Kickboxing
2013年2月17日(日) 東京 ディファ有明
蹴拳IX ~Part.2~
WBKF世界女子フェザー級王座決定戦 3分5R延長1R
AZUMA あずま(y-park/BONITA BOXEOフェザー級王者)
VS
ヨアンナ・イェドジェイチク(ポーランド/IFMA世界ムエタイ選手権2012フェザー級金メダル)
このところ世界戦が続いているAZUMA選手。本日の戦いはK-1系ルールのWBKF世界女子フェザー級タイトルマッチ。
対するは正確無比のコンビネーションを得意とするポーランドの技巧派ヨアンナ選手。IFMAムエタイトーナメントを征した世界王者です。
第1ラウンド 上半身がまったくブレないきれいな蹴りを飛ばしてくるヨアンナ選手。
しかし、AZUMA選手がロー、ミドルを返すと、世界王者はそれ以上は前進せず、慎重な構えに。
さらに続くローには、パッと飛び退いてディフェンス。AZUMA選手のパワーをさとったのか、かなりの警戒態勢です。
この回は終了間際にヨアンナ選手がいいコンビネーション攻撃を見せたものの、全体的に静かで明確な差がありません。AZUMA選手がその破壊力を前面に出せば切り崩せる期待感が漂います。
第2ラウンド ゴング直後から高速コンビネーションを繰り出して来たヨアンナ選手を、AZUMA選手が冷静に左フックで迎撃。続いて右ストレートもヒット。このまま流れを掴むか?
一瞬さがったヨアンナ選手は、思い返したようにコンビネーションで前進、そのあとは組んで来ますが、首相撲無しルールのためすぐにレフリーがブレイク。
そして、ヨアンナ選手の蹴りとAZUMA選手のパンチが交錯する一進一退の状況に。
彼女が打ち込もうとするところにAZUMA選手はカウンターパンチ。
蹴りにはスッと距離をあけてディフェンス。的確な読みです。ヨアンナ選手をかなり研究してきた様子のAZUMA選手。
勝機と見てローキック、そしてストレートで打ちかかるAZUMA選手。会場から「AZUMA行けるぞ」の声。
しかし、ここで崩れなかったヨアンナ選手はラウンド残り20秒でいきなりの顔面ハイキック。
さらに、フルスイングの右。コンパクトなパンチのイメージにそぐわないワイルドな一撃は想定外だったか?AZUMA選手はこれをまともにもらってしまいます。
掴んでのヒザは禁止のハズながら、どさくさにまぎれて蹴り上げるなりふり構わないヨアンナ選手のアタック。
これで何となく流れをたぐり寄せはじめた感のヨアンナ選手。歴戦の経験値がうかがえます。
第3ラウンド ついに前に出て来たヨアンナ選手。しかし、AZUMA選手も果敢に応戦。
フェイントのジャブから右のフックにつないでAZUMA選手をのけぞらせるヨアンナ選手。
そのあとはショートレンジの攻防を省略して掴み。流れがグダグダになってAZUMA選手は反撃出来ず。
ブレイクからのリスタート。AZUMA選手は攻めに意識が行き過ぎているのか左右の動きに乏しく、同じところに居着いてしまって標的となります。
ヒットを奪うとすぐに組み付きというシンプルな突撃クリンチ戦法に徹するヨアンナ選手。
その姿は技巧派の世界王者と言うよりは、アウェイの地でなんとか白星を勝ち取ろうとするひとりの競技者そのもの。必死さが伝わってきます。
第4ラウンド 流れを取り戻したいAZUMA選手が強引に前進。そこにヨアンナ選手は左のカウンターパンチ。続いて右ストレートから蹴りにつなぐコンビネーション。
それを組み付きという低リスク戦法でつぶすヨアンナ選手。ちょっとクリンチが多すぎて試合になっていません。
組みOKのルールならここからがまたテクニックの見せ所で、ひとつの山場になるのですが、すぐにブレイクになるK-1系のルールではブツブツと流れが切れて盛り上がらず。
ヨアンナ選手は浮かない表情で首をかしげながらもこの戦法を続行。
しかし、深刻なのはAZUMA選手の状況。依然として右のスイングパンチに対応出来ず、直撃を避けれません。とうとう吹っ飛ばされてしまいましたが、レフリーの判断はノーダウン。
完全に居着いてしまったAZUMA選手はアッパーなどももらって防戦一方。
第5ラウンド 最終ラウンドを迎えてハナっから打ち合いモードの両選手。正確な打撃でヨアンナ選手が先手を取ります。
続いてバックハンドを放ちますが、これを見切ったAZUMA選手が右フックで迎撃。
しかしノーダメージで切り抜けたヨアンナ選手は彼女本来の正確なストレート系で攻勢。
さらに、この日の主武器となった右のスイングでダメ押し。AZUMA選手のパワーと機動力はついに不発のまま試合終了。
判定はヨアンナ選手。勝利を告げられた世界王者は額に手を当てて天に感謝します。
WBKF世界女子フェザー級王座決定戦 3分5R延長1R
×AZUMAあずま(y-park/BONITA BOXEOフェザー級王者)
判定0-3
○ヨアンナ・イェドジェイチク(ポーランド/IFMA世界ムエタイ選手権2012フェザー級金メダル)
ヨアンナ選手が判定勝利でWBKF世界女子フェザー級王座を獲得しました。
(47-50、47-49、48-49)
ヨアンナ選手が華麗なコンビネーションを前面に出さず、強引なワイルドスイングで局面を切り開くという意外な展開になったこの一戦。AZUMA選手の読みとパワーを警戒したヨアンナ選手が窮余の一策で逃げ切った感の世界戦となりました。
世界のトップ選手に自分のスタイルを捨てさせたAZUMA選手はあっぱれというべきですが、ファンの胸に、もっと出来たのではないか、もっと動けたのではないか、という「たら」「れば」の思いを残す試合でもありました。AZUMA選手の次の一歩に期待します。
On Saturday February 17, at Differ Ariake in Tokyo,
Joanna Jedrzejczyk won over Azuma by unanimous decision for vacant WBKF featherweight title in modified 5x3mins K-1 rules.
関連記事 AZUMA vs ヨアンナ WBKFフェザー級王座決定戦 結果 蹴拳IX ~Part.2~ キックボクシング女子
関連記事 決定!!AZUMA vs ヨアンナ WBKFフェザー級王座決定戦 予定 蹴拳IX ~Part.2~ キックボクシング女子
関連記事 大石綾乃 vs ヨアンナ[ジョアンナ] 11月23日ホーストカップ 詳細 キックボクシング女子
関連記事 大石綾乃 vs ヨアンナ[ジョアンナ] 激闘動画 ホーストカップ キックボクシング女子
関連記事 AZUMA vs サーオシン・ソーソピット WPMFフェザー級タイトルマッチ 詳細 ムエタイ女子
関連記事 AZUMA vs キム・ジヨン 詳細 ジュエルス 20th RING キックボクシング女子
関連記事 4年半の歳月を経てのリマッチ! AZUMA vs 佐々木仁子 II NJKFフェザー級タイトルマッチ 詳細 キックボクシング女子
コメント
この試合を何度も取り上げていただいて嬉しいです。AZUMA選手は実力の割にメディアに取り上げられてないなぁと感じています。
関係ないですけど、AZUMA選手って松たか子に似てませんかね。
AZUMA選手は世界レベルなのがわかった試合だっただけにファンとして悔しいです。サーオシン選手、ヨアンナ選手と強敵ですが、必ず勝てるとファンは思ってるから頑張ってもらいたい。
毎回このサイトで情報もらってます!いつもありがとうございます。