Boxing
2018年9月8日(土)アメリカ カルフォルニア州
WBCアトム級 暫定世界王座決定戦 10回戦
ブレンダ・フローレス(メキシコ)赤のトランクス
VS
ルイサ・ホートン(オーストラリア)黒のトランクス
2016年に竹中佳選手とWBOライトフライ級王座を争って勝利したルイサ・ホートン選手が今月8日にWBCアトム級のタイトルマッチに出場しました。
ホートン選手は2年前の勝利でWBOライトフライ級チャンピオンになったのですが、防衛戦をおこなわずに王座剥奪となって現在は無冠。
WBCアトム級は小関桃前王者の引退で正規王座が空位になっているのですが、どういうわけか、今回のタイトルマッチは暫定王座決定戦です。
正規王者がいないのに暫定王者を作るというわけがわからないことになっています。さすがテキトー運営のWBCさん。
それはともかく、海外ではまったく不人気で、いままで誰も見向きもしなかったアトム級の試合がこうして中継されるようになったことがビックリですね。世界的な女子ボクシング人気の盛り上がりがここまで来たということなのでしょう。
試合はフローレス選手のパンチで第1ラウンドからホートン選手が鼻から出血。それが止まらずにひどいことになって最後まで顔面は真っ赤。鮮血をしたたらせ、微笑みながらフローレス選手に襲いかかるホートン選手の鬼気せまるボクシング・・。
出血を招いたフローレス選手のパンチは、試合を通してみればホートン選手のパンチにはその効果でも命中数でもおよばず、内容的には完全にルイサ・ホートン選手の試合となりました。特にホートン選手のボディ攻撃は効果的で、フローレス選手をかなり苦しめたと思います。いいボクシングでした。
しかし、判定は2-1でフローレス選手の勝利。
判定を聞いた瞬間、「ワーオ・・」と驚愕する放送席。「勝っていたのはホートン選手」「ジャッジは正しい判定をしなければいけない。血なんか見ないで有効打を見るべきだ」と解説の人たちが放送で断言。
まったくそのとおりで、鼻血が出たとか、顔が腫れたとかは、ポイントとは関係無いんですよね。試合を決めるのはあくまで有効打の数です。
出た判定を完全に否定する、こういう正直な解説は日本ではここ数十年聞いた事ありません。むこうはスポーツに関しては発言の自由があるのがうらやましいです。ちゃんと心のある人が解説席にいるのはいいですね。
いまやアメリカではヒスパニック系の市民は多数派であり、メキシコ人選手にとってアメリカは第2のホームみたいなもの。そしてかかっていたベルトがメキシコに本部があるWBCですから・・こういう滅茶苦茶な判定も不思議ではないのかもしれません。
なんか、こんな話が多過ぎないですか? やだなー。
でも、良かった点は、不人気階級のアトム級に光が当たり始めたかもしれないことと、ルイサ・ホートン選手のボクシングが素晴らしかったこと。このふたつは覚えておきたいです。
WBCアトム級 暫定世界王座決定戦 10回戦
○ブレンダ・フローレス(メキシコ)
判定 2-1
×ルイサ・ホートン(オーストラリア)
ブレンダ・フローレス選手の判定勝利
(97-93、93-97、96-94)
ブレンダ・フローレス(メキシコ)18戦13勝4敗1分2KO
ルイサ・ホートン(オーストラリア)10戦8勝2敗4KO
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コメント
アトム級なのに、これだけパンチが強くキレがあるんですね。海外の女子選手は力強い!
>いちボクシングファンさん
この試合はスゴイですね。
最新ランクで なぜかフローレス選手の暫定王座は空位(フローレス選手ランク外&ホートン選手1位)
9日に試合予定のフローレス選手のボクレコ戦歴をみたらTM表示も取り消しに・・・。
中継もベルトもありながら「なかったこと」って・・・呆
どうせなら好川さんの インチキ暫定もそうなればよかったのに笑。
うわ・・ あんな試合させておいて「無し」ですか。
さすがデタラメ運営のWBCとか言ってられないですね。
12・8米 ブレークフス王者やシールズ王者が出る興行にリマッチが組まれましたね
10Rですから「暫定」の復活か 別王座がかかるかもしれません
>9日に試合予定のフローレス選手のボクレコ戦歴をみたらTM表示も取り消しに・・・。
元々ボクレコは 女子アトム級カテゴリー作ってくれないんですよね だからアトム級TM表示はあったりなかったりで・・・
失礼しました
ボクレコだとリマッチ中止で ホートン選手は2勝1敗の選手とやるようです
そういえば現行WBAルールだと 形式的とはいえ 宮尾選手は1位&暫定王者になるんですね