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松田恵里 vs モンブランみき 日本アトム級タイトルマッチ 試合経過 VICTORIVA Vol.5 ボクシング女子

2019年9月12日(木)東京 後楽園ホール
VICTORIVA Vol.5

日本アトム級タイトルマッチ 6回戦
王者 松田恵里 まつだえり(OPBF同級王者/TEAM10COUNT)
VS
挑戦者 モンブランみき もんぶらんみき(Reason押上)

赤コーナーは王者の松田恵理選手。
アマ出身で、プロ2戦目で東洋王者、3戦目で日本王者という変な順番でトップを獲った選手ですが、どの試合も時間の半分はクリンチというアマでもプロでも通用しない異常な内容での判定勝利でしたので、いろいろと不安な印象がぬぐえません。
今回は日本王座のほうの初防衛戦です。

青コーナーの黒メイド姿は挑戦者で日本アトム級2位のモンブランみき選手。
1位には石川海選手がいるのですが、石川選手はタイで『ビッグマッチ』がひかえているそうなので(笑)松田選手とは戦わないらしいです(笑)。
モンブラン選手はチャラいコスプレでリングに上がることで知られていますが、そのファイトはいつでもガチなのでファンの支持率は高いです。

アマで数年のキャリアを持ち、プロではA級ライセンスの松田選手に対し、アマ経験なし、プロでB級ライセンスのモンブラン選手。
格としては完全に松田選手のほうが上です。
そして、おそらく王者は接近戦はいつもの通り全部クリンチで潰すでしょうから、モンブラン選手は接近する前にパンチを当てる以外に勝機はありません。
しかし、松田王者は離れた距離でのディフェンスは得意。おまけにサウスポーなので、モンブラン選手には非常に難しい試合になるでしょう。

と、思っていたところ、序盤からモンブラン選手は左右のパンチを当てて攻勢。
松田選手の避け勘を上回るモンブラン選手の当て勘?

モンブラン選手の攻勢をクリンチで止める松田選手。またいつものクリンチショーの始まりでしょうか?

第2ラウンド このラウンドもモンブラン選手の攻勢。松田選手はバックステップとクリンチという感じ。
しかし、クリンチはいつもよりも控えめで、これなら常識の範囲。

松田選手も手を出しますが、遠いところから「打ってますよ」的なパンチ。

パワーパンチを当てているのはモンブラン選手の方で、明らかに押されている松田王者。

終盤に松田選手の左がようやく当たり始めますが、モンブラン選手のラウンドでしょう。

第3ラウンド この回も正確に相手をとらえ続けるモンブラン選手のパンチ。

松田選手にとっては苦しい展開ですが、いままでなら確実にクリンチに行ってた距離でも、なるべくそうしないように努力している様子が見て取れます。

近い距離でもパンチを打つようになった松田選手。
そういえば、今まではクリンチに行くとただ抱きついたままでしたが、きょうの松田選手はクリンチの体勢でも手があけば打とうとしています。

ショートレンジを捨てなくなった松田選手はしだいにミドルレンジでも積極的に・・。利き腕の左が当たり始めます。

モンブラン選手も勢いを維持し、この回はイーブンでしょうか?

第4ラウンド 松田王者は基本はバックステップながらクリンチは少なめで「戦う」姿勢をさらに濃くしています。
両選手ともにノーガード状態の打撃戦になっていますが、体を動かすことでディフェンスとしている王者に比べて、モンブラン選手は上体がいつも同じ位置にあり、攻撃の圧力でなんとか打たせていない状態。

ここまではまだモンブラン選手の攻めの印象が強いですが、相打ちのような場面も確実に増加して、リング上には危険な雰囲気が・・。

第5ラウンド 攻勢を維持しようと果敢に前に出るモンブラン選手ですが、松田選手も攻める姿勢を見せ、どちらが優位とも言えない状態。

しかし、ラウンド終盤、モンブラン選手の圧力が減って松田選手が自由に動けるようになったところで、松田選手がいきなりの左ストレート。続いて右を顎に当てるとモンブラン選手はその場に両手をつくダウン。

モンブラン選手はすぐに立ち上がり、ダメージはないように見えます・・。エイトカウントで試合再開。

しかし、リスタート後に1発、2発と打たれるモンブラン選手を見て、レフリーがすかさず試合をストップ。松田選手が自身初の(T)KO勝利で同王座の防衛に成功しました。
モンブラン選手がレフリーが入る直前に打ち返していたこと、ラウンド終了まであと5秒だったことで、このストップに賛成しない人もいるかと思います。しかし、これは仕方ないですね。レフリーは適切だったと思います。

日本アトム級王座の防衛に最高の形で成功した松田恵理王者。
松田選手の売り出し方や、これまでのマッチメイクとその認可には、業界のエコ贔屓がはっきり感じられ、ファンとしてはいい気持ちがしませんでしたが、それはまわりの人間たちの問題であって松田選手本人の責任ではありません。
選手が責任を負うのはその試合内容なんですが、今回はいままでのような「クリンチで時間かせいで、おまけに苦手なショートレンジを誤魔化して」というプロ失格の内容からは一歩も二歩も、いや四歩ぐらい前進して、王者(6回戦ですけど)と呼ぶにふさわしい内容だったと思います。
クリンチは確実に減っていましたし、クリンチしても自分から解くこともあり、いままでのように抱きついたらそのまま離さなかった人とは別人のようでした。不慣れながらもショートも打とうとしていましたし、次回からもこれが出来るなら今後は期待できると思います。
あの一撃が出せるかどうかがボクサーの真骨頂なので、今回は松田選手の完勝です。
モンブラン選手は今ある力で精一杯戦いました。負けても人気が出るような負けもあります。今回はそういう試合でした。

日本アトム級タイトルマッチ 6回戦
○王者 松田恵里 まつだえり(OPBF同級王者/TEAM10COUNT)
TKO 第5ラウンド
×挑戦者 モンブランみき もんぶらんみき(Reason押上)
松田恵里選手がTKO勝利で同王座の初防衛に成功。

松田恵里 まつだえり(OPBFおよび日本アトム級王者/TEAM10COUNT)4戦4勝(うちタイ人0)1KO(うちタイ人0)
モンブランみき もんぶらんみき(Reason押上)8戦4勝(うちタイ人0)3敗1分1KO(うちタイ人0)

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