Boxing
2011年5月16日(月) 後楽園ホール
OPBF東洋太平洋フライ級タイトルマッチ 10回戦
王者 四ヶ所麻美(フラッシュ赤羽)赤
VS
挑戦者 真道ゴー(クラトキ)青
第1ラウンド 今回が3回めの防衛戦となる王者四ヶ所麻美選手、タイトル初挑戦の真道ゴー選手、ともにアップライトにかまえてワンツーを出し合い、まずは互角のスタート。
第2ラウンド 真道選手のパンチは左右ともに引き手をとらない打ちっぱなしスタイルのため、打ったあとのスキが大きく、四ヶ所選手の高速連打のいい標的に。
しかし、パンチをもらってもこの表情で平然と前に出てくる真道選手。1分を過ぎる頃から真道選手は動き全体が柔らかくなり、被弾が少なくなってきます。
第3ラウンド 開始直後、真道選手が左腕を相手の首にからめるようにしながら押し倒すと、憤然とした表情で起き上がった四ヶ所選手は、2連の左フックから、右ストレート、左ストレートで猛攻。
後半、ワイルドに左右を打ち込んでいく真道選手。しかし、そのほとんどは四ヶ所選手のガードに阻まれ、反撃をもらう展開。
押されている真道選手は終了まぎわ、相手の頭を左手で抑えて動きを止めてから右フックを当てるというダーティーな小技で一発を返しますが、ここでラウンド終了のゴング。
しかし、真道選手はなおも左手で相手の頭をかかえて右パンチを打ち込み、これを四ヶ所選手はまともにもらってしまいます。
ボクシングではお互いの事故を避けるためにゴングが鳴ってもすぐにはガードを下げないのが基本ですが、このパンチはゴングの後というだけではなく、頭をかかえながらのパンチという汚いもので、避けることが出来ませんでした。四ヶ所選手にはまったく落ち度はなく、減点は当然でしょう。
第4ラウンド 足を使って距離を取りはじめた真道選手。ときどき体ごと飛び込むようにして右のビッグパンチを放ちますが、単発ではクリーンヒットするわけもなく四ヶ所選手の反撃にあいます。
後半は真道選手が四ヶ所選手を押さえようとクリンチが多くなってきました。
ここで最初のオープンスコアは、意外にもジャッジ3人全員が真道選手を支持して一方的に挑戦者リード(38-37、38-37、39-36)。真道選手に39(フルマーク)を付けているジャッジもいて、採点基準がわかりません。
第5ラウンド ポイントでリードを許した王者は、一発逆転しか無いと思ったのでしょうか、この回は狙っているような感じで急に手数が減ってしまいました。反対に真道選手は、元気に動き回りながらどんな形でもとにかく手を出すことで確実に攻勢点をかせいでいきます。
第6ラウンド 引き続き一発狙いなのか、さらに手数が減ってしまう王者四ヶ所選手。まっすぐに距離を詰めようとしますが簡単に逃げられてしまいます。
第7ラウンド 序盤、うまくロープに追い込んで右フックから返しのアッパーで攻め込む四ヶ所選手。
しかし、その後は前のラウンドと同じように逃げられては追いかける場面が多くなり、終盤にはちょっとしたスキを突かれてフックを被弾。挑戦者ペースで試合は続きます。
ここで2回めのオープンスコアは67-65、68-64、68-64で三者とも挑戦者を支持。
第8ラウンド ゴング直後から猛然と前に出る王者四ヶ所選手。真道選手もこれに応じて久々に接近戦がくりひろげられます。右のオーバーハンドで攻め込む四ヶ所選手。
さらに右フックでたたみかける四ヶ所選手。しかし、真道選手はクリンチからのボディ、フックなどで対抗して王者の攻勢をストップ。
第9ラウンド 激しく打ちかかる四ヶ所選手の攻撃をギリギリでよけてみせる真道選手。勝ちを確信した真道選手は積極的に出て来ます。
クリンチの離れ際に左フック、さらに右ストレートをきめる真道選手。ハードヒットではないもののこのラウンドは確実に真道選手のポイント。
第10ラウンド ガンガン前に出る両者。パンチとクリンチが混ざり合う乱打戦のなか。真道選手がアッパー、フックで攻勢。
試合はユナニマスデシジョン(ジャッジ全員が支持しての判定)で真道ゴー選手の勝利。OPBF東洋太平洋フライ級新王者に。
先日のWBC世界戦に続いて、後楽園ホールでの女子王座交代劇となりましたが、序盤のジャッジの採点などに不可解な点があったとはいえ、四ヶ所選手サイドにポイントリードされてからの逆転の策が見られなかったのが残念でした。
また、スポーツである限りはクリーンな試合がいちばんなのは事実ですが、それが通らないような局面に置かれた時になんとか打開していくたくましさやズル賢さも王者には必要な要素。そのことをこの試合は教えてくれたと思います。
新王者の真道選手は、このスポーツに必要な基礎体力や勝負カンの良さ、ビッグマッチを乗り切るふてぶてしさなどの才能があり、このベルトで長期政権を築く資格は充分。しかし、世界を本気で目指すのならショートレンジをクリンチなしで戦い抜く技術が必要不可欠でしょう。
貴重な経験を積んだ両選手の今後に期待します。
OPBF東洋太平洋フライ級タイトルマッチ 10回戦
×王者 四ヶ所麻美(フラッシュ赤羽)
判定 0-3
○挑戦者 真道ゴー(クラトキ)
真道ゴー選手が判定勝利でOPBF東洋太平洋フライ級新王者となりました。
(93-96、92-97、93-97)
(3ラウンド終了後の加撃により真道ゴー選手に減点1)
今回の結果を含む両者の戦績は以下のようになります。
四ヶ所麻美 しかしょあさみ(フラッシュ赤羽) 7戦5勝2敗3KO
真道ゴー しんどうごう(クラトキ) 9戦8勝1敗6KO
コメント
フェアプレイだけじゃ勝てない
でもあんまり汚いのもだめ
格闘技の道は難しいね
残念だけど競技スポーツ全般に言えることかもしれません
かといって、汚いボクシングが主流になったら悲しいよね
はじめて真道選手のボクシングをみたが
男子よりもいいボクシングを見せていただきました
前半もポイントは採点どうりだったと僕は思います
四ヶ所選手もある程度ダーティーなファイトに対応できる様に準備してないのがダメ
何を言っても勝った方が強いんだからさ