観客席視点からの立ち技系女子格闘技
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「人に勇気を与えたい」と言っていいのは本当のヒーローだけ 一般の格闘技ファンのための100の大事なことがら その33

 新人選手のインタビューといえば「頑張りますのでよろしくおねがいします」で終わるのが相場ですが、最近は「わたしの試合で勇気を感じてもらいたいです」や「見る人に勇気を与えたいです」なんてのもあるようです。

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写真素材 足成

 メディアがいつのころか「見るものに勇気を与える試合」という表現をするようになってからこのようなコトバが定着したみたいですが、このセリフをいう新人は大きな勘違いをしています。

 これは選手が自分のほうから言うコトバじゃ無いんですよ。

 お客さんが選手に「感動をもらいました!」「勇気をもらいました!」と感謝の気持ちを表すのは、それがいい試合だったからなんです。いい試合じゃ無ければ感動どころかガッカリですからね。

 お客さんはおカネと時間を使って試合を見に来ているんですから、プロは本来いい試合を見せて当たり前なんですが、その「当たり前」以上の内容だったときに「感動を~」「勇気を~」という感謝のコトバが出るのです。

 だから、選手が「わたしの試合で勇気を感じてほしい」とか「見る人に勇気を与えたい」と言うんだったら、それは誰からも文句が出ないくらいの、むちゃくちゃ良い試合をしていることが前提です。

 でも、新人がそんな試合しているわけがありません。ましてや、カマセ相手の経験しか無いひとは、そんなこと言える資格はゼロでしょう。

 だいたい、「与える」というコトバは、指示を与える、チャンスを与える、休暇を与える、みたいに、上司が使うような、上から目線の言い方。ファンとかお客さんに対して使っていい言葉じゃないんですよ。

 【与える】 の意味(三省堂 大辞林)自分の所有する物を目下の相手に渡しその者の物とする。やる。授ける。

 というわけで、新人さんは大きなこと言う前に、ちゃんと試合してよ、と思います。

 もしも現役時代のモハメド・アリ選手に「おれ様の試合を見て感動しろ」って言われたら、素直にハイって言ったでしょうけどね(笑)。

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