Boxing
2010年7月31日(土)トリニダード・トバゴ
WBCミニフライ級タイトルマッチ
WIBAライトフライ級レギュラータイトル決定戦 10回戦
WBC王者 アナベル・オーティス(メキシコ)
VS
挑戦者 リア・ラムナリン(トリニダード・トバゴ)
*追記 この試合は中止になりました。
トリニでのラムナリン選手と多田悦子選手のタイトル戦は、多田悦子選手に拳の骨折というダメージを残しましたが、ラムナリン選手も左肩を負傷し、現在はまだまだ治療中の段階。
しかし、試合の生中継の反響は大きく、ラムナリン選手の次戦はすでに決定しました。7月31日にトリニでWBCとWIBAのダブルタイトルマッチです。
試合が決まったのはいいのですが、問題はこの試合にかけられる二つのタイトルの階級が違うということ。つまり、多田悦子 VS 富樫直美の時と同じく「異団体・異階級のタイトル戦」というムチャクチャな設定なのです(勝った選手はどうやって違う階級の防衛をしていくのでしょうか?)。
この試合は当初WIBAライトフライ級(48.99kg)のタイトルマッチとして企画されていたのですが、対戦相手がWBCミニフライ級(47.62kg)のチャンピオンなのでそのタイトルもかけちゃえ、ということになってしまったようです(47.62kg契約体重になるようです)。
そんなアホな!と言いたくなるようなとんでもないタイトルマッチですが、その先例を作ったのが多田・富樫戦ということで、日本人としてはなんとも情けない気分になります。批判する権利がありませんからね。
誰かが馬鹿なことをやると真似をする人間が必ず出てきます。ルールというのは一度やぶられるとこのようにして修復がきかなくなっていくものです。
さて、この試合に関してもうひとつネガティブな話があります。それはこの試合にかけられるWIBAライトフライ級王座のことです。
WIBAは数ヶ月前から悪名高いスーパー王座の制度を開始しました。スーパー王座は数年前にWBAがでっち上げたインチキシステムのひとつで、通常のチャンピオンのほかにもうひとつのチャンピオンを作ることです。これをWIBAも真似をして採用してしまったんですね。愚かなことです。
これは、団体にとって重要な人気王者に、通常のチャンピオンのひとつ上のスーパーチャンピオンという肩書きを与えて「防衛期限延長」などの特典を認め、いつまでも自分のところにいてもらうためのシステムで、これが導入された階級にはスーパー王者とレギュラー王者のふたりの王者がいることになります。
WIBAライトフライ級の本来の王者は韓国のキム・ジュヒ選手でしたが、彼女は現在スーパーチャンピオンに格上げされているのでレギュラー王座は「空位」となり、今回のレギュラー王者決定戦となったというわけです。
こうやってめんどくさい話になればなるほど一般の人の気持ちが離れていくということを関係者さんたちはなんでわからないんでしょうか?
ボクシングファン的には「タイトルも団体もどうでもいいや。面白い試合をしてくれれば。」という結論になっちゃいますが、キム・ジュヒ選手のようにもともと試合数が少ない選手を、スーパー王者に認定してさらに試合から遠ざかってもOKとするのは、ボクシング界の損失だと思うんですけどね。彼女はこの4月に試合をするといいながらしませんでしたし。
状況説明だけですごく長くなってしまいました。WBC王者アナベル・オーティス選手についてはまた次の機会に書きます。
アナベル・オーティス(メキシコ)7戦6勝1敗1KO
リア・ラムナリン(トリニダード・トバゴ)19戦13勝5敗1分2KO
コメント
今晩は 4人とも防衛しましたが新たに世界挑戦の話がないのは淋しいですね。
サイトや雑誌からきになる話題を4つ。WBCミニマム級に休養暫定王者が誕生したみたいです。ランキング2位のタイの選手です。
WBAが女子ランキングを廃止し挑戦者を指名順番にするそうです。WBA暫定Sフライ王者のクチェラス(正規天海)21日にタイトルマッチをしたみたいですがWBC暫定も架けられたみたいです(正規トレス)最後になりますが結局ラムナリンの暫定王座は消滅したんですかね?世界中のボクシング関係者がへんな団体を相手にしなければいいんですけど。ま 大相撲とかの例をみるかぎりそれは無理でしょうが。
コメントありがとうございます。 こまっちゃうような話が多いですね。以前からあやしい方向に行っていたWIBAが、いよいよおかしくなってきたのも悲しいですし。
でも、日本にも世界にもいいボクサーはいるし、いい試合もあるし、きちんと管理されている王座もあるし、もっとそういう評価が高くなるといいですね。
今月QRで書いていない試合のまとめとかを近日中に書きたいです。