Boxing
2010年7月17日(土) 後楽園ホール
MEGA FIGHT 39
ミニフライ級6回戦
柴田直子(ワールドスポーツ)
VS
小田美佳(宮田)
アマチュアボクシングからプロに転向する女子選手の多くがプロの4回戦を省略して6回戦からスタートするのに対して、柴田直子選手はアマでの実積がありながら4回戦からこつこつと勝ち星を積み上げてきた選手。今回が初の6回戦となります。
対する小田美佳選手はJBC公認前からプロとしてのキャリアを持ち、すでに6回戦を2試合経験。しかし、直近の伊藤まみ戦では低レベルの殴り合いに終始するドローを演じてイメージダウン。テクニシャンの柴田選手との今回の試合が名誉挽回のチャンスです。
1回 開始のゴングから積極的に手を出し合うふたり。軽快に足を使って動きながら、左ジャブで相手をうかがい、スキを見ては右を叩き込もうというスタイルの両者。一見とても似たボクシングをしているようですが、きれいなワンツーで先制ヒットを奪ったのは柴田選手。スピードとキレで若干上回っています。
さらに、小田選手の左に右クロスを合わせ、カウンターの腕を見せる柴田選手。続く返しの左フックもヒット。
2回 柴田選手に傾きかけている試合の流れをリセットしたい小田選手。距離を詰めていきなりの右で場内を沸かせて攻勢。小田選手のこの距離での当てカンには非凡なものがあります。
一瞬、打ち合いに応じる構えを見せた柴田選手ですが、しだいに距離を取り、攻撃をかわしながら中段を攻めます。
カウンターを織りまぜる上手な試合運びで距離と主導権をキープする柴田直子選手。
3回 積極的に出てくる小田選手の攻撃をしっかり防御しながら左ボディーブローを放った柴田選手は続いての右をアゴのあたりにジャストミート。
これが完全に効いてしまった小田選手はグラリと揺れながらキャンバスにヒザを着くダウン。
立ち上がってファイティングポーズをとる小田選手。カウントは8。この回はまだ1分20秒を残しています。
レフリーの試合続行の指示とともに猛然と打ちかかる柴田選手に、驚異的な回復力で応戦する小田選手。
柴田選手は残り時間でストレート、フック、アッパーを繰り出して10発前後のクリーンヒットをマークしますが、小田選手の反撃意欲も旺盛。
手数と、動きの正確性を保ったまま、このラウンドを乗り切り、打たれ強さと気持ちの強さを見せる小田選手。全力での死闘に沸き上がる場内。
4回 反撃に出てくる小田選手をバックステップでさばきながら距離を取った柴田選手。相手の様子を見ながらボディー打ちとカウンターで安全に時間を使いながら仕留める機会をうかがいます。
1分を過ぎたあたりから突如攻勢に出た柴田選手。上体の動きで避弾行動をとる小田選手はまだまだ元気そうに見えますが、足が止まっています。
自分の距離にもかかわらず打ち負け始めた小田選手。その様子を見てセコンドがタオルを投入。4回1分43秒、柴田選手がTKOで勝利しました。
小田選手には戦う余力がありましたが、勝敗は見えはじめていましたのでこのストップは適切でしょう。将来ある選手に無駄なダメージを与えないで勝負を切り上げた赤コーナーの英断に拍手をおくりたいと思います。
そして、敗れたとはいえ、小田選手の戦いも見事でした。ダウン後の1分20秒を乗り切った3ラウンドに象徴されるように、この日の小田選手は終始冷静でした。
柴田直子選手はこの勝利で戦績を6勝無敗3KOと伸ばしています。面白い女子ボクシングを見たいと思う人はこの人の名前を覚えてください。掛け値無しでいい選手です。
ミニフライ級6回戦
○柴田直子(ワールドスポーツ)
4回1分43秒TKO(タオル投入)
×小田美佳(宮田)
柴田直子選手のTKO勝利。
(小田選手、3回にダウン1)
この試合の結果、両者の戦績は以下のようになります。
WBCミニフライ級17位
OPBF東洋太平洋ミニフライ級2位
柴田直子 しばたなおこ(ワールドスポーツ) 6戦6勝3KO
OPBF東洋太平洋ミニフライ級5位
小田美佳 おだみか(宮田) 7戦4勝2敗1分1KO
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コメント
柴田直子の次の試合はまだですか?
柴田選手の次の試合は11月の予定だそうです。詳しく分かりましたらご報告します。