Boxing
2014年3月3日(月)東京 後楽園ホール
G-Legend 6
IBFライトフライ級タイトルマッチ 2分10回戦
王者 柴田直子(ワールドスポーツ)
VS
挑戦者 グアテルペ・マルチネス(メキシコ)
IBFライトフライ級世界王者の柴田直子選手の初めてのタイトル防衛戦が3月3日におこなわれました。IBFは日本国内ではまだ耳慣れない団体ですが、世界的には大メジャー団体として知られており、ハッキリ言ってWBAなんかよりもずっと権威と人気のある団体です。
しかし、それは男子での話であって、女子に関してはまだ3年程度しか歴史が無く、これといった大物スターも生まれていない新興勢力。つまり、IBFの各階級の女子チャンピオンは現在は大物ではないにしても「これからに期待」といった過程にいます。
そんなIBFの問題点としては女子のベルトが防衛されずに次々と王座が返上または剥奪となり、空位となった階級では決定戦によって新王者が作られていること。現在12人いるIBF女子王者の中で、決定戦によって誕生した王者はなんと10人!
ボクシングでは前王者を倒して得たベルトこそが本当に価値あるベルトで、決定戦王者は残念ながらそれよりも立場が低くなるのは常。彼女たちがチャンピオンとして良い評価を得るには、これから良い試合をたくさん見せることが必要です。
つまり「単に防衛するのではなく、その内容が問われる」という運命を背負ってしまったのが決定戦王者。そして、柴田直子選手もその一人なのです。
今回、柴田選手への挑戦者として来日したのはメキシコのグアテルペ・マルチネス選手。これまで特に実績らしいものはありませんが、まだ21才という若さながら、すでに世界戦を二度もこなしているのが強みでしょう。
また、ライトフライ級だけではなくスーパーフライ級でも戦っていることから分かるように、体も柴田選手よりも各部位が一回り太く、パワーとタフネスには自信があるようです。
マルティネス選手の基本戦法は、とにかく前進しながら相手のふところに入り、若干左右に広がる軌道のパンチを次々に放つこと。単純にしつこくしつこく追いかけてくる相手です。
これに対して柴田選手は常に相手との距離を測りながら、鋭いカウンターや相手の攻撃をいなしてからの反撃というテクニカルなファイトを身上とするボクサー。
最近のビッグマッチではその原点を忘れて不用意に相手の正面に立ち、運まかせに打ち合うようなラフな試合が続いていましたが、この日はキッチリ距離を取りながらパンチを組み立てていく本来の動きです。
チャンスとなれば攻撃をたたみかけて相手をコーナーに追い込む場面も何度もあり、会場はかなり沸きました。
相手がお世辞にも速い選手とは言えず、鋭く踏み込んで来ないため、柴田選手がカウンターを決めてもあまり鮮やかに見えないのが残念。
正面からのドツキ合いではなく、拳速の緩急と角度のバリエーションを織り込んだナイスパンチがいくつも見られました。
今回は、相手のレベルは別として、柴田選手自身の動きが上々で、特にフットワークがまったく止まらずに、彼女本来の多面性のある動きが出来ていたのが収穫でした。
本人の表情も明るく、自信を取り戻したように見えてひと安心です。
IBFライトフライ級タイトルマッチ 2分10回戦
○王者 柴田直子(ワールドスポーツ)
判定 3-0
×挑戦者 グアテルペ・マルチネス(メキシコ)
柴田直子選手が判定勝利でタイトル防衛に成功
しかし、このカメラクルーの立ち位置ひどくないですか?柴田選手がお客さんに話しかけているときに正面に割り込んで来るお馬鹿さんがいますか。しかもこの距離で。反省してください。今度やったら許しません。
柴田直子 しばたなおこ(ワールドスポーツ)15戦12勝3敗3KO
グアダルペ・マルティネス(メキシコ)12戦6勝6敗3KO
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