Boxing
2018年2月17日(土)アルゼンチン ネウケン
IBFスーパーフライ級世界タイトルマッチ 10回戦
王者 デボラ・ディオニシウス (アルゼンチン)
VS
挑戦者 ぬきてるみ(井岡/OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者)
井岡ジムのぬきてるみ選手がIBF世界王者のデボラ・ディオニシウス選手とアルゼンチンでタイトル戦をおこないました。あまり画質が良くありませんが、お時間がある方はご覧ください。
時間の余裕の無い方はどこか適当に1ラウンドを見て、そのあと第9、第10ラウンドをチェックするだけで十分です。
むちゃくちゃ実力差がありすぎるカードなので、ハナっから勝敗の興味はありませんでしたが、内容的にもチャンピオンが適当に1~8ラウンドまでを流し、9と10だけ真面目にやった「調整試合」みたいなもんでしたね。
こういう不釣り合いなカードを「いい経験になる」などと書く人がいるようですが、こういうのは普通のボクシングファンはカマセ試合と呼びます。
選手の経験値が上がる試合というのは、自分と同じかちょっと上の実力の選手との試合なのであって、ここまで差があるとほとんど得るものはないでしょう。
ファイトマネーは得られますけどね。
前にも書きましたが、それはプロだからいいんです。プロはお金になればいいので。
でも、ある選手が(Bクラスぐらいの実力の選手が)もっと上に行きたいのなら、その人に必要なのは世界挑戦じゃなくて、海外の6~8回戦ぐらいの選手と戦うことなんです。
プロはお金になればいいんですが、「いい試合を見せたい」と思うのなら、タイトルマッチじゃなくても出来るんです。4回戦でも、6回戦でも。勝つ可能性のない世界戦なんてしなくても。
同じぐらいの力の選手がなんとか勝とうと必死になる試合はノンタイトルでも面白いんです。そして、そういう試合こそが実力を磨きます。
それがわかってないひとがこの業界は多いし、カマセ請負いを「挑戦」とか「経験」と言い換える詐欺師も多すぎると思います。
アルバイトさんとの試合が公式戦として認められる汚れた業界なので仕方ないですけどね。
相手が「無名選手」だから悪いんじゃありませんよ。バイトさんだからダメなんですよ。インチキライターさん、そこ、誤魔化さないでくださいね。
IBFスーパーフライ級世界タイトルマッチ 10回戦
○王者 デボラ・ディオニシウス (アルゼンチン)
判定 3-0
×挑戦者 ぬきてるみ(井岡/OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者)
デボラ・ディオニシウス選手が判定で勝利し、同王座の11回目の防衛に成功しました。
(99-91、99-91、98-92)
デボラ・ディオニシウス (アルゼンチン/IBFスーパーフライ級世界王者 防衛10回)27戦27勝6KO
ぬきてるみ(井岡/OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王者 防衛0回)12戦9勝(うちタイ人4)3敗5KO(うちタイ人4)
コメント
そうかな?経験になるか、ならないかは
その人のポテンシャルによると思います
いかがでしょうか?
>名なしのゴンベイさん コメントありがとうございます!それは確かにその人のポテンシャル次第でしょう。
若い頃にチャンピオンに叩きのめされて、後年になってノシ上がった例は女子ボクシングにもありますから。
マルセラ・アクーニャ選手がルシア・ライカー選手にデビュー直後に倒されていたりするのがその例ですね。でも、そこから這い上がって伝説のチャンピオンになれたのはアクーニャ選手だからです。
一般論で言えば、チャンピオンに負けた力量差のありすぎる格下選手はその後も伸びずに終わります。それがタイトルマッチに呼ばれたカマセ選手の普通の道なんです。普通の選手は何段も格上の相手ばかり当てられていたらつぶれるしかないんです。
前の試合で世界王者フアレス選手に負けたぬき選手は今回は強くなってましたか?
プロレスならいきなり格上と当てられることはスター街道の入り口ですけど、ボクシングにはそういう「ストーリー」は無いんで、分けて考えることが必要です。
前にも書きましたが毎回タイのバイトさんとのカマセで勝たしてもらって、そのあと世界戦で勝てるなんていうオイシイことにはならないんですよ。
高野選手がそれをやって失敗して、いま、何歩か後戻りしてやり直しているでしょう。それが現実なんです。
選手を強くするのは同格相手のシノギ合いを勝ち残った経験。それを省いて飛び級で強くなるのは無理ですよ。
同感です。実力差のある選手とやってても潰されていくだけですもんね。その選手によっぽどの一発で倒すパンチをもってたら、まだわずかな可能性に賭ける考えもありますけど。女子にはなかなかそんなパンチのある選手いませんからね。
>ななしさん コメントありがとうございます。
そう、それが現実ですよね。だから、女子は技術や試合運びが勝負のカギになるので、そういうのが身につく経験が必要かな、と。