観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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きょうの1曲 ガールスクール『ノット・フォー・セル』

 ガールスクールは70年代にイギリスのインディーズからデビュー。当時はまだ珍しい女だけによるヘヴィーでワイルドでアグレッシヴなバンドでした。

 彼女たちはイギリスで人気絶頂だったモーターヘッドの妹分的存在として人気を獲得。メジャーレーベルから次々にアルバムを出し、ライヴ会場はファンであふれ、母国での人気は不動のものとなりました。ポール・ウェラーさんのザ・ジャムが大受けで街にネオモッズの若者が目立っていた頃の話ですから、かなりの大昔ですね。

 イギリスで成功したバンドが「次に狙うのはアメリカ」。この昔からのセオリーに従って80年代の後半はガールスクールの米国上陸が計画され、業界の人たちが彼女らにいろんなアドバイスをするのでした。「アメリカで売れたいんだったらもっとおしゃれな服装をしろ」「キュートなヴォーカリストを入れろ」「キーボードを入れろ」「ポップな曲を作れ」「ヒット曲のカバーをやれ」「女の子らしくしろ」… 。そしてバンドは変わりました。

 しかし、この新路線は不評で新しいファンの獲得に失敗。本来の姿から離れて別の方向に向っていく彼女たちに失望して、昔からのファンもどこかへ消えてしまい、バンドは急激に勢いを失います。

 満足に活動出来ない時期が多くなり、メンバーも出たり入ったりで一定せずセンターのキム・マコーリフさん以外は常に変動しているような状態。低迷の時期は長期に及びました。

 けれども、この失速から多くを学んだガールスクールはその音楽的な路線を結成当初のヘヴィーでパンキーなロックンロールに原点回帰、メジャーレーベルをあきらめてインディーレーベルに戻ったことにより「時代の流れ」にも左右されなくなり、もう音楽的なブレは消滅。そしてジワジワとコアなファン層からの信用を取り戻し、気が付けばガールズバンド最古参として世界をツアーする存在となっていました。

 脱退したメンバーも戻り、現在はほぼオリジナルメンバー(残念ながらリードギターのケリー・ジョンソンさんは病気で他界しています)。動画は現在のメンバーによるブラジル・ツアーのステージ。デビューから堂々の36年め。全員50代。しかし、「あの懐かしの」というノリではなく、完全に実力派の現役として戦っている姿が誇らしいです。素晴らしい迫力です。

 若さや、ルックス、お色気を女子に求めるのは音楽業界も格闘業界も同じようですね。

 マスコミはそういうのが好きですから。しかし、彼らはお客ではありません。マスコミはチケットを買いません。

 客商売には最低限のショーマンシップは不可欠なのは言うまでもありませんが、女だろうと男だろうと最後に評価されるのは実力。実力を生み出すのは本気。

 本物が見たい、ファンが思うのはそれだけです。

関連動画 モーターヘッド + ガールスクール = モータースクール『プリーズ・ドント・タッチ』

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