富田美里(シーザー)
1R1分1秒 レフリーストップ TKO
○MIKU(バーバリアン)
(富田美里に計量オーバーのためイエローカード1枚とグローブハンデ2オンス)
昨年は藤井惠選手に勝っている富田選手と、同じく、昨年にはレーナ選手に勝っているMIKU選手の対戦ということで激闘が期待されたカードですが、あけてみればMIKU選手の初回TKO勝ちであっけなく終了となりました。
富田選手が、前日計量で規定体重を1.5キロオーバー、という情報を聞いた時点で嫌な予感が。計量をクリア出来なかった女子選手が、いい試合をしたという例はほとんど聞いたことがないのです。
クリア出来ない選手は、何かメンタルかフィジカルに問題をかかえていて、それで調整を失敗しているわけですから、結果はいい試合とはほど遠くなります。思えば、過去の名選手である不動館の三井綾選手も活動後期は、そうでした。
入場した富田選手は、名前をコールされてもなんのアピールもせず、客席に向かって手をあげるでもなく、ただ突っ立っています。いつもと違う?
計量オーバーによるイエローカード(警告1)が提示され、レフリーに深く頭を下げる富田選手。そして、富田選手にさらに*グローブハンデが与えられて試合スタート。
MIKU選手は、動きが良く、ストレートパンチと前蹴りを出して、富田選手の接近を許さず自分のリズムを作ります。
距離を詰めようとする富田選手を、腕を突っ張って寄せ付けないMIKU選手。その腕を振り払うようにして出した、富田選手のパンチがヒット。
MIKU選手は攻撃の手を休めず、突っ張った腕で相手を振り回しながら、ヒザを突き上げます。そして三度目ぐらいに出したヒザがヒット、富田選手は崩れ落ちるようにダウン。
苦しげに倒れた富田選手に和田良覚レフリーがカウントを入れます。そして、6までカウントしたところで、両腕を振って「試合終了」の合図。それを打ち消そうと、首を横に振りながら、勢い良く立ち上がる富田選手。しかし、試合は終わっていました。
格闘技の一般論として、頭部への打撃によるダウンなら、表情や倒れ方などから判断して、最後までのカウントを取らないレフリーストップはあって当然です。でも、腹部の場合は、回復のためにギリギリに立つので、9か10まで待つのが本当でしょう。6でのストップは早過ぎ。
しかし、それとは別にMIKU選手の試合運びは見事。コンディションも良いようで、試合がストップされないであのまま続行になったとしても、MIKU選手の勝利濃厚は疑いありません。
こうして、レーナ選手、富田選手という女子シュートボクシング期待の2枚看板が、他競技のMIKU選手の前に敗れ去りました。
女子シュートボクシングの歴史はこれで終わったのでしょうか。そうかもしれません。続くかもしれません。
*グローブハンデ(グローブハンディキャップ) 一方の対戦者が相手よりも重いグローブをつけること。スタミナや俊敏さの面で負担となるペナルティ。
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