Boxing
2015年10月22日(木)東京 後楽園ホール
第56回フェニックスバトル
WBA&WBC王座統一 10回戦
WBAライトミニマム級王者
宮尾綾香 みやおあやか(大橋)
VS
WBCアトム級王者
小関桃 こせきもも (青木)
認定団体は違っても階級(規定体重)が同じふたりの日本人世界王者がお互いの王座をかけて対戦しました。
両者は同体重と言っても身長とリーチでは小関選手が大きく上回っており、まともに打ち合えば宮尾選手の不利は火を見るより明らか。そこで、宮尾選手は定評のあるフットワークを生かして得意のアウトボクシングでポイントをかせぐ作戦が予想されます。
1ラウンド開始わずか数十秒、宮尾選手の左が小関選手の右アゴにジャストミート。
小関選手いきなりのダウン。
序盤からピンチに立たされた小関選手は出て行くしかなくなり、それを宮尾選手は打っては離れるヒット&アウェイ。
小関選手のベタ足では宮尾選手の動きについて行けず、パンチを受けて鼻のあたりが赤く染まっていきます。宮尾選手にとっては理想的な試合展開。このまま足を使って逃げ切れば得意の勝利パターンです。
しかし、打ち気にはやったのか、いつもよりも手数が多い宮尾選手は、3ラウンドぐらいから足を止めて相手の正面に立つ時間が増えます。
小関選手がこの機を逃がすわけもなく、この階級では破格のロングリーチを誇る左ストレートで反撃を開始。
小関選手は初回にダウンしながらも、要所でヒットを決めて5ラウンド終了後のオープンスコアではポイントイーブンにまで持ち直します。
後半も宮尾選手は打たれた分を取り返そうと、いつものアウトボクシングスタイルを捨ててアグレッシブに出ますが、小柄な直進ファイターの攻略は小関選手の得意分野。打ち込んでくるタイミングをかわし、打ち終わりにストレートをかぶせて優位をキープ。中盤以降に宮尾選手の逆転の目はありませんでした。
WBA&WBC王座統一 10回戦
WBAライトミニマム級王者
×宮尾綾香 みやおあやか(大橋)
判定 0-3
WBCアトム級王者
○小関桃 こせきもも (青木)
小関桃選手の判定勝利
(94-95、93-96、93-96)
(小関選手は第1ラウンドにダウン1)
したたかな宮尾選手なら客が喜ぶ打ち合いよりも、冷静にアウトボクシングしての勝ちを選ぶと予想されましたし、理想的な序盤の展開からは当然そうなるものと思われましたが、今回は激闘勝負に出て結果的に玉砕となってしまいました。試合後、リング上でファンに深々と頭を下げ続ける宮尾選手。いったい何を思ったでしょうか。
小関桃選手が判定で勝利してWBA&WBC最軽量級の統一王者に。
WBCアトム級王者
WBAライトミニマム級王者
小関桃 こせきもも (青木) 24戦21勝2敗1分7KO
宮尾綾香 みやおあやか(大橋) 27戦20勝6敗1分4KO
関連記事 女子ボクシング 現在進行中の黒歴史 小関桃 V15のウラのいろいろな話
関連記事 小関桃 VS マリア・ヒメネス WBCアトム級タイトルマッチ 詳細 G-Legend 5 ボクシング女子
関連記事 宮尾綾香 VS ブアンゲルン・ワンソンチャイジム WBAライトミニマム級タイトルマッチ 試合経過 ボクシング女子
コメント
小関桃、勝っちゃったんですね。スッキリしないなあ。
勝つテクニックがある?う~ん。
プロとしてはビジュアル面の演出が両者共良くないですね。興行なんだから盛りは必要だと思います。
アスリートとして鍛え上げた肉体を魅せることを考えていないような。
宮尾さんは考え過ぎて一周した感じで残念。あのスカート?は丈が長すぎて軽量級の軽快感がないと思います。
