いつもご愛読ありがとうございます。当ブログ『クイーン・オブ・ザ・リング』は一般の格闘技ファンであるわたしたちが、ふだん感じていること、思っていることをもとに、業界目線ではなく、関係者目線でもなく、単なるファン目線で立ち技格闘技についていろいろ書いているページです。
ご存知のとおり、当ブログの更新状況は不安定で、先の見通しも立たないありさまですので、いまのうちに書くべきことは書いておこうということで、この『100の大事なことがら』というシリーズをはじめます。業界のひとや関係者さんでは書きにくいこと、書けないこと、しかし、ファンにとっては大事なことを書いていきますので、どうぞ、しばらくお付き合いください。
第3回の今回は『ミリオンダラー・ベイビー(ファイトマネー100万ドルの女子ボクサー)は実在した』です。
映画『ミリオンダラーベイビー』はその日の食事にも困るほどの貧困のなかでボクシングに夢を見て、その才能の開花とともにファイトマネー100万ドルを稼ぐようになっていく女子ボクサーが主人公です。
100万ドルを日本円にすると、為替の変動などにより時期によって大きく違いますがおおざっぱに1億円と思っていいですね。大変な金額です。
ボクシングでそんなファイトマネーをもらうひとなんて男子でもほんの一握りで、日本では100万ドル超え、あるいはそれに近い金額が確認出来るボクサーは数十年の歴史の中でも、辰吉丈一郎選手、薬師寺保栄選手、西岡利晃選手、畑山隆則選手ぐらいしかいないと思います。
日本でも知られている海外の有名女子選手は、アメリカで最初に女子ボクシング人気を爆発させたクリスティー・マーティン選手が、マイク・タイソン選手の前座で2000万円以上、モハメド・アリ選手の娘で世界王者だったレイラ・アリ選手が3000万円前後のファイトマネーだったでしょうか。
彼女たちのようなスターがいなくなり、テレビもつかなくなった今のアメリカでは、トップクラスの女子ボクシング選手でも1万ドル(100万円)ぐらいのファイトマネーがやっとという状況になっているようです。
一方、いま一番人気があるMMA女子のスーパースターのロンダ・ラウジー選手あたりはずいぶん景気がいいですが、それでもファイトマネーと勝利者賞などのすべての収入を合わせても1試合で2800万円程度だそうです。
以上のようなことから、ミリオンダラー・ベイビー(ファイトマネー100万ドルの女子ボクサー)なんて実際には存在せず、映画のなかの作り話に過ぎない、と思っている人は多いでしょう。しかし、それは日本で流れている女子ボクシングの情報が偏っているための思い込みで、現実にファイトマネー100万ドル以上の女子ボクサーはいました。
ドイツのレギーナ・ハルミッヒ(Regina Halmich)選手がその人で、引退までの56試合のうち1試合あたりのファイトマネーが100万ドルを超えたのが8試合といわれています。
これだけのスーパースターの存在を、日本のスポーツメディア、ボクシングメディアはまったくと言っていいほど伝えていません。
この人の存在を知るか知らないかでは、女子スポーツ、女子格闘技の可能性に対する見方がすっかり変わるほどのことなのですが、それを日本では誰も伝えないのです。
現在、ネットでハルミッヒ選手の名前を検索しても、当ブログ以外では、ウィキペディアさんが作ったページぐらいしかありません。しかし、そのウィキペディアさんのページは、彼女の名前を『レジーナ』『ハルミッヒ』と前半を英語読み、後半ドイツ語読みという奇妙なことをしている独自表記。
どういうつもりかわかりませんが、レジーナと読みたいのなら、唯一の来日の際のリングコールだった『レジーナ・ハルミック』という全部英語読みでいいと思うのですが。わざわざ英語とドイツ語をゴッチャにして混乱させる意味がわかりません。
まあ、ウィキペディアさんはその対象に興味があるというよりも、何かを書いてウィキペディアに貢献したいという動機の人が書いているので、ページを作ることにこそ意味があり、中身はいろいろ適当なんです。日本版ウィキペディアの特にボクシングや格闘技のページはそんなのばっかりなので気をつけましょう。
ハルミッヒ選手は2007年に引退しましたが、その後継者のスージー・ケンティキアン選手やイナ・メンツァー選手もハルミッヒ選手にはおよばないものの1試合で3000万円前後のファイトマネーを受け取り、スポーツ・セレブと呼ばれていました。
レギーナ(REGINA)はハルミッヒ選手の本名で、意味は女王=クイーンということらしいです。
女子格闘技選手で誰が最強なのかは結論の出ない話ですが、誰がファイトマネーの女王なのかはハッキリしています。
レギーナ・ハルミッヒ。
リアル・ミリオンダラー・ベイビー。
コメント
>レギーナ・ハルミッヒ(Regina Halmich)選手
失礼ですが全く知りませんでした。私の様な男子の国際式は専門誌レベルの情報(昭和末辺りからですが…汗)はかなり詳しくとも、女子の情報が専門誌では非常に少なく、またWBCアトム級王者の小関選手の愚行をスルーするような環境にいるものにとっては、なるべく正確をこころがけ、かつ幅広く分かりやすく提供していただける管理人様には、感謝しております。
無理なさらない範囲で続けていただけるとありがたいです。
>いつもの匿名ですさん コメントありがとうございます
わたしたちはキック、ムエタイまで広く浅く見ているファンなので、それぞれの知識の量は少ないし、質も低いです。
ただ日本のメディアが一定の方向以外のことは何も書いてくれないので、これは書かなきゃなあ、というところを書かせてもらっています。
いつまで続くか分かりませんが同じリングスポーツのファンとしてよろしくお願いします。
てっきりホリー・ホルム選手だと思ってました
>まささん
あー、ホリー・ホルム選手ですか。彼女のファイトマネーがいくらだったか忘れちゃいました。
彼女はすごい実力とスター性の持ち主ですが、ボクシング時代はホームタウンのニューメキシコから全然出なかったので世界はおろか全米的な人気もなかったんですよ。だから、あんまり高額なファイトマネーは得てないと思います。
MMAに転向してから全勝で、今度はあのロンダ・ラウジー選手と一騎打ちが決まりましたから、勝てばビッグマネーのチャンスですね。
すごく面白い試合になるんじゃないでしょうか。