Boxing
後楽園ホールには東西南北に客席がありますが、そのなかでも席数が多いのが南側で、こちらが「リング正面」という扱いです。
リングサイド席はパイプ椅子ですが、そのうしろは据え付けタイプの劇場シートで、前からA列、B列、いちばんうしろはR列まであります。
ボクシングでは南側のうしろ3列(P、Q、R)が自由席になっていることが普通です。
自由席ということは先着順で好きな席を選べるということですが、実は数年前からそれが出来なくなっています。
一般のお客さんがチケットを買って入場するころには、すでに自由席の良さそうなところには、三脚に付けられたビデオカメラが置いてあるんですね。
まず、三脚があって席がひとつ潰され、そのとなりの席にはカメラマンとその私物、三脚のひとつ前の席にもカメラバッグが置いてあり、カメラ一台のために何席も占領されています。
カメラの多くは記録用のビデオカメラで、ズームやパンはおこなわない固定撮影なので、本来カメラマンがそばについている必要は無いのですが、お客さんがさわったり撮影中に前を歩いたりしないように人がそこにいるのです。
カメラの前の席や隣の席にカメラバッグや私物を置くのも、お客さんをカメラから遠ざけるためでしょう。
こんなビデオカメラが堂々と自由席の真ん中にあるのがボクシングの後楽園ホール大会のいつもの風景なのです。
しかも、このカメラは1台ではありません。少ない日でも2台、多いときは6台ぐらいあるのですから、カメラとカメラマンと私物とカメラバッグで自由席の中央は完全に占拠されてしまいます。
カメラと三脚があるとその席は横移動ができません。ですから、同じ列に2台のカメラがあると、その間の席には行くことが出来ず、そこは無人になります。
これ、詐欺ですよね?P列からR列はお客さんの自由席のはずなのに、一番いいところは関係者が最初から占領しているんです。
座れないお客さんはどうするんですか?すみっこに立って見てろって?
このカメラの多くはジムの記録用のカメラで、この場所にセットしたり、そこでカメラ操作しているのも関係者です。JBCさんからの動画撮影許可の黄色い腕章をカメラの三脚にぶら下げています。
ボクシングは不人気なので後楽園ホールがぎゅうぎゅうの満員になることはほとんどなく、自由席をカメラに占拠されてもお客さんはあきらめて、スカスカの客席のどこか空いている席に座るようです。
枯れて、白けたファンしかいないから出来るんですね、こんなこと。不人気だからこそ出来る非常識な行為なんですが、ボクシングの人はわからないでしょう。
ほかの格闘技なら絶対に許されないですよ。もっとお客さんが多いし、もっとお客さんが熱いですから。
だから自由席の三脚撤去しろとか言うつもりはないです。そんなことしたって人気は出ませんから。ずうっとやってればいいと思います。
ボクシング村って変なことばっかりで面白いですね。
コメント
写真もありますし、このブログの記事は信頼できると感じていますので、事実だと思います(あえて、拡散は致しませんが…)。
地方に住んでいるので、中央の事は、よく分かりませんが、(地方の)テレビで観る事の出来るボクシングの試合会場は、それなりに熱気の感じられるものでしたので、驚きです。
こういった貴重な記事は、ありがたいです。
僕に何か出来るのかと問われても何も出来ませんが、現実を知る事が出来た事は、意味が有ると思います。他のメディアが取り上げてくれなさそうな事ですしね…。
>シンイチさん
テレビで放送されるような大会はある程度お客も来ますし、それなりに盛り上がったりもしますが「聖地」後楽園ホールの通常興行は満員にはなりません。それで関係者のひとたちは客席にいるひとのことを「どこかのジムの関係者」か「選手の知り合い」だと思い込んでいて、一般のボクシングファンがいるなんてまったく考えていません。
だから、知らない人が話しかけて来るときの第一声はたいてい「どこのジム?」です。
もう、本当に世間と接点の無い「村社会」です。笑ってしまうくらい閉鎖的です。
大阪の大会はもっと明るくて熱気があってほかの格闘技に近い雰囲気だと思いました。
不自由席ですね(笑) 席任者は、関係者(笑)
私は都内近郊に住んでいるのですが、ボクシングの試合を生で見たことがなく、試合の雰囲気を感じたくて一度は生で見たいと思っていたのですが、なんだか見に行く気がそがれますね。
>HAYASEさん
そうですよね。そうなりますよね。
ふつう興行の世界では自由席や立ち見席は、新規のお客さんのお試し席、何度も見たいリピーターのひとたちのマニア席と考えられていて、そこに来るお客さんが多いとその興行の将来性が高いということになるんです。
だから、某団体のトップのひとなんか、立見や自由席がいっぱい入るとごきげんらしいです。
こんなにぞんざいな扱いするのはボクシングだけでしょう。