観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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ボクシングジム経営者はスモールビジネスがお好き 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その32

 スゴイ才能を持つボクサーの卵を発見したトレーナーが必死に育て・・・才能が開花、会場にはお客が詰めかけチケット売り切れ・・・スポンサーがついて、テレビ放映も実現、多額の放映権料が入ってジムも選手もニッコリ・・・一般の人が持つボクシング・ドリームのイメージはこんな感じでしょうか。

 しかし、実際には、ジムを経営するのは大変。特に女子は人気もなく、王者になってもテレビもつかず、たいていの場合、客席もガラガラです。

 では、ジムにとって女子はお荷物かというとそんなことはなく、都心部のジムではライトな会員を増やすための看板として女子は有効らしいのです。また、たいして実績を上げなくてもマスコミに取り上げられるのでスポンサーさんのウケも悪くないようです。

4回戦ボクサーインタビュー
 ですから、都会のボクシングジムは話題になりやすい女子選手を常にさがしています。元グラビアアイドル、元女優、元ミスなんとか、なんとかカフェ、なんとかリーグ・・・そういう肩書きでメディアに載る女子ボクサーがあとをたたないのはそういうわけです。

 しかし、地方ではそもそもジムに入会しようとか、スポンサーになろうと思うひとの絶対数が少ないので、女子ボクサーがいても宣伝効果はありません。

 そのため、地方のジムから女子のチャンピオンが生まれても、ジムにはうまみがほとんどなく、一方、王座の認定料など出費ばかりがかさむので、結局はジムは世界王者であろうと手放します

 看板効果は都会のジム限定の話であり、マスコミネタのある女子がチヤホヤされるのも都会だけの現象です。

 さて、先日後楽園ホールである選手がデビューしました。

 その選手が誰であるのかは重要でないので名前はあげませんが、かつてはサッカーをやっていたそうです。そのことが宣伝になると思ってか、ジムは彼女を特別扱い。デビュー前から記者会見、デビュー戦後はリング上でインタビュー、そのあと囲み取材。まるでスター扱い。

 しかし、その某選手、もとなでしこリーグと言っても、所属当時のチームはなでしこチャレンジリーグ。いわゆる2部ですね。当時のなでしこリーグは1部、2部あわせて26チーム、選手は600数十人ぐらいいたはずです。2017年現在、なでしこリーグは1部から3部までのランクがあり、総勢700数十人の選手が登録されています。

 対して、女子ボクサーで、継続してプロの試合に出ている人はたぶん全国で70人もいないでしょう。

 つまり、なでしこ選手は女子プロボクサーの10倍もいるんですよ。どっちが貴重かと言ったら女子ボクサーに決まっているじゃないですか。

 それなのに貴重な女子ボクサーを適当に扱い、大して珍しくもない元なでしこ2部リーグ選手をスターのように扱う。おかしくないですか?

 話題になるからいい?

 たしかに、マスコミはきれいな記事にして載せてくれますけど、それは彼らも紙面を埋めるネタが欲しいからで、本心でそう思って書いているわけではありません。バカバカしいと思っているでしょう。読まされる一般人だってそう思います。「ボクシングと関係無いじゃん」てね。

 サッカーファンの入会が増える?わけないでしょう。地元チームならありかもしれませんが、よそのチームなら「だれ?知らない」です。サッカーはホームタウンスポーツですからね。

 そんな茶番をやってる一方で、真面目にボクシングやってる人はひんやりしたものを感じても無理はありません。

 日本プロボクシング協会渡辺会長は、チャンピオンまでの道のりが長いからみんな途中でやめてしまう、と思っているようですが、そうじゃありませんよね。

 男も女もカネとコネのあるジムはタイ人呼んできてお手軽に戦績カサ上げ、すぐにB級昇進、A級昇進。

 そしておこなわれるゴミみたいなタイトルマッチは記事になるけど、ノンタイトルはいくら善戦しても話題にもならない。

 ろくに試合もしていなくても話題性だけでチヤホヤされるひとがいる一方で、ふつうの選手には日が当たらない。

 こんな状態だから辞めるんですよ。

 と、言ったって、トップのご本人がわかってくれる可能性はゼロ。まわりの人たちが修正してくれる以外にないんですが、そんなことをしようという人材は、協会には、たぶんいないでしょう。

 というわけで、わたしたちファンがいい選手を応援するしかありません

 くっだらない話題の共有とかリツイートはボクシングを壊しますよ。ファンのみなさん、話題は選びましょうね。

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コメント

  1. 若鷹 より:

     女子プロボクシングの場合、男子とは異なり客寄せのネタとなる選手は重宝されるのだとか。日本ばかりではない。海外でも同様の現象があったみたいだからね。元グラビアアイドルとかボクシング以外のスポーツで活躍した元選手のプロボクサーへの転身は話題性豊富ですからね。日本国内では男子でも同様の現象があり、元高校球児のプロボクサーはプロデビュー当初から注目を集めていましたからね。だからこそ、女子の場合はバレーボールの全国屈指の強豪校のバレー部でセッターもしくはリベロ以外のポジションでレギュラーだった選手がプロボクサーへと転身すれば、軽量級の選手でいえば大内さくらや郷司利也子のような外見でライト級近辺のウエイトでの試合ができ、こちらの事情で話題をさらったりといろいろだよね。とにかく、これらの条件を満たしていても強い選手を相手に結果を残せば問題はないはずだ。もしかして、クイーン・オブ・ザ・リングさんは2007年以前の女子プロボクシングの方が強い選手を呼べていたのではないのかと考えているのでは?もし、そう考えているのであれば、2008年の女子プロボクシングのJBC(日本ボクシングコミッション)公認当時の山木ジム(現在のアルファジム)のJBC加盟によって骨抜きにされたのではないのかと推測するつもりでしょうかね。

  2. queensofthering より:

    >若鷹さん
    >クイーン・オブ・ザ・リングさんは2007年以前の女子プロボクシングの方が強い選手を呼べていたのではないのかと考えているのでは?

    ああ、まさにそれを書こうと思っていたのですが、ご指摘のとおりです。
    以前の山木ジムさんが仕切っていた女子ボクシング、さらにそれ以前のシュガーみゆき選手時代の女子ボクシングは、すくなくても『タイ人なんかひとりも呼ばなかった』ですもんね。

    JBCさんというか日本プロボクシング協会さんの体制になってから、タイ人女子ボクサーなんてもんが呼ばれるようになったんです。

    だから、この問題の根源はそこですね。そこがタイ人を送り込むブローカーと癒着してるんですね。

    良くも悪くも、むかしの女子ボクシングの方が一発当ててやろう、天下取ってやろうという覇気があったような。ギラギラしてました。

    いまはもう、小さな新聞記事で大喜びする業界ですから・・・。ダイエット会員が欲しいだけのビジネスになっちゃいました。(泣)

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