Boxing
2009年10月10日(土) ドイツ・ロストック市
ドイツでおこなわれた二大タイトルマッチはどちらも実力のある挑戦者が王者とギリギリの接戦を演じるスリリングな展開となりました。
WIBF/WBC/WBOフェザー級タイトルマッチ 10回戦
○王者 イナ・メンツァー(ドイツ)
判定2-0
×挑戦者 イスター・ショウテン(オランダ)
マジョリティー・デシジョンでイナ・メンツァー選手が勝利
96-94、95-95、96-94
王者イナ・メンツァー選手は、後半になってから実力を発揮するスロースターターですが、これに対してイスター・ショウテン選手は最初からエンジン全開で襲いかかります。前回の対戦の時より自信にあふれた力強いボクシングです。
後手に回ったメンツァー選手はショウテン選手の強烈なストレートの前にバックステップが続き、打つタイミングも少し遅れ気味。動き出しが速いショウテン選手のほうにナイスパンチが多く見られます。
後半になるとメンツァー選手も動きにキレが生まれ、ハイ・テンポのボクシングで次第に挑戦者を圧倒。7回以降はメンツァー選手が主導権を取ります。
しかし、最終回にはショウテン選手が猛然と反撃。どちらが優勢か分からない状態のまま最後はショウテン選手の右がヒットしたところで終了のゴング。判定は2-0でメンツァー選手。善戦に終わったショウテン選手は号泣。
WIBF/WBA/WBOフライ級タイトルマッチ 10回戦
○王者 スージー・ケンティキアン(ドイツ)
判定3-0
×挑戦者 ユリア・サーヒン(ドイツ)
ユナニマス・デシジョンでスージー・ケンティキアン選手が勝利
98-92、96-94、97-93
王者ケンティキアン選手の強打を知る挑戦者の多くは接近戦を避けようとしますが、サーヒン選手は反対に自分から前へ前へと接近し、ケンティキアン選手の距離とステップワークををつぶす作戦に出ました。
強引にストレートを打ちながら前進を続けるサーヒン選手。ケンティキアン選手もこれに応戦、フックやアッパーで打ち返し、序盤は両者とも非常に手数の多い展開に。
中盤になるとサーヒン選手は手数を減らします。しかし、前進はやめません。がっちりガードを固めたまま前進し、ケンティキアン選手のやりやすい距離を封じます。そして、相手の打ち終わりを狙って鋭く返します。
徹底ガードをしながら、相手に打たせるだけ打たせてスタミナを奪い、要所でカウンター攻撃というプランでしょうか。
試合は、このまま最終回まで行き、その間、サーヒン選手は何度かきれいなパンチをヒットさせ観客をわかせます。しかし、ケンティキアン選手のスタミナは最後まで落ちることはなく、ダメージを与えることも出来ませんでした。
全ラウンドを打ち続けたケンティキアン選手の攻勢が評価され判定は大差となりましたが、最後までサーヒン選手の一発逆転の可能性を感じさせる面白い試合でした。
この日の結果により各選手の戦績は以下のようになりました。
イナ・メンツァー 25戦25勝9KO
イスター・ショウテン 31戦24勝6敗1分13KO
スージー・ケンティキアン 26戦26勝(16KO)
ユリア・サーヒン 21戦20勝1敗(2KO)
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