Boxing
2010年12月15日(水) 後楽園ホール
GLegend 3
OPBFミニフライ級タイトルマッチ 10回戦
王者 藤岡奈穂子(竹原&畑山)
VS
挑戦者 柴田直子(ワールドスポーツ)
1回 ふたりは慎重にリングをまわりながらときおり鋭いジャブ、ワンツーの交換。
どちらも相手のパンチがよく見えているようで、軽い動きで相手の攻撃をかわしています。
2回 この回も両者ともに機会をうかがうような展開でしたが、1分過ぎに柴田選手が攻撃に出ると藤岡選手はぐっと前がかりになって強打で反撃を開始。5発、6発とパンチを続けながら大きく前進してくる王者に押し込まれてしまう挑戦者の柴田選手。
3回 この回は柴田選手が速さのある左で王者を鋭く攻めます。藤岡選手はこれを正面からは応戦せず、足を使ったアウトボックスでやりすごすかまえ。
1分が過ぎると王者はアウトを続けながらもときおりボディを打ちに出てきます。そして終盤には突然上段を狙っての集中攻撃。次々とスタイルを変えて挑戦者を振り回している感じのチャンピオン。
4回 藤岡選手はアウトしながらも機を見ては強打をまとめるメリハリのあるボクシング。足を使わせたくない柴田選手は藤岡選手を強引にロープぎわに詰めると右アッパーのダブルを当てますが、それ以降、藤岡選手は前よりもていねいなムーブでリングを回るようになりロープに詰められることを回避します。
ラスト20秒からは足を止めて挑戦者に襲いかかり、強烈な右を命中させる藤岡選手。ここで最初のオープンスコアは3-0で藤岡選手。
5回 ポイントでリードした王者はこの回もヒット&アウェイを持続したいところ。しかし、挑戦者の柴田選手の右ストレートを1発、2発と顔面に受けて、王者は打撃戦に引き込まれていきます。この回は柴田選手のパンチが冴えを見せクリーンヒットを繰り返します。
しかし、藤岡選手も重いボディーやフックで打ち返し、試合は激しくなる一方。
6回 この回は基本的にアウトボックスを続ける王者。しかし、ときおり距離が縮まると激しい打ち合いの火花。前の回に続いて柴田選手のパンチはシャープで、リードの左やカウンターの右がクリーンヒット。しかし、パンチの重さでは藤岡選手の右フックか。
7回 リードされている柴田選手はどうしても直線的に追いかける形になりがち。これを左右にかわしながら打ち返してくる藤岡選手。柴田選手のディフェンスにはいつものような柔軟性が欠け、じっと反撃のときを狙っているかのようにガードを固めたまま。
藤岡選手はそのガードの上からでもおかまいなしに大きなフックを連打し、わずかに隙間があくとアッパー。柴田選手が反撃のためにガードをあけるとそこにフックの嵐。この回はチャンピオンが積極的に攻めて優勢を決定付けました。2回めのオープンスコアも藤岡選手。
8回 相変わらずまっすぐに詰めようとする挑戦者を藤岡選手がフットワークで翻弄。逃げてはふいに前に出てボディーと上の打ち分け。
9回 一発を狙いすぎているのか、完全に直線的なファイターとなってしまっている柴田選手。藤岡選手のいいターゲットになり、左目付近がみるみる腫れ上がります。
10回 王者の完全なリードで迎えた最終回。このまま行けば勝利間違いなしの状況にもかかわらず、藤岡選手はKOでの勝利を狙ってか1分過ぎからリング中央で足を止めて乱打戦に突入。
お互いがいいフックを当てますが同じくらい返される激戦のなか試合終了のゴング。
判定3-0で王者藤岡選手がタイトル防衛に成功しました。
藤岡選手が攻めるときは攻める、逃げるときは逃げるというインアウトのはっきりしたボクシングでチャンピオンらしい試合運び、説得性、迫力を見せつけた内容でした。
柴田選手はコツコツと4回戦を積み上げてBクラス入りをしたあと、6回戦をひとつ消化し、実力を評価されてAクラス昇格を果たした優秀な選手ですが、長丁場の試合経験の不足は隠せませんでした。技術と闘志は◎二重マル。あとは今回の経験を生かしてさらなるバージョンアップを期待。
藤岡選手は不安視されていたスタミナにもなんの問題もなく、動きのキレもよく、パンチの組み立てや破壊力も充実、最高のコンディションでした。最終ラウンドの打ち合いはプロ意識のあらわれでしょうか。このままの調子を保って大きなチャレンジが出来たら素晴らしい結果が出ることでしょう。
OPBFミニフライ級タイトルマッチ 10回戦
○王者 藤岡奈穂子(竹原&畑山)
判定3-0
×挑戦者 柴田直子(ワールドスポーツ)
ユナニマスデシジョンで藤岡奈穂子選手が勝利し、ベルトの防衛に成功。
この結果により両選手の戦績は以下のようになりました。
藤岡奈穂子 ふじおかなおこ(竹原&畑山)5戦5勝3KO
柴田直子 しばたなおこ(ワールドスポーツ) 7戦6勝1敗3KO
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