観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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ファンはホットに!選手はクールに! お客と選手は立場が違うという話

 お客さんというのは、いつでも理想を求めるものです。映画を見に行くときも、ライブを見に行くときも「きっといい映画だよ」「絶対いいライブのはず」と思うから見に行きます。「駄目そうだな」と思いながら行く人はいないですよね。

 スポーツもおなじです。自分のお気に入りの選手がいいモノ見せてくれると信じるからおカネを出してチケットを買います。勝つと思うから見に行きます。

panda もちろん、冷静に考えれば勝ちそうもない選手、結果が見えているようなカードもあるでしょう。けれど、「実力が出せれば良いセン行きそう」「調整が完璧ならば勝てるかも」「もしかすると、もしかして」と理想の結果を信じておカネを出してしまうのがファンなのです。そして、そうやって信じてくれるファンがいるからこそプロのスポーツというのは成り立つのです。

 あなたの町にプロサッカーチームがあるとします。そのチームの可能性を信じて試合を見に行く人が多ければ経営は成り立つでしょう。チームが存在できればファンは結果を期待するでしょう。

 でも、そこでチーム側が「うちは経営規模が小さいからあまりいい選手もいい監督も雇えないし、いい結果は期待しないでください」と言ったとします。そしたら、そのチームはそこで終わりです。

 現状はどうであろうと、そこをなんとかアゲていくのがプロでしょう。それを、現状に負けて向上心を捨てているようなチームなんか、試合で勝てるわけがないです。人気も出ないです。おカネも集まらないです。そこで終わりです。

 どんな状況でも選手やスタッフは一歩でも上を目指して頑張るのがプロ。それを叱咤激励するのがファン。

 うちはファンサイトだから、ファンの目線でファンの気持ちを書きます。駄目な試合は駄目と言うし、駄目なレフリーは駄目、駄目な判定は駄目、駄目な運営は駄目です。

 いろんな事情があるんだから長い目で見るべき、文句を言い過ぎるのは良くない、というご指摘をいただくこともありますが、「いろんな事情」は客席からは見えないんですよ。お客には関係無い世界のことです。

 わたしたちは客席の人であって、業界の人ではないです。評論家でもありません。ただのファンです。ファンが駄目な現状を受け入れてブーイング言わなくなったら、サッカーチームは終わりです。愛あるブーイングは拍手よりも価値があるものです。拍手はだれでも出来ますけど、ブーイングは勇気がないと出来ないんです。

 「いろんな事情」を勝手にくみ取って黙っているような人はサッカーの会場では地蔵と呼ばれます。もしもQRが「いろんな事情」に巻き込まれて何も言わないようになったのなら地蔵と呼んでください。

 ここまで書いたことはファンの立場、ファンの心意気について。選手の立場、選手の心構えは全然これとは正反対です。

 自分のやりたいタイミングでやりたい試合を出来る選手なんかいませんよね。やりたくない時期のやりたくない試合でも、決まってしまったら「がんばります」「期待してください」と言うのが選手。「気持ち的にイマイチなんだけど」「自信ないです」と言いたいけれど言えない。最初から理想と違うところでスタート。ある意味、ファンや自分にさえ嘘をついてのスタートです。

 練習スケジュールが進んでもどうもエンジンかからない、減量が不安、風邪ひいちゃった、足痛めちゃった、イライラして人とうまくいかない、いろいろあるでしょう。でも、取材されれば「コンディションいいですよ」「勝ちます」と言わなきゃならない。言った以上は負けられない。心理的にもつらいでしょう。それがプロのきついところ。いやな顔は見せられない。お客商売の大変なところです。

panda4 さらに試合当日に、駄目なレフリーにあたるかも、駄目な判定されるかも、駄目な運営で理不尽なことが起こるかも。でも、選手は文句を言えない。(ファンは言えますよ)

 さらにさらに、アウェイだったらファンさえいなくて、それこそ何をされるか分からない。それがガチの世界の恐ろしさ。なんでもありなんですから。

 サッカーだったら練習場にクギをまかれる、深夜にホテルの周囲で大騒ぎをして寝せてくれない、ゴールのサイズを小さくされる、試合では相手の反則をレフリーが取らない、観客がモノ投げてくる…ひどいですね。

 ボクシングや格闘技も滅茶苦茶ですよ。控室がない、アップの場所がない、試合順がよく分からなくて準備できないという小さなことから、試合中に相手が反則ばっかりなのにレフリーが全然無視してるとか。

 計量だけに限っても、こっちが自分用に用意してきた体重計と主催者が用意した体重計の数字が違う、相手の計量に立ち会わせてくれない、体重計の数字と読み上げる数字が違う、など被害報告はいくらでもあります。

