観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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女子ボクシング スージー・ケンティキアン 次戦の相手はナディア・ラオウイ

 Boxing

vs_raoui2010年4月24日(土)ドイツ ハンブルグ

WIBF/WBA/WBOフライ級タイトルマッチ
王者 スージー・ケンティキアン(ドイツ)
VS
挑戦者 ナディア・ラオウイ(ドイツ)

 ドイツのスターボクサー、スージー・ケンティキアン選手の次回防衛戦のスケジュールが発表されました。

 場所はケンティキアン選手のホームタウンのハンブルグ、相手は12戦無敗のWIBAフライ級暫定王者ナディア・ラオウイ選手です。

 ラオウイ選手は「美しき野獣」のニックネームで美人ボクサー的な売られ方をしている選手ですが、戦績は12戦無敗、その中にはゴールデングローブに輝くアイリーン・ミヨコ・オルシェウスキー選手(アメリカ)との引き分けもあり、ボクサーとしての腕は確かです。

 ラオウイ選手をケンティキアン選手とぶつけないで大切にしていくやり方もあったかもしれませんが、ドイツのボクシング界はぶつけてしまうんですね。プロモーターも選手もいい根性しています。

 いままでも何度も書きましたが、話題性だけではなくてガチの勝負にこだわるドイツボクシング。それが人気の秘密です。

 数年前までは、アメリカのドン・キングやゴールデンボーイといったプロモーションが、クリスティー・マーティン選手やレイラ・アリ選手などと契約を結び、男子のビッグマッチのアンダーカードとして女子マッチを組むのが恒例になっていましたが、レイラ・アリ選手の引退後は、そのようなこともなくなり、アメリカの女子ボクシングはけっこう地味になってしまいました。

 マーティン選手が1000~2500万円というファイトマネーをもらっていたのに比べて、現在のアメリカの女子ボクシングでは世界王者でも100万円前後という寂しい状況。

 しかし、ドイツでは女王レギーナ・ハルミッヒ選手が2007年の引退試合で数千万円のファイトマネーを手にしたのをはじめ、現在のトップのイナ・メンツァー選手やスージー・ケンティキアン選手もかなりの高額を得ています。

 たとえば、去年のイナ・メンツァー対イスター・ショウテンのリマッチでは、挑戦者のショウテン選手が500万円、王者メンツァー選手は3500万円でした。ショウテン選手は最初の試合が好評だったので挑戦者としては異例の高額でリマッチに呼ばれました。王者のメンツァー選手の金額は長谷川穂積選手とほぼ同じです。

 今回ご紹介した動画は、ケンティキアン選手が初めて*テレビCMに出演したというニュースなんですが、ファイトマネー以外にもこうやって大きな収入を得ることが出来るのも、キツイ試合を何試合も勝利し、観客を熱狂させ、リスペクトを受けている結果であって、単にベルトがあるから、女だから、かわいいから、というものではありません。

 ドイツも決して好景気というわけではなく、そんななかでもケンティキアン選手やメンツァー選手の試合のチケットはけっこう高額。それなのにお客さんは彼女たちの試合を見に来ます。それは彼女たちが一流のボクサーであるからです。なかなかいない選手だからです。

 そのへんを見誤ると、ドイツ女子ボクシングの価値や人気の本質を理解することは出来ません。

 *テレビCM ドイツのご家庭ならどこでも冷蔵庫に2、3個は常備しているというお菓子のチャンピオン『ミルヒシュニット』のCM。こちらが公式ウェブサイト。ケンティキアン選手のスライドショーがトップを飾っています。壁紙もダウンロード出来ます。

WIBF/WBA/WBOフライ級チャンピオン
スージー・ケンティキアン(ドイツ)26戦26勝16KO

WIBAフライ級暫定王者
ナディア・ラオウイ(ドイツ)12戦11勝1分1KO

前回記事 スージー・ケンティキアンがWBAスーパーベルトを獲得

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