Boxing
2010年8月11日(水)東京 後楽園ホール
花形スペシャル祭り
46.5kg契約 6回戦
花形冴美(花形)
VS
ジュジース・ナガワ(フィリピン)
1回 今回が初の後楽園ホール登場となるジュジース・ナガワ選手は、これまでフライ級やライトフライ級で戦ってきましたがTKO負けや大差判定負けが多く、どうにもパッとしない戦績。
しかし、それも仕方がないことだと目の前のナガワ選手を見て理解しました。入場してきた彼女はアトム級の花形選手とほとんど同じ体格だったのです。これでは今までの相手に勝てというほうが無理。はじめから体格で負けていたのです。
今回はアトム級とミニフライ級の中間ぐらいの契約体重なのでナガワ選手にとっては久々の適正体重でしょう。そんなナガワ選手のボクシングは花形選手とはフォームも似ていますし、パンチを出すタイミングもほとんど同じ。これは面白い組み合わせ。
初回はほとんど互角。終盤にジャブ一辺倒になった花形選手に会場からさかんに「ワンツーだよ、ワンツー」の声が飛びますが、花形選手は左を出しながら後退する形でゴング。
2回 花形選手はフットワークを使いながら前後に出入りするボクシング。左を打って反撃にあう前に大きく飛び退きます。
後半には飛び込みながらの左を何回かヒットさせますがあとが続きません。
3回 前回と変わらず飛び込みながらの左と大きなバックステップを繰り返す花形選手。大して打たれていないのに後退する場面が多くなります。
4回 飛び込みからの左を多用する花形選手。命中率は高いのですがフォローのパンチを打たずに離れるので攻勢の印象がありません。反対にナガワ選手は命中打は少ないながらも前へ前へのボクシング。
花形選手はバックステップとクリンチが増加。ホールディングまがいのクリンチも出すなど苦しい展開。
6回 前進するナガワ選手、下がる花形選手という展開はこの回も続きます。花形選手は打ち込まれるわけではありませんが印象は良くありません。
判定はジュジース・ナガワ選手が3-0で勝利。飛び跳ねて喜ぶナガワ選手。
46.5kg契約 6回戦
×花形冴美(花形)
判定0-3
○ジュジース・ナガワ(フィリピン)
ジュジース・ナガワ選手の判定勝利
57-59、57-59、56-59
きょうになって1回開始直後に花形選手の右拳が折れていたことを知り、彼女が得意のインファイトを捨てた理由がわかりました。万全の状態ではなかったということが非常に残念です。花形冴美選手の骨折が1日も早く完治することを願います。
ナガワ選手はJBC認可後の来日女子選手の中ではかなりいい選手でした。フィリピン選手はハートがあるし、基本がちゃんとしていますね。しかし、まだまだ世界戦レベルの選手でないことも明らか。この選手を世界戦の挑戦者に2回も認定するような部分が今の女子ボクシングの駄目なところです。形だけのタイトルマッチが多すぎます。
さて、花形選手のケガを別にして、純粋に試合を見た場合、どちらもこれと言って決め手のあった内容ではありませんでしたので、ドローでも不思議ではなかったと思います。前に出ていた点を評価する日本式の価値観ならナガワ選手ですが、ヒット数を評価する欧米式の価値観なら花形選手の勝ちもあったかもしれません。花形選手が治ってから再戦が見れたら嬉しいです。
今回の結果を含む両者の戦績は以下のようになります。
花形冴美 はながたさえみ(花形)7戦5勝2敗2KO
ジュジース・ナガワ(フィリピン)14戦6勝7敗1分2KO
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