Boxing
自分は日本人ですから日本が大好きです。日本は世界で一番いい国だと信じています。でも、正直、時々その確信が揺らぐこともあります。そのひとつが、小関桃頭突き世界王座奪取事件です。
このことを思い出す時、本当に日本はいい国なんだろうか?日本人はいい人たちなんだろうか?と考え込んでしまうのです。
この試合の日は、後楽園ホールに行けませんでした。メインのライカ選手とアン・マリー・サクラート選手の試合は見たかったのですが、いろいろ都合が悪くて、ホールには行けなかったのです。でも、ケーブルテレビで中継されることになっていたので、その録画を見ることを楽しみにしていました。
小関選手の試合に関してはまったく興味はありませんでした。彼女がプロテストを落ちたのにプロデビュー出来たインチキ選手だということはこの時点ですでに知っていましたし、そのデビュー戦を見てもヒドイ内容だったので、1年前にタイで負けている相手へのリマッチに勝てるわけがありません。
と、思っていたら・・・録画を見て驚きました。試合開始、小関選手いきなり頭突きです。その後もずっと頭突きの繰り返し。ウィンユー選手が抗議しますが韓国人のレフリーは形だけの注意をするだけです。そして第2ラウンドにカウンターの頭突きが炸裂。韓国人のレフリーはダウンを宣言。
ウィンユー選手は完全に足に来てしまって試合続行不可能。小関選手のKO勝利でした。一発もパンチらしいパンチは当たってないKO。世界タイトルマッチで頭突きKO。
実況解説の薬師寺さんは唖然としていました。「でも、ボクシングでは一度出た結果はくつがえらないんですよ・・」。
そのとおり、小関選手のKO勝利はJBCさんも否定せず、WBCさんも否定せず、ウィンユー選手は正式にKO負けとなって王座を追われました。
この25才のタイ人の世界王者は、千数百人の日本人の真ん中で何回も反則の頭突きを受け、最後は脳震盪を起こすほどの頭突きを受けてフラフラになってリングから担ぎおろされました。額にはコブが出来、リングを降りるまでの短い時間に見る見る大きくなっていきました。
明らかに反則によって王座を奪われたウィンユー選手の背後で、小関選手にベルトが渡されます。拍手が起こります。タイ側は抗議しましたが受け入れられませんでした。
事情が事情だったために、試合のしばらく後に、WBCさんはウィンユー選手にリマッチのチャンスを与えることにしました。
しかしウィンユー選手が小関選手と戦うことは2度とありませんでした。小関選手と戦う前の調整試合でウィンユー選手はタイの若手にあっけなく負けてしまい、そのまま引退となってしまったからです。
でも、ある意味、これは当然だったと思います。自分がウィンユー選手の立場だったとして、小関選手とリマッチをやれと言われて、もう一度あの後楽園ホールに行きたいでしょうか?
何度反則をされても誰も助けてはくれず、最後は頭突きで脳震盪を起こしているのにレフリーはダウンカウントを数え、お客さんはそれを見て笑顔で手を叩いているのが、ウィンユー選手の目に映った後楽園ホールでした。そこに、もう一度行きたいでしょうか?
「世の中に悪が栄えることはない」という言葉がありますが、それはウソです。
悪は何度もインチキな防衛を成功させ、最優秀選手に選ばれ、引退を発表すればそれが記事になって賛辞を贈られるのです。やったもん勝ちですよ。ウィンユー選手はどうしているのでしょうか?日本のことをどう思っているでしょうか?
あれから10年、本当に暗黒の時代でした。
自分は人間が好きですが、時々、自信がなくなります。
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コメント
この10年、
頭突き王者を頭突き王者だと言った人は何人いるの?
どうして言えないの?
頭突きもひどかったけど、メキシコ選手への足踏みもヒドかったですよね。
勝てば官軍
ライカの顔写真がポスターに入っていますが、JBCが公認する前も問題とか課題はあったけど、小関みたいな選手が現れることは無かった…。