Boxing
2017年12月16日(土)メキシコ テカマク
WBC女子世界フライ級暫定王座決定戦
好川菜々 よしかわなな(堺東ミツキ)
VS
デリア・ロペス(メキシコ)
暫定王者とは、本当の王者が怪我、病気や、ほかの何かの理由で試合を出来ないときに、そのかわりに認められる代理の王者です。
しかし、ボクシング「業界」にとっては、王者が世界のあちこちに何人もいたほうがたくさんタイトルマッチが出来て儲かるので、正規王者が元気に活動しているときにも暫定王者を作って「タイトルマッチ」をやることがあります。正規王者も暫定王者も同じベルトを巻いているし、どちらも「世界王者」と名乗るので、ファンには違いが不明確です。
この状況が良くないことは誰でも分かりますよね。ナントカ王者がたくさんいると、一人一人のベルトの価値が下がりますから。
WBCさんはこのことを防ぐために、数年前にシルバー王座というものを作りました。ベルトは正規王者が緑&金色に対して、シルバー王者は緑&銀色で区別されました。シルバー王者を作るかわりに今後は暫定王者は作らないという方針でした。
しかし、WBC女子暫定王座は今年も新たに作られ、ライトフライ級のケニア・エンリケ選手が暫定王者に認定されています。さらにフライ級にも暫定王者が作られることになり、その決定戦に出るのが好川菜々選手。
ケニア・エンリケ選手の階級にはシルバー王者がいませんので、まだギリギリ彼女の暫定王座は有りなのかもしれません。
しかし、好川選手の階級にはちゃんと正規王者もシルバー王者もいて、試合もしていますから、暫定王者が必要な意味はゼロなんです。何かの理由で正規王者が空位になってもシルバー王者が新王座決定戦に出ればいいだけです。
それを無理矢理「正規」「シルバー」「暫定」の3人の王者をフライ級に作る。
しかも、好川選手の現在のランキングが18位で、相手は30位。18位でさえ普通は世界戦に出られないのに、30位なんて絶対無理。
そんな「世界戦」をなぜ組んだのかといえば、団体が認定料を欲しいだけです。
好川選手陣営はしばらく前からメキシコで練習してますが、WBC本部への売り込みを兼ねてのキャンプだったんでしょうね。
メキシコではボクシングが大人気で、毎週のようにビッグマッチが組まれていますから、どさくさに紛れて暫定世界戦を組むことなんかなんでもありませんし、メキシコ国内では絶対的な支持のあるWBCさんの権威が揺らぐわけでもないから「こんな試合もまあいいだろう」ということでしょう。
好川選手本人もトレーナーさんも「一生の思い出になれば」と言っているようですが、暫定は正規王者への足がかりじゃなくて、ただの引退記念ベルトってことですね。ボクシングファンには迷惑です。
日本の女子ボクシングも、ようやく最近になって、まずは6回戦で日本王座をとって、8回戦で東洋太平洋王座をとって、それからじゃないと世界戦は認めないというルールを作り、信用を築いていこうとしている時期なのに、大ベテランの好川選手がこんなデタラメな「世界タイトルマッチ」をやってしまうんですから。
なーんだ、やっぱり女子ボクシングなんてインチキじゃん、ってなりますよ。
「自分らの経費でメキシコ行って、交渉して、それで試合決めて何が悪いの」って考えなんでしょうけど、アマと違ってプロボクシングというのは、ファンが権威と歴史を作るんです。
ファンの支持が得られなければ、いくらベルトを巻いても「不人気王者」と言われるのがプロボクシング。
偉大な王者は、ファンの支持があるから偉大なのです。王者の権威は、ファンの支持なのです。チケットを買ってプロボクシングを維持してきた無数のファンがいればこそプロには権威があるのです。
その権威のあるプロボクシングのリングでベルトを巻くのはボクサーの夢。
そういうところで18位と30位で世界戦やってチャンピオンを名乗っていいのか、ってことです。
ファンの支持とは関係なく直接交渉でベルトを私物化してなんの価値があるのか、ってことです。
好川選手はプロ入り後、日本人との対戦ゼロで毎回タイ人とのやらせマッチ連続で戦績を作って世界戦をやりましたけど、やっぱりそういうのをボクシング界が許したのは間違いでしたね。
堂々と世界戦を思い出作りのように語るプロボクサー・・。情けないです。
好川菜々 よしかわなな(堺東ミツキ) 9戦7勝(うちタイ人5)2敗4KO(うちタイ人3)
デリア・ロペス(メキシコ) 18戦10勝6敗2分5KO
コメント
WBC(野上M・マスコミ)によれば 正規王者キカがダイヤ王者になったからとか 次の相手サモラが異階級王者(ウソ)だからとか 非情に怪しいものでした 本人たちにも良くないので抗議はしました
今やシルバーは 当初説明とは違って 正規暫定との関わりに統一性がなく インタ王座より格上の水増し王座とみたほうがわかりやすいです 一時はシルバー=一位という案もでてましたが(男女通じて)順位も1位だったり下位だったりで 女子に至ってはインタとの差別化もないようですし
女子暫定王者の現状
WBC 12・2急遽決定?MM級暫定決定戦
シルバー王者Rupprecht対おなじみ 前戦は負けたダコスタ ※黒木が長期防衛戦不履行のため? いいえ ゴリ押しが通ったんでしょ笑
LF級&F級 上記事参考
WBA
LM級 正規古川空位確実 暫定ミラノ
F級 正規藤岡空位濃厚 暫定IサンチェスB級 正暫統一戦ドロー
Fe級 正規マジョナヴィッチ 暫定がなんとIBF SB級王者アクーニャ なぜか今だ空位ならず・・・
WBO SFe級正キューネ 暫プロドニカ
WIBF SL級正クマー 暫Wyoning
[番外]
OPBF MF級 正規花形 シルバー塙
※本家WBCとは違って 花形引退なら 塙が正規昇格だが そんなことせずに堂々と花形に挑むべき
今だ正規対シルバーを「統一戦」と呼んでるサイトありますね 俺も当初そう思ってました笑 「やはり暫定とシルバーは別物にします」なんていう訂正発表が WBCからはないです・・・ 混乱しますよね
今からでも遅くないから せめて空いてるインタ戦に格下げしてほしいものです