Kick Boxing
2012年8月26日(日)東京 後楽園ホール
J-KICK 2012~NEXT J-GENERATION~
J-GIRLSフライ級王座決定戦 2分5R 延長1Rマストシステム
トモコSP ともこすぺしゃる(WSRフェアテックス)
VS
サンチェス弥生 さんちぇすやよい(Madness Cherry)
J-GIRLSさんのいいところは、各階級の王者にキチンと定期的に防衛戦をやらせることと、その挑戦者をトーナメントで決定するところです。
キックに限らずボクシングでも総合格闘技でも「どうしてこれがタイトルマッチなの?」と疑問になるようなマッチメークがおこなわれることは珍しくない状況の中、こうやって完全に実力主義で挑戦者を決定する公正な運営方法はとても好ましいと思います。
しかし今年は異変が起こりました。4選手でおこなわれるはずだったフライ級挑戦者決定トーナメントが怪我のためにひとり欠けてしまい、残りの3選手によるリーグ戦に変更。
その間、チャンピオンの王座返上があったので、挑戦者決定リーグ戦はそのまま新王者決定リーグ戦へとスライド。
しかし、その後、体調不良のために1選手が脱落してしまい、結局、残ったのは2選手。つまりトモコSP選手とサンチェス弥生選手ですが、2名ではトーナメントもリーグ戦も不可能なのでこの日の一試合だけで新王者を決めることになりました。
このことをわたしたちは以前の記事で「事情が事情だけに仕方ない」と書きました。しかし、それは間違いでした。やはりこんなカタチで王者を決定してはいけません。わたしたちが間違っていました。
理由は単純に王座決定戦としてレベルが低すぎたからです。結果論で申し訳ありませんが、この王座は空位のままのほうが良かったと思います。
トモコSP vs サンチェス弥生戦はすでに一回行われていてトモコ選手の勝ちという結果が出たばかり。今回リマッチを組む理由もありませんでした。
ご覧のように両者は実に対照的な体格。手も足も非常に長いサンチェス選手はロングレンジからのキックとパンチでトモコ選手にプレッシャーを与え、トモコ選手はそれをかいくぐりながら思い切りのいい飛び込みから接近戦に持ち込もうとするという構図。
サンチェス選手はリーチを生かして優位に試合をスタートしますが…
トモコ選手がスキを見つけて飛び込んで勝負を振り出しに戻します。前回はこの攻防のパランスがトモコ選手有利に傾いたところで試合が終わりました。しかし、今回はタイトルマッチ。前回(3回戦)よりもずっと長い5回戦の試合です。
試合が第3ラウンドに入ると誰の目にも明らかに試合がダレてきます。まず、蹴りのレンジは広くても威力に欠けるという弱点があるサンチェス選手が、蹴るのをやめてパンチ一辺倒に。
トモコ選手はもともと蹴りよりもパンチの比重が圧倒的に大きい選手なのでふたりでパンチ合戦。もはやキックボクシングではありません。
かといってボクシング的な試合になるはずも無く、単なる殴り合い状態。
掴みも首相撲も認めないJ-GIRLSさんのルールでは、ショートレンジではよほど卓抜したパンチとヒザのスキルが無いとグダグダな展開にしかなりませんが、この試合もその例に漏れず当然のようにグダグダ。4ラウンドぐらいになると、ただもつれあって押し合い続けるシーンが繰り返されます。
最終ラウンド 思い出したようにキックを出すサンチェス選手ですが、標的をとらえることが出来ません。
グダグダな押し合いから、サンチェス選手が相手をコーナーに追い込みますが、引き手を取らずにその場から単に手を伸ばすだけの手打ちなのでトモコ選手の脅威にはなりません。
判定はフックをヒットさせる場面が多かったトモコSP選手の勝利。
単なるワンマッチなら「凡戦でした」のひとことですが、タイトルマッチとしては実に寂しい内容だったと思います。
立ち技系格闘技全体がレベルアップへと向かい、内容も実に熱い試合が多くなってきている現時点でタイトルマッチがコレとは。J-GIRLSさんは考え直したほうがいいと思います。
J-GIRLSフライ級王座決定戦 2分5R 延長1Rマストシステム
○トモコSP ともこすぺしゃる(WSRフェアテックス)
判定2-1
×サンチェス弥生 さんちぇすやよい(Madness Cherry)
トモコSP選手の判定勝利でJ-GIRLSフライ級新王者に。
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コメント
こんなんでベルトを巻けるなんてね
安いチャンピオンは海外の選手に食われちゃうかも