神村エリカ vs ハム・ソヒ II　ＲＩＳＥクイーン挑戦者決定戦　詳細　ＲＩＳＥ８８　キックボクシング女子

　Kick Boxing

２０１１年６月２日（土）　東京ドームシティホール
ＲＩＳＥ８８

ＲＩＳＥクイーン挑戦者決定戦
ＲＩＳＥルール４８kg級　３分３Ｒ（延長ラウンド数無制限）
神村エリカ（TARGET／Girls S-cup2011王者、前ＷＭＣおよびＷＰＭＦミニフライ級王者）
ＶＳ
ハム・ソヒ（CMA KOREA／CMA KPWキックライト級王者、Girls S-cup2011準優勝）

　現在は及川道場のＲＥＮＡ選手が保持しているＲＩＳＥクイーンのベルトへの挑戦権をかけて、ＲＩＳＥ女子の看板ファイター神村エリカ選手と韓国が誇る実力派ハム・ソヒ選手が対戦しました。

　ハム・ソヒ選手は総合の選手として知られていますが、韓国やタイでイム・スジョン選手とともに練習を積んだストライカー。いままでにムエタイルールで大石綾乃選手、シュートボクシングルールで未奈選手などに勝利している実績があります。

　昨年夏には神村エリカ選手とGirls S-cup決勝で初対戦、神村選手に判定で敗れていますが、その試合の直後から「トーナメントでなくワンマッチでもう一度戦いたい」との希望を語っており、今回はそれがかなった形での対戦。

　第１ラウンド　小さなフェイントをかけながら距離とタイミングを計り合う両者。どちらも慎重な立ち上がりです。

　昨年のGirls S-cupでは５０kg級で対戦したふたりですが、この日の試合は４８kg級。そのせいか、ハム・ソヒ選手がいつになく細く見えます。というか、実際にボディーも腕まわりもかなり細く、ローキックやミドルにいつもの迫力が感じられません。

　多くの対戦相手を苦しめてきたあの強烈な左ストレートも陰をひそめ、パンチの打ち合いでは神村選手の左フックをダブル、トリプルと続けて被弾し、いいとこなし。

　一方の神村選手は左右ともに安定したフォームでミドルキックを放ってプレッシャーをかけます。

　ハム・ソヒ選手の左ミドルをキャッチしながら左フックを入れる神村選手。

　後手に回ったハム・ソヒ選手はヒザ蹴りで反撃。

　第２ラウンド　本来ならガンガン打ちながら出て行くことで試合を作っていくハム・ソヒ選手が、この日はパワーや体力に自信が無いのか、距離を置いたところからローキックなどで少しずつ崩そうという動きをしています。けれども、多少の攻撃ではひるまない神村選手は確実にパンチを返して主導権をキープ。

　左フックと左ミドルのイメージが強い神村選手が、この試合では右ストレートや右ミドルも要所で決めて、ハム・ソヒ選手を苦しめます。

　そして、一番目立っていたのが左の前蹴り。ハム・ソヒ選手が前進しようというその時にカウンターで後方に吹き飛ばす場面がなんども繰り返されます。ハム選手の持ち味の前進力を封じてしまう効果大。

　相手を見る場面が多くなったハム・ソヒ選手は、攻撃の出足が少しずつ遅くなり、ミドルを出してもローを出しても神村選手にしっかり対応されていい形にならず。

　神村選手が仕掛けてくるパンチのラッシュに応戦するハム・ソヒ選手。

　ここでも勝っているのは神村選手。

　第３ラウンド　右のロー、ミドル、ハイを積極的に使って試合のリズムを作る神村エリカ選手。

　出て行けばカウンターの左のキックで飛ばされるのでハム選手は動きが取れません。

　慎重になったところに神村選手の飛び込み前蹴りをもらって吹き飛ばされてしまうハム・ソヒ選手。

　最後まで前に出る気持ちを見せるハム・ソヒ選手。しかし、試合そのものを神村選手に支配され、手数はあるものの有効打にはつながりません。このカードで期待されたであろうパワフルなエネルギーの激突という場面が最後まで見られなかったのも残念なところ。５年前の対渡辺久江戦では４９kgで戦っていたハム選手も、最近は５２kg前後の試合が多く、この４８kgという階級はいまの彼女には無理が大きかったように思われます。

　判定は３－０で神村エリカ選手。ダウンシーンはありませんでしたが、スキのない試合運びで対戦者に何もさせなかったのは大きな収穫。倒し急がないで冷静に試合を組み立てる神村エリカ選手はますます手ごわい選手になっていくことでしょう。

ＲＩＳＥクイーン挑戦者決定戦
ＲＩＳＥルール　３分３Ｒ（延長ラウンド数無制限）
○神村エリカ（TARGET／Girls S-cup2011王者、前ＷＭＣおよびＷＰＭＦミニフライ級王者）
判定３－０
×ハム・ソヒ（CMA KOREA／CMA KPWキックライト級王者、Girls S-cup2011準優勝）
神村エリカ選手の判定勝利。
（２９－２７、２９－２７、３０－２８）