 かつて、キックの女王熊谷直子選手がアメリカでボクシングの試合に出たときは、直前に対戦相手がコロコロ変更になる、契約体重もどんどん上になる、結局すごく重い相手との試合になり、ふつうに計量すると体重差がありすぎて許可されないので、熊谷選手だけ着衣で計量。それでも足りなくてポケットにオモリをいれられてやっとパスしたということです。もちろん、負けました。アウェイの人たちは勝つためには何でもしてきます。理想もないし、正義もありません。これがプロの風景です。

 このところ、キックや総合格闘技やボクシングの試合で契約体重が守られないことが何件も続いてます。そのことをQRは「駄目だ」と何度も書いてきました。ファンだからそう言います。

 でもね、選手やその関係者のみなさんは自分たちがアウェイの試合(競技の種類、国内国外を問わず)に出るときは、そういうひどい目にあうことをあらかじめ想定して行ってください。ファンは理想を捨ててはいけないけど、関係者は事実を受け入れてください。事実を受け入れて冷静に対策をして下さい。それがファンと選手の違いです。

 アウェイに行って試合をしたらひどい目にあった、びっくりした、驚いた、って騒いでいる選手や関係者が目に付きますけど、何をいまさらって感じですね。当たり前じゃないですか?!

 アウェイですよ、アウェイ!

 ファンは理不尽な試合を知ったらホットに怒ってもいいけれど、選手・関係者はあくまでもクールに切り抜けないと。それがアウェイ勝負の基礎中の基礎でしょう。

 相手が何キロオーバーしたと分かっているなら恵まれているほうでしょう。計量自体がいい加減なところもたくさんあるんです。

 相手の計量オーバーを最初から想定して、ではコチラはどうしようって案をふだんからいくつも持っているべきです。

試合やめて帰る。
ファイトマネーを増額させる。
エキシ扱いにして公式戦績に載せない。
こんなところが普通の落としどころでしょうか。

 中には「おまえが試合をしないで帰るのは自由だけど、もうお前の国(ジム)からは選手呼ばないからな」などと言ってくる悪質な主催者もいるようです。

 でもね、その言葉に負けて言うことを聞いたら、次に来る人もおなじ目にあっておなじ言葉を言われるかもしれないです。

panda0 結局は、ファイターという人たちは戦うと決めたら帰ることが出来なくて、試合をしてしまうことが多いみたいですが、自分でやると決めたのなら、不利でもやると決めたのなら、負けてからそのことをあれこれ言うのはやめてほしいです。自分の選択したことでしょう。不利を飲んだ自分が悪いんですよ。特に、追加のおカネをもらったのに試合をして負けて不満を言っている人たち、あなたたちはおかしいです。

 まあ、おカネをもらったと言っても規定の金額はけっこう安かったり、そもそも予算がなくてあまり増額できなかったりというのが現実かもしれません。

 だったら、おカネのかからない解決法も考えておきましょう。

 リング上で「体重オーバーしました。すみません」と相手に言わせるとか。相手のキャッチフレーズ『サイボーグ』とか『ベビー・ドール』とかを捨てさせるとか。心理的にこたえるペナルティを与えましょう。

 相手は地味な入場で、こっちだけが派手な入場とか。負けたとしても目立つのは自分みたいな演出をしてもらえればある意味では勝ちですから。

 そんな提案いやだ?目立ったってしかたない?じゃあ、試合しないで帰ればいいでしょう。

 選手のみなさん、アウェイは本当にヒドイですよ。

 競技にはホームとアウェイという壁があるのはガチのスポーツの基本認識です。「あってはいけないこと」が平然と「ある」のです。日本も外人選手にひどいことをしています。これが現実です。

 だけど、わたしたちファンは、ホームの選手が反則で世界チャンプになったってちっともうれしくありません。レフリー、ジャッジ、主催者、関係者のおかしいところはどんどん突いていきましょう。それがファンの役目ってもんなんです。

本文の内容と写真とは関係ありません。

コメント

  1. H・F より:

    これは日常生活にも当てはまりますよ。今は大不況です。どの業界も大苦戦してますよね。でも、業績上げてる所も多いのですよ。それは自ら客や利用者の立場になって物事を考えてるからですよ。選手だって観客を沸かせる事がプロですから。ただ試合すれば良いって事ではないですよ。ただお金さえ貰えば良い。そういう企業は今続々倒産や規模縮小してます。選手だって観客を沸かせなかったら、会場は閑古鳥鳴きます。それと同じ事ですよ。まあ、人は好き勝手な事言いますから。

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