ShootBoxing
2011年9月10日(土)東京 後楽園ホール
東日本大震災復興チャリティーイベント
SHOOT BOXING2011 act.4
エキスパートクラス特別ルール49kg契約 3分3R 無制限延長
RENA[レーナ](及川道場/Girls S-cup2009王者、2010世界王者)
VS
ジェシカ・ぺネ(REIGN training center/USMAミニフライ級王者)
11月に決定している対神村エリカ戦に向けての強化試合として組まれたRENA選手のこの一戦。
対戦相手として登場したのは金網系総合格闘技の試合巧者ジェシカ・ぺネ選手(アメリカ)。
第1ラウンド いつものようにキックとパンチのコンビネーションで試合の口火を切るRENA選手。
組み技に持ち込んで投げを狙いますがペネ選手の腰の強さに崩れてしまいノーポイント。
そのあとペネ選手が組み付きから出してきたのはサバ折り。山田ようこ選手も8月の試合でMIO選手に仕掛けていました。総合格闘技ではよく使われるこの技が今回は重要なものとなりました。
RENA選手はキックとパンチで攻勢。ペネ選手も応戦しますが回転力と正確性でどうしても押され負け。
そこでペネ選手は状況が悪化する前に組み付き→サバ折り→ロープ押し付け、という総合格闘技のセオリーで対処。
しかしこのラウンドの主導権を握っていたのはあきらかにRENA選手でしょう。
第2ラウンド 前のラウンドの勢いそのままに攻勢をかけるRENA選手。
ペネ選手は打撃で応戦する構えを見せながらも組んではサバ折り、あるいは投げ…
蹴り足をつかんでは押し倒しで徹底的にRENA選手のリズムを崩してきます。
投げ狙いの相手には重心を落とすことで対処出来ますが、重心を落とすとサバ折りで崩されやすくなるため、ペネ選手のように両方を狙ってくる相手には、その時によって重心を落とすか落とさないかの選択を迫られるというやっかいなことに。
残り時間35秒、パンチをつないでポイントを取りに出たRENA選手。
ペネ選手は被弾しながらもRENA選手に組み付くと、ゆっくりとしたモーションでじわっと重心をすくい取るような投げ。試合開始から上下に重心を揺すぶられていたRENA選手は対処が間に合わずにマットに落ちてシュートポイント1を献上。
最後は打撃で追い込みますが、このラウンドはペネ選手のものでしょう。
第3ラウンド ペネ選手はリードを確信したのか相手から距離を置いて逃げ切るアウトレンジ戦法にスウィッチ。相手の右へ右へと高速でサークリングして打撃をかわします。
サークリングを続けるペネ選手は「ロングレンジでは打撃、中間距離を省略して密着」という総合格闘技の距離感覚で試合をコントロール。中間距離で打ち合ってくれない相手にやりにくそうなRENA選手。
さらに、ペネ選手は組みながらロープに押し込んでくるので試合がたびたびブレイクになり、流れがぶつぶつと切られます。これは機動戦型のRENA選手にはいやな展開でしょう。
打撃でいい場面があるのはあきらかにRENA選手ですが、巧妙に逃げる相手にコンビネーションやラッシュの場面を作ることが出来ません。
組み付いてきたペネ選手をフロントチョークにとらえます。これはイマイチ決まらずにノーポイント。
打撃と組み技を織りまぜるペネ選手は何度も投げの体勢を取ります。けれども、大半はあきらかに無理な体勢からの投げや押し倒しで、最初からシュートポイントは度外視。柔道で言えば掛け逃げのようなものですが、時間を潰し、相手の体力を削り、試合のリズムを崩していくには有効な方法。
試合はこのまま時間切れで結果は判定となります。ジャッジの支持はRENA選手0ペネ選手1のドロー。シュートボクシング名物「地獄の無制限延長」に突入です。
延長ラウンド1 ペネ選手の打撃は力強さは感じさせないものの延長になってもしなやかさと正確なフォームを維持していて決して組み技だけの選手ではありません。
しかし、打撃の技術と技の引き出しの数ではRENA選手が圧倒。
冷静なペネ選手は不利な打撃勝負を深追いせず、ポイントにならない投げを連発する掛け逃げ作戦を遂行。勝つ試合というよりは負けない試合をするひとです。
試合時間残り1分、RENA選手の強烈な右ローに思わず顔が歪むペネ選手。これは効いたと思われますが…
ペネ選手は必死の組み付きでディフェンス。そのまま時間切れでラウンド終了。
延長ラウンド2 ゴングとともに前に出てきたRENA選手に強引に組み付いたペネ選手がまずはヒザ蹴り。
そしてロープ際にもつれ込んだところでまたもやゆっくりしたモーションからの払い腰。
ロープにぶつけるように投げられたRENA選手は空中で体を逃がすことが出来ずに背中から落ちてシュートポイント1。再延長開始早々ペネ選手がリード。
懸命に出てくるRENA選手、組んでヒザ蹴りを入れるペネ選手。このヒザがあきらかなローブローで試合中断。RENA選手の回復を待って再開となります。
残り時間を打撃と投げで戦うRENA選手。出て来る相手を巻き込むようなカウンターの大腰投げを得意とするRENA選手ですが、ペネ選手が自分からはほとんど出てこないため投げが決まりません。
再延長の判定はジャッジふたりが支持したジェシカ・ぺネ選手の勝利。
総合格闘技の戦い方をSBにあてはめて勝利したペネ選手。相手との距離感だけではなく、自分とロープとの関係を常に考え、利用しながらの戦いぶりは、さすがに金網の使い方がカギとなるアメリカ総合格闘技の実力者と思わせてくれるものでした。
RENA選手の敗戦は残念でしたが、激闘型の選手が多い日本ではなかなか巡り合えない逃げ切り型の選手との試合は貴重な体験だったと思います。この戦いは必ずや将来への力になることでしょう。
エキスパートクラス特別ルール49kg契約 3分3R 無制限延長
×RENA[レーナ](及川道場/Girls S-cup2009王者、2010世界王者)
延長判定
○ジェシカ・ぺネ(REIGN training center/USMAミニフライ級王者)
3ラウンドまでに勝敗がつかず、さらに延長でもドローで再延長に突入、ジェシカ・ぺネ選手が投げで差をつけて勝利。
(3R判定0-1 延長1回目1-1 延長2回目0-2)
(ジェシカ・ぺネ選手2ラウンドおよび2回目の延長にそれぞれシュートポイント1 合計シュートポイント2)
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