観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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アンナ・ガブリエルがWBOライトミドル級タイトルを開始20秒でゲット 女子ボクシング

 Boxing

2010年5月29日(土)プエルトリコ

WBOライトミドル級王座決定戦
アンナ・ガブリエル(コスタリカ)
1回20秒TKO
×ガーディー・アルバレス(ドミニカ共和国)
アンナ・ガブリエル選手のTKO勝利

 アンナ・ガブリエル選手が初回20秒という記録的な早さのTKOで世界王座を手にしました、と言えば大変に聞こえがいいのですが、試合の動画をご覧になればお分かりのとおり内容的にはお粗末のひとこと。これは詐欺まがいの世界タイトル戦でした。

 このところ中南米の業界関係者が必死に売り込みをかけているアンナ・ガブリエル選手の対戦相手に選ばれたのは、2007年11月以降1試合しかしていないセミリタイア状態のガーディー・アルバレス選手。

 ご覧のとおり、ほとんどトレーニングすらしていないのではないかと思われる体つきで、やる気のない表情、投げやりな猫パンチ。

 内容的に世界タイトル戦の水準に達していない、というよりも、プロボクシングと呼ぶに値しないようなトンデモマッチで、この試合を世界戦として認定したWBOさんは女子プロボクシングというスポーツの尊厳に泥を塗ったと言えるでしょう。

 問題なのはガーディー・アルバレス選手の資質だけではありません。一方のアンナ・ガブリエル選手の経歴もムチャクチャです。

 彼女は2007年にデビューし、2008年にはWBAさんのラテン王者となり、2009年12月にWBOさんのウェルター級世界王者となっていますが、その間、一度も名前のある選手と試合をしたことがありません。

 ガブリエル選手はまったく無名で弱い選手とだけ試合をしてWBAラテン王者、WBO世界王者になった選手なのです。

 しかも、2009年に獲得したWBOウェルター級王座を1度も防衛戦をおこなわないで返上しています。WBC/WBA同級統一王者セシリア・ブレクフス選手との対戦を避けたのでしょうか?(WBO同級ベルトは現在はブレクフス選手が保持しています)。

 そして、王座返上後すぐに、今回、階級をひとつ上げてWBOライトミドル級王座決定戦に出てきました。

 タイトル防衛戦は王者の義務ですが、それを放棄して簡単に返上したり、別の階級ですぐにタイトル戦に挑戦したり、なんと安っぽい王座でしょう。

 WBOが認定している女子王者は、最初こそスージー・ケンティキアン選手、イナ・メンツァー選手、ジェシカ・ボップ選手と粒ぞろいでしたが、女子王座の認定を開始してたった数ヶ月でこのような運営に成り下がるようでは認定団体としては失格。

 王者としての適任者がいない階級は空位にしておくのが当然だと思うのですが、目先のおカネに釣られて安易な運営をする団体ばかりが目につくこの頃です。

アンナ・ガブリエル(コスタリカ)11戦10勝1分6KO

ガーディー・ペナ・アルバレス(ドミニカ共和国)13戦9勝2敗2分6KO

qbar

コメント

  1. うっちー より:

    ペルーのキーナの成功に触発されたのかどうかは定かじゃありませんが
    コスタリカ、ウルグアイといった国々の
    「オラの国にも世界王者がほしい!!!」
    という気持ちは痛いほどわかるんですけどね。。。
    実際、男子ボクシングのあまり盛んでない
    これらの国から魅力的なフアイターが
    出て来てることは面白い現象だとは思います。
    ただあまりにも安っぽい世界王座のバーゲンセールは韓国の例を見てもわかるように、永い目で見てこのジャンルの衰退を呼ぶ
    事は必至。
    まさに悪貨は良貨を駆逐する、
    ということわざの典型ですね。
    困ったものです。
    やはり欧米あたりに統合してもらわないと
    ダメかな?

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