>リングさん コメントありがとうございます。この試合は、ダウンしたことのない小関選手からダウンを奪って序盤を盛り上げたのも宮尾選手、インファイトしたことがないのに初インファイトを仕掛けて苦戦したのも宮尾選手で・・・主演は良くも悪くも宮尾選手でしたね。
小関選手には某特殊ライターさんが持ち上げるようなテクニックはないでしょう。しかし、小さい選手の突撃をさばくことは得意です。
打って来るのをはずして左を少し遅いタイミングで当てるんですが、これはうまいです。リーチがあってさらに極端な前傾姿勢なので、思ったよりも遠くまで伸びるのですが、その感覚が小柄な選手にはなかなかつかめないようですね。これで池山選手もやられました。
同階級の実力派世界王者としては韓国のパク選手がいますが、この人はリーチもあってボクサータイプなので、小関選手は得意じゃないでしょう。日本のマスコミはこの人のことを一度も取り上げたことが無く、存在しないことになっていますけどね(苦笑)。
宮尾陣営は最初から
判定を全く信用していなかったのでしょう。
普通にポイントアウト狙ったら
謎判定で負かされるという読みでしょうね。
これまでの経緯からすればある意味当然の判断。
「KOしなければ勝てない」縛りなら
わかっててもああするより他にない。
ましてダウンも取れたので
特攻すればワンチャン・・・という
ことだったのでしょうね。
仕方のない判断ですが、
実際のスコアを見る限り
宮尾陣営は今回はもう少し審判を信用しても
よかったのかもしれません。
結果論ですが、少し小関側の判定力に怯えすぎましたかね。
さて、女子軽量級は次の展望が全くなくなりました。
宮尾選手は現役を続けるのかどうかもよくわかりませんし
小関選手はこのままあと百万年たっても次の舞台には進まないでしょう。
しばらくは時計が止まったままになりそう。
>るさん 宮尾選手の今回の試合運びはファンのあいだでは今後も議論になるでしょうね。
一方、メディアは「激しい打ち合い」を賞賛する単純な激闘美化ばかりで、そこには宮尾選手の本質がアウトボクサーであるという認識はカケラもないようです。ふだん女子に関心のないひとたちの書くことなので無理もありませんが。
また、どうもメディアのひとたちは「世界記録に並ぶ16度目の防衛」というコトバに酔っているのか、小関選手を過大評価し、宮尾選手を過小評価しています。
そのため、宮尾選手が奪ったダウンを素直にダウンと書かず「かすったような」とか「スリップに見えた」けれども「レフリーがダウンと判断した」と必ずエクスキューズを入れているんですよね。
でも、あれはダウンです。福地レフリーは正しいです。
「小関選手は今回が16度目の防衛戦です!」というリングアナのあおりに客席がワーっとなるのは仕方ないですが、ライターさんまであおられちゃダメですよね。
>さて、女子軽量級は次の展望が全くなくなりました。
本当にそのとおりで。
もともと最軽量級にいた海外の主な選手は韓国のパク・ジヒョン選手が全部倒してしまい、敗れたホリー・ダナウェイ選手、クリスティーナ・ベリンスキー選手、スザンナ・ワーナー選手が引退し、ジョディ・エスキベル選手は下位ランク。
これが結果的に小関選手のためのツユ払いをしたみたいな形になって、もう誰もいなくなってしまいました・・・。
パク・ジヒョン選手はその後、韓国ボクシング界のゴタゴタに巻き込まれて防衛記録が15で止まってしまったので、小関選手のひとり勝ちですね。
「日本プロボクシング協会の女子委員長も務めている有吉将之・青木ジム会長」
驚きました 小関選手の危険なフォームを訂正できない責任者が・・
さてWBAタイトルはどうするのか? あとからできたので手放すかもしれませんね それとも倍の認定料払ってでも 日本初の統一タイトル防衛戦 挙行するのか?