観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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女子ボクシング ドイツへの道 Road to Germany

 Boxing

ツバサ選手とツナミ選手
 ボクシングの魅力はいろいろあると思いますが、やっぱり多くの人が関心を持つのは世界タイトルマッチですよね。

 いったい誰が世界で一番強いのだろうという興味、その答が決定する世界タイトルマッチ、これが面白くないわけがありません。

 しかし、残念ながら、世界にはいくつものベルトがあるので、世界の強豪が争う人気ベルトもあれば、そうでないベルトもあって、価値は同じではないのです。

 やっぱり、多くの強豪選手が本気で奪い合いをしているベルトが一番価値があるわけです。

 ということで、きのうの記事でも書きましたが、女子ボクシングでいま一番のホットスポットであるドイツの人気選手が持っているベルトにはかなりの価値があります。

 中でも『ボクシング・クイーン』レギーナ・ハルミッヒ選手が持っていたWIBFフライ級のベルトは、現在はスージー・ケンティキアン選手に受け継がれて最高の輝きを放っています。このベルトの価値はハンパではありません。ドイツやアメリカやアルゼンチンの選手が虎視眈眈とアイ・オブ・ザ・タイガーで狙っているベルトなのです。

 さて、このたび、われらがツナミ選手がハッキリと表明した「スージー・ケンティキアン選手を狙う」発言、QRは全面的に応援したいと思います。

 しかし、WBAさんのサイトに載せられた英文の記事を見てビックリ。そこにはツナミ選手サイドの言葉として「ケンティキアン選手のWBAベルトとツナミ選手のWBAベルトをかけて、ケンティキアン選手の階級でタイトルマッチをしたい」と書いてありました。

 違うふたつの階級のベルトをひとつの契約体重で争うという変則タイトルマッチをしようというわけですが、これって多田選手と富樫選手が去年やったやつと同じ発想ですよね。

 でも、あれは話題作りでやったはずがたいした話題にもならずに「へんなタイトルマッチ」と言われて失敗しています。QRもアメリカ人のボクシング関係者から「very strange」と言われましたよ。

 そんな、日本人からもアメリカ人からも受け入れられないような変則タイトルマッチを、世界で一番ルールに厳格なドイツが受け入れるとは思えません。

 それから、ツナミ選手は世界のどこに出しても誇れる最高のボクサーですけれど、WBAのベルトはまだ1回しか防衛していません。ケンティキアン選手のWBAのベルトはすでに11回防衛。そしてWBAスーパーベルトに認定されているのです。価値が違います。

 また、タイトルマッチが実現し、試合にはWBAのベルトしかかけられていなかったとしても、ツナミ選手が勝った場合は、敗北の責任を問われてケンティキアン選手はWIBFとWBOのベルトを没収されてしまうでしょう。つまり、1対1でベルトをかけたとしてもケンティキアン選手にとっては3本のベルトをかけるのと実際上は同じこと。

 ですから、お互いにWBAのベルトを1本ずつかけようという提案は「ひとつの契約体重で二階級のベルトを争うのはおかしい」という理屈の上でも「試合設定の不公平」という意味でも、とても相手の賛同は得られないでしょう。

 では、どうすればよいのか?普通にケンティキアン選手のベルトに挑戦を表明すれば良いのです。

 女子ボクシングでは、選手が少ないために、男子と違って、ある階級の王者がそのままほかの階級のベルトに挑戦することが認められています。

 イスター・ショウテン選手はスーパーバンタム級の王座を保持したままフェザー級のイナ・メンツァー選手のベルトに挑みました。

 カロリーナ・ガイテ選手はスーパーフライ級の暫定王座を保持したままフライ級のケンティキアン選手のベルトに挑みました。

 ですから、ツナミ選手もスーパーフライ級の王座を保持したままフライ級のケンティキアン選手に挑めば良いのです。

 別階級のベルトをひとつの試合にかけるというような妙な話題作りは必要ありません。実力でぶつかるだけで充分話題になります。ツナミ選手はそれが出来る選手でしょう。

 どうしても話題作りが必要ならば、たとえば、ツナミ選手、ツバサ選手、チェ・ヒョンミ選手で「アジア最強トリオ」を結成してドイツの代表と対抗戦を申し入れるとか、そういう実力主義的な発想のほうを希望します。

 でも、まあ、あんまり先を急がなくても、ツナミ選手の階級にはアルゼンチンの暫定王者さんもいることだし、それをまず倒してもいいじゃないですか。

 ツナミ選手が暫定王者のガイテ選手を後回しにしてマーティン選手とタイトルマッチをしたことで、アルゼンチンのファンがブログで怒ってましたよ(笑)。ガイテ選手はケンティキアン選手と戦って判定まで行ったボクサーですから、相手として不足はないでしょう。

 過去にハルミッヒ選手と引き分けているアメリカのエレナ・リード選手をツナミ選手の挑戦者に迎えても面白そうですし。

 いま、ケンティキアン選手の前には順番待ちの挑戦者がたくさん並んで待っています。そこに割って入るのにはとにかくアピールが必要。

 『TSUNAMI』という名前をこれからたくさん世界中で記事にしてもらわなければならないし、写真もネットにまだまだ少ないし、YouTubeに動画のひとつも無ければおかしいですし、そういうことをひとつずつやっていかないとだめなんです。QRも出来る限りのことはしていますがそれでもまだ全然少ない。

 ファンや関係者の人たちは、ただ成り行きを見守っているのじゃなくて、いま自分たちが出来ることをやりましょう。写真やビデオが手元にあるなら表に出しましょう。文章を書きましょう。いまサポートしなくていつしますか。なんにもツナミ選手の情報が行き渡ってないいまだからこそ、ちょっとのアクションでも効果は大きいのです。

 でも、こうやっていろいろ心配しちゃうのも日本にツナミ選手という強くてヤル気のあるチャンピオンがいるからこそ。ボクシングファンとしてはとても幸せなことです。

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