Boxing
2018年4月17日(火)東京 後楽園ホール
DANGAN211
第2試合 フェザー級 4回戦
島野りーみん しまのりーみん(TEAM10COUNT)赤
VS
若狭与志枝 わかさよしえ(花形)青
自分は競技者でもなんでもありませんが、これまでボクシングを見てきて「本当に大変な競技だ」と強く思っています。命がけだし、実際に大好きな選手が命を落としているし、そういう試合を見ています。
だから・・・、ほかのスポーツから「何か違うものをやりたかった」「個人競技がやりたかった」などと転向してくる人を見ると「何かとか、個人競技とか、ほかにいくらでもあるんだからボクシングには来ないでほしい」と思います。そんな気持ちで来られて事故でも起こされたら困ります。
しかし、島野りーみん選手はもともとボクシングをやっていた人で、ボクシングが大好きで競輪からプロボクサーに転向したひとです。なので、期待していました。「世界チャンピオンになる」などという大口も微笑ましく聞きましたし、ボクシングが好きなアスリートならある程度はやってくれると思いました。
まあ、デビュー戦はいろんな理由で評価の対象にはならなくても、さらに9ヶ月もあとの2戦めなら進歩を見せてくれると思っていました。だけど、違いました。
そのことをちょっと書きますね。
まず、島野選手のディフェンス。打ってくるパンチをよけるとか、当たりにくくするとか、そういう意識はまったく無く、その場に止まって顔を隠しているだけ。しかも、うつむいて、相手を見ていません。
これは相手にとっては一番安心ですよね。この姿勢の間は絶対に打ってこないわけだし、打つ体勢になるまでにガードを開けて、相手の位置を確かめてから、パンチを出すという3段階の過程があるわけで、余裕を持って対処できます。
パンッと打ち出して、サッと引くのがパンチですが、島野選手の左はゆっくり伸ばして、しばらくそのまま。これはパンチではありません。
プロボクサーなのにジャブを打てない人がいるというとすごく驚かれるのですが、日本のプロボクサーには珍しくありません。いくらでもいます。
ジャブを打てない人が多くいる理由は、
1.ジャブは連打が基本なので非常に体力を消費するため、どうせ体力を使うなら利き腕のパンチを出そうと思い、ジャブは練習しないし、実戦でも省略する
2.利き腕のパンチに比べて、ジャブの威力には自信がないため、出しても意味がないと考えて練習をしないし、実戦でも省略する このふたつです。
島野選手はおそらく1と2の両方でしょう。
そんなわけで、ガードしてうつむくだけ、ジャブも飛んでこないので、若狭選手はやりたいように出来るのです。
若狭選手は左右に片寄らずにきっちりパンチを出し、その正確性もまずまず。
第2試合 フェザー級 4回戦
×島野りーみん しまのりーみん(TEAM10COUNT)
判定 0-3
○若狭与志枝 わかさよしえ(花形)
若狭与志枝選手の大差判定勝利
(36-40、36-40、36-40)
島野りーみん しまのりーみん(TEAM10COUNT) 2戦1勝(うちタイ人0)1敗1KO(うちタイ人0)
若狭与志枝 わかさよしえ(花形)5戦5勝(うちタイ人1)2KO(うちタイ人0)
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