本日は究極の格闘技というか、戦闘そのものというか、中世騎士の戦いをスポーツ化した『ナイト・ファイト』をご紹介しましょう(ナイトとはもちろん夜nightじゃなくて騎士knightのほうです)。
上掲の動画はおそらく今年の大会のダイジェストだと思われますが、ご覧のとおり女性もたくさん参加しているのが分かります。
この中世騎士戦は数年前からヨーロッパのいくつかの地区でおこなわれていて、競技場所が動画のような屋外だったり、オクタゴンのリングだったりしますし、主催者によってルールも違うようです。
試合は、1対1、3対3、多対多など様々な形式があり、ヨーロッパをはじめ、中国などさまざまな国から参加者がいて、プロ興行やプロマッチも存在するようです。
選手は中世の鎧を着用、剣または斧と盾を使い、相手に打撃を加えて戦います。剣は斬ったり刺したりするのではなく、ぶん殴って使う鈍器のような感じです。斧もいわゆるバトル・アックスと呼ばれる戦闘用斧です。また、盾は防御だけではなく、フチの部分で相手を突いたり打ったりする武器としても使います。
キックやヒザ蹴りもありですが、ポイントにはならないようです。ポイントはあくまでも武器と盾による打撃によるもの、そして、押し倒し、投げ、タックルなどによるテイクダウンで加点されるようです。
ある団体では打撃一回が1ポイント、テイクダウンが5ポイントなどとなっており、テイクダウンはビッグポイントです。
テイクダウン後の加撃は3発まで(制限がない団体もあるようです)。後頭部、目への攻撃は反則。また、関節技も禁止です。
この動画は2016年6月4日にエストニアでおこなわれた女子マッチです。赤騎士がマーヤ・オルチャック選手(ポーランド)、黒騎士がローサ・アールトネン選手(フィンランド)。
試合は2分3ラウンド制、攻撃を受けて立てない場合、および、3回テイクダウンされた場合にKO負けとなり、それ以外は判定がおこなわれます。
動きが遅いですが、鎧で全身を覆っているため体温が高くなり熱中症寸前状態、さらにその重さが20~30キロ前後はあるでしょうから、こうなるのも仕方ないですね。男子でも2ラウンドぐらいで体力を消耗してしまうそうです。
試合は一進一退で、終盤にアールトネン選手が上背を生かしてオルチャック選手の体勢を崩し、テイクダウンで見せ場を作りましたが、試合全体の手かずで上回ったオルチャック選手が判定で勝利しました。
ナイト・ファイト 2分3R
○マーヤ・オルチャック(ポーランド)赤
判定
×ローサ・アールトネン(フィンランド)黒
マーヤ・オルチャック選手の判定勝利
(第3ラウンドにローサ・アールトネン選手がテイクダウン成功1)
1対1の試合を見ているとそうでもありませんが、団体戦を見るとレフリーの目も届かないのか、けっこう後頭部打撃の反則もありますし、倒れたひとりに複数が攻撃した結果、倒れている選手が完全に動けなくなる場面などもあり、かなり危険な競技であることは間違いないでしょう。
柄の非常に長いアックスを使っている選手もいますが、あれは剣よりもヤバイと思います。面白い分野だとは思いますが、まだまだ管理面が未整備で、スポーツというには危険な感じ濃厚のような・・。みなさんはどう思われますか?
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