Boxing
2018年3月10日(土) デンマーク ストルーア
WBC女子スーパーバンタム級暫定王座決定戦 10回戦
ディナ・トースルント(デンマーク)
VS
アリシア・アシュレイ (元WBCスーパーバンタム級王者/ジャマイカ)
上の画面をクリックすると動画ページに飛びます。10秒ほどの広告が最初に流れることがあります。
WBC女子スーパーバンタム級暫定王座をめぐってデンマークのディナ・トースルント選手とジャマイカのアリシア・アシュレイ選手が3月10日に対戦しました。
ディナ・トースルント選手はデビュー3年目で戦績は10戦全勝、KO率60パーセントの24才。アリシア・アシュレイ選手はかつてこの階級の正規王者だった選手で、ことしでプロキャリアが19年めとなる超ベテラン。年齢は50才で、おそらく今回が50代女子ボクサーの最初の世界タイトルマッチだと思われます。
こう書くと「50才で世界タイトル?あぶないんじゃないの?」という人が出てくるかもしれませんが、見てください、この人の若さを。この人を年齢の数字だけで判断できますか?
かつて、オリンピックの標語に「より速く、より高く、より強く」というのがありましたが、現代のアスリートには「より永く」というのもあると思います。年齢の壁への挑戦、アンチ・エイジングでどこまで行けるのかというトライですね。
そういう大きなテーマへの挑戦を単純に数字だけで切るのは間違いです。
選手の安全?そんなもの若くたって危険なスポーツなんだから、メディカルチェックさえパスしていれば年齢は関係無いでしょう。
日本では、2009年に猪崎かずみ選手が、出場が決まっていた世界タイトルマッチに出られなくなったことに関して「45才という彼女の年齢が問題になってWBCからストップがかかった」と思い込んでいる人が多く、日本版のウィキペディアにもそのように書かれていますが、実際にはWBCさんが猪崎選手の年齢を問題とした事実はありません。
確かに当時はそのように報道されましたが、事実ではないことがメディアに流れるのはよくあることです。
WBCさんが猪崎選手の年齢を問題にしてなかったことは、例のゴタゴタのあとに猪崎選手が直接WBCの会長さんから「世界戦OK」の許可をもらったことで明らかです。また、それ以降も彼女は世界ランクに入ってましたし、WBCアジアのタイトルマッチにも出場したのです。
WBCさんは選手の年齢を問題視などしていません。
今回、50才のアリシア・アシュレイ選手がWBCの暫定世界王座決定戦に出たことでも、それは完全に証明されます。
当時、「年齢を問題にしないお前たちのほうがおかしい」「選手が死んでもいいのか」などとQRにしつこく絡んできた「年齢問題派」のみなさんは、今回の件でWBCさんに抗議しないんですか?「50才で世界戦なんてあぶないだろーッ」ってメキシコの本部に言わないんですか?
猪崎選手の当時の年齢の45才なんて、すんごく若いでしょ。今回に比べたら。なんて馬鹿げたことを言ってたんでしょうね、「年齢問題派」のみなさんは。
猪崎選手の幻の世界戦事件は、震源地がWBCさんではないのですから、おそらく、猪崎選手に注目が集まるのを快く思わなかった国内の誰かがメキシコのプロモーターに働きかけ、それと同時に年齢のネタをメディアに流したというのが真相でしょう。
アリシア・アシュレイ選手にとっては今回の試合は良い結果にはならなかったようですが、ホームの選手に都合のいい場面を集めているであろうダイジェスト映像でこの程度の内容ということは、決定的な場面はなかったということで、採点のとおりの接戦であったと思われます。
勝ったディナ・トースルント選手は、本当にいいところを見せられるのはこれからでしょう。アシュレイ選手はもともとディフェンス能力がハンパないんで、難しい相手だったと思います。なんてったってトースルント選手はまだ11戦めの選手ですから。今後に期待ですね。
WBC女子スーパーバンタム級暫定王座決定戦 10回戦
○ディナ・トースルント(デンマーク)
判定 3-0
×アリシア・アシュレイ (元WBCスーパーバンタム級王者/ジャマイカ)
ディナ・トースルント選手が判定勝利でWBCスーパー女子バンタム級暫定王座を獲得しました。
(96-94、96-94、93-97)
ディナ・トースルント(デンマーク)11戦11勝6KO
アリシア・アシュレイ (ジャマイカ)37戦24勝12敗1分4KO
関連記事 アリシア・アシュレイ VS クリスティーナ・マクマホン WBCスーパーバンタム級王座決定戦 結果 ボクシング女子
コメント