。
紅絹選手が5月の試合のあとにマイクを持って「むかしから見ている人は分ると思いますが、今はどんどん試合のレベルが高くなっています。いい選手がたくさん出て来ています。J-GIRLSをこれからもっともっと良くしていきたいのでよろしくお願いします!」と言っていましたが、本当に彼女の言うとおりです。今は全然むかしと違います。
なぜ変わったかというと、それはレフリー、ジャッジ、トレーナーなど、選手のまわりにいる男の人たちが本気になったからだと思います。
数年前の低迷期には女子キックや女子ボクシングを本気で考える関係者さんなんてごく一部だったんです。そのごく一部の人たちがごく一部の名選手を育てていたのですが、ここ数年で新しい意識を持つ人たちが増え、男女差別無く選手を育成し、試合の機会を与えるようになりました。
ママゴトみたいなショーではなく「格闘技をやりたい」ということが分ってもらえるようになったのです。
よく「女子の格闘技は始まったばかりだからレベルが低い」という人がいます。ネットにもそんな文章をまねて同じようなことを書く人を多く見ますが、格闘技の技術で男と女の違いなんか無いのですから、この説は意味不明です。
3年間練習している男と、3年間練習している女がいるなら、このふたりの歴史は同じ3年間。なんの違いもないのです。もしも、同じように教えてもらっているのなら。
いまは本気で教えてくれる指導者の方が増えました。だから、これからの日本の女子はもっと強くなります。
同じことはタイの女子にも言えます。ヨーロッパやオーストラリアでも同じような感じがします。世界的に女子の格闘技のレベルは飛躍的に上がって来ているようです。
女子選手が強くなるにつれてみんなの意識が新しくなっていくのです。
ライト級決勝 2分3R
○チェ・ナリ(韓国)
判定
×ソ・ソンイ(韓国)
チェ・ナリ選手が判定勝利でライト級優勝となりました。